ジョルノは言い聞かせる
◇5部終了後。
「それじゃあ、いつも言っていますが鍵はちゃんと閉めて。ドアチェーンも必ず掛けるようにしてください」
「うん、分かってる」
「もしも誰かが訪ねて来ても、すぐには出ずに、一度相手の姿を確認すること」
「うん、ドアを開ける時もドアチェーンは外さない」
「そのとおり。…もし出かける時は、必ずキッチリと口を閉じられるカバンを持って行ってください。日本人はそういった標的にされやすい。特に、なまえのような小柄な女性は」
「うん、この間貰ったカバンを使わせてもらう」
「ああ、それと…最近海外から進出してきた企業が増えてきているからか、外国人を標的にした詐欺が流行っているそうです。何処かに誘われたり、何かを勧められても、基本的には断るようにしてください」
「そうなの?…それは怖いなぁ…」
「金銭だけならまだしも、キミに何かあってはいけない。できれば一人で出かけることも避けてもらえると、僕は安心できます」
「そうだね…この間のこともあるから、一人で出かけるとしても近所のマーケットくらいだと思う」
「…では、行ってきます。今日もこの“お守り”を渡しておきます」
「ありがとう。行ってらっしゃい、はるのくん。…今日もよろしくね、幸運のテントウ虫さん」
彼の名前がどういう字なのかも知らないけれど。
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