億泰くんは成人式を欠席する


◇4部終了数年後。


「え、億泰くん…成人式行かないの?」

「おー。俺ァそーいう堅苦しいのはなぁ。行かなきゃダメってんじゃねぇし、俺は兄貴の墓参りにでも行くよ」

「あ…。うん、そうだね。形兆さんにはちゃんと報告しなくちゃだね」

「…なんつーか、未だに兄貴より俺のが年上になっちまったって、実感わかねぇんだよなぁ…」

「『年上になっちまった』、じゃなくて『年上になれた』でしょ。…色々あったけど、こうして億泰くんや他の同級生と成人を迎えられて、本当に良かったよ…」

「なまえはあんま二十歳って風に見えねーけどな!」

「ちょっと。そこはお世辞でも綺麗になった、とか言っとくとこだと思いますけどー?」

「ま、もし気が向いたら式終わってからでもよォ、顔出してくれよ。着るんだろ?着物」

「う、うん。お母さんのお下がりだけどね。一応…」

「写真撮って兄貴にも見せてやらねーとな」

「なっ!いらないでしょ、わたしの写真はっ!」


おまけ


「どう?人生初のビールのお味は」

「…にっがァッ!…うめーもんじゃねぇなぁ…」

「ふふふ、億泰くんは甘党だもんねぇ」




- 4/100 -

前ページ/次ページ


一覧へ

トップページへ