承太郎と幼馴染(腐)


※注意※
なまえさんが腐女子です。
なのでそういう表現があります。(あくまでゆるめ)
苦手な方は十分ご注意下さい。
あと、一応生存院です。


ある日突然蒸発した幼馴染の空条 承太郎が帰って来ました。

…蒸発ってちょっと言い方悪いかな。
なんか、家出した?

詳しいことは分からないけれど、ホリィさんが病気になり、あの有名なSPW財団のお医者さんたちが空条邸に詰めるようになって、何故かそれと同時に承太郎がいなくなった。

なんて親不孝で薄情な男なんだと失望したけれど、お医者さんは訳知り顔で「彼は今、奥様のために戦っているんです」と言っていた。

幻の薬草でも採りに行ってるんだろうか。

そんなことを思って2カ月近く。

ついに、承太郎が帰って来ました。

転校翌日から失踪した花京院くんと一緒に。

さて、ここで突然のカミングアウトですが、わたし、みょうじ なまえは腐女子です。

なんら共通点がなかったような幼馴染と転校生が突如蒸発。
同時に帰還。
それからやけに親しげだし、なんだか二人ともわたしの知る限りの雰囲気と違う。

空白の約2カ月になにがあったというの?!その辺kwsk!

「(リアルはなしかと思っていたけれど…普通に萌える。二人ともイケメンだからかな)」

承太郎と花京院くんの二歩後ろをついて歩く登校時間。
こんなに幸せなことはない。
今日も一日頑張ろうって気持ちになれる。

「おいなまえ、なんでお前離れて歩いてんだ」

「すみません、気が回らなくて…」

「えっ」

二歩前の二人がこちらを向き、二人の間に空間が。
なに、その空間は。
まさか、まさかこのわたしに二人の間に入って歩けと?

その素敵空間に、割って入れと…?!

そんなこと全わたしが許さない!!

「…いえ、わたし人の背中見て歩くの好きなんでお気遣いなく」

うん、無理があるって分かってるよ。
でもこれは嘘じゃあない。
二人の身長差たまらん。背中見てるの超楽しい。

不思議そうな顔をして、二人は顔を見合わせた。
きゃー!
なんだそれ可愛いなくそぅ!

今日も、わたしの幼馴染と友人がイケメンで可愛すぎてご飯がおいしいです。




日本に帰国し、お袋が無事だったことをこの目で確かめて安堵した。
そして、幼馴染であるみょうじ なまえを見て、日本に帰って来たのだと実感した。

なまえは帰国したおれを見てたいそう驚いていた。
当たり前といえば当たり前だ。
おれは学校にはもちろん、なまえにも何も言わずに旅に出たのだから。

むしろ、けろりと「ああ、帰って来たんだ?」なんて言われた日にゃぁ、流石のおれもショックだろうぜ。

それから、なまえにも花京院を紹介し、おれたちは数日後に登校を再開した。

その頃からだろうか。

妙になまえのヤツが余所余所しい。

今も、気が付けばなまえはおれと花京院の後ろに回り、離れて歩いている。

速度とか、そういう問題じゃあねえ気がする。

意図的に、こいつはおれたちと離れているのだとおれは思う。

「おいなまえ、なんでお前離れて歩いてんだ」

「すみません、気が回らなくて…」

一度立ち止まり、なまえが並ぶように一人分の空間を空ける。

しかし。

「…いえ、わたし人の背中見て歩くの好きなんでお気遣いなく」

初耳だぜ、そんなもん。

物心ついた頃から近くにいたなまえ。
母親の次に一番長い時間を共にした女だと言える。
そして、母親よりも長い時間を共にしていけたらと思える、唯一の女。

花京院も不思議そうな表情を浮かべ、ハイエロファントを出した。
おれもスタープラチナを出す。

当然幽波紋使いではないなまえには視えないし、幽波紋同士の意思疎通が聞こえるわけもない。

『承太郎…なまえさんは元からああいう人なのかい?』

『…いや、』

『だろうね。…だとすると、僕が彼女に嫌われている…ってことかな』

『あいつは嫌ってる人間と毎日登校したり昼飯食ったりできるような人間じゃねえよ』

『…だとすると、あの妙に余所余所しい態度はなんだろうか…』

『…おれが聞きてぇ』

はぁ、と思わず溜息が漏れる。

花京院に伝えたとおり、嫌われたということではなさそうだし、離れているとはいえ近くにいることには変わらねぇ。

おれがいなかった1カ月とちょっとの間になにかあったんだろうか。

ちくしょう、もどかしいぜ。

細かいことが気になると、夜も眠れなくなっちまう。








end


以下、おまけの花京院視点。


承太郎は、なまえさんが好きなのだとすぐに分かった。

なまえさんを見る目は、他の誰に向けるものとも違っている。
承太郎もこんな目を、表情をするのかと少し驚いた。

言葉こそ粗暴な時もあるけれど、触れる手はいつだって優しい。

なまえさんは気づいているのだろうか?

承太郎はそういうことに首を突っ込まれるのはきっと嫌うだろうけれど、これは僕個人が気になったこと。
だから、ちょっとだけ鎌をかけてみようと思ったんだ。

「なまえさん、承太郎とは幼馴染なんですよね」

「うん、そうだよ。3歳くらいからかなぁ。よく一緒に遊んで…はっ!」

「なまえさん?」

「気になる?承太郎の子供の時とか」

「え、…まぁ、興味はあります」

「そっかそっか!じゃあ家においでよ。アルバムとかにけっこー承太郎も写ってる写真あるからさ!」

「あ、ありがとうございます?」

意気揚々と承太郎について語ってくれるなまえさん。

しかしなんというか…恋愛対象としての好きとかそういうのとは、何か違う気がした。

頑張れ、承太郎!





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