承太郎は過去を引きずっている


承太郎にフラれたの一年後。
 なまえさん不在。


冬独特の、澄んだ薄い青色の空。
…いつだったか、かつての仲間…なまえが言っていた。
『薄青色のガラスをはめ込んだようだ』と。

今見上げる空は、まさにそう思わせるほど雲もなく、穏やかに広がっている。

おれは、この澄んだ色を気に入っている。
だが、それとは別に…苦い思い出が蘇る。

『吊り橋効果、ってやつだろ。お前はおれのことを好きなんだと、勘違いしているだけだ』

咄嗟に口をついて出た言葉だった。
我ながら、なんて適当で苦しい…そしてあいつをどれだけ傷つけたのかと未だに頭を抱えたくなる。
嘘でも、もっとマシな言葉はなかったのか。

一年も前のことを、なまえはもう気にしてなどいないかもしれない。

おれのことなど忘れて、日本で平和に新しい環境、新しい人間関係を築いているかもしれない。…いや、そうであってほしい。

それがおれの願いなのだから。

DIOを倒した後も、ヤツが広め、植え付けた影響はまだ完全に消えてはいない。

DIOとの因縁を、じじいはジョースター家の宿命だと言っていた。
それならば。
どんなカタチであれ、なまえをこの宿命とやらから遠ざけることができたのならそれは…おれにとって最善の選択だったと、いつか。

いつか、そう思える日が来るはずだ。



短編:承太郎と2年ぶりに続きます。





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