甲斐に落ちた一番星(武田軍)[1/4]
さっちゃんはね
佐助って言うんだ本当はね!
だけどちっちゃいから
可愛くさっちゃんて呼ぶんだよ!
可愛いね!
さっちゃん!
あぁ…頭が痛い。
今日もどっかの頭に虫の湧いた馬鹿が元気に歌っている。
俺様がちっちゃい?
お前がでかすぎるんだよ木偶の坊。
言いたい事はあるが、今天井裏から出たら餌食になるのは目に見えているので、ぐっと耐える。
耐え抜いて見せるさ。
「破廉恥でござるぅぅぅぅぅぅぅっ!!!!!!」
そう離れていない所で旦那の叫び声がした。
おにがきたりて異聞
〜甲斐に落ちた一番星〜
「彰道殿ぉぉぉぉぉっ!破廉恥でござるぅ!」
耳まで真っ赤になった幸村を抱き締めてわしゃわしゃと髪を撫でると、腕の中で死に物狂いで暴れ出す。
「なにが破廉恥なんだ、幸村?」
「服を着て下され!」
「俺は拾われた犬だぞー。犬は服を着ないもんだ!」
全裸で全身を──主に下半身を──幸村に擦り付けて、喜びを体現してみると、びくっと幸村の肩が跳ねて硬直した。
「ななななななななにか当たって…」
「幸村が可愛すぎるのが悪いんだぞ?」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!佐助!!佐助ぇぇっ!!」
面白い。そして可愛い。
じょりじょり髭面で頬擦りすると、泣きが入った顔が赤くなったり青くなったり。
「大丈夫だって、入れるのはお前だから」
「こんな所で初めてを経験したくないでござる!」
「え?やっぱど────」
「破廉恥ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!」
毎回破廉恥って言って硬直してる間になしくずしになってるのに、懲りないな幸村。
ひょいと持ち上げると幸村の部屋に飛び込む。
佐助によりきっちりと片付けられた部屋には布団は敷かれていないので、側にあった座布団を下敷きにして、幸村をそこに押し倒した。
「犬なら待つでござる!待て!待て!」
「駄犬だからわかんなーい!いただきまぁす!」
「なにやってやがんだぁっ!!」
佐助のものらしい叫びに体が浮き上がり、俺は再び庭に放り出された。
意外と力持ちだね、さっちゃん。
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