鬼畜の星、鬼の星(佐助)[1/6]
武田菱が金で描かれた朱色の盃を一気に幸村が飲み干すのを見て、驚きと挫折感で胸が空く。
酔い潰す作戦はこの瞬間あっさり頓挫した。
「旨いでござる!」
かなり辛口で度も強い日本酒はとてもじゃないが現代人の自分の口には合わない代物だった。
それを迷惑料として戦国最強前田夫婦から樽ごともらったのだが持て余したので、幸村を酔い潰すに使おうと酒盛りに誘ったのだが、引きつるような良い飲みっぷりを見せられてはどうしようもない。
「ざるか」
「どっちかって言うと枠だね、旦那は」
横でちびちびやっている佐助も良く見ればかなりの量を飲み干してけろりとしている。
もっと口当たりのいい酒ならともかく、これをがぶ呑みするのは無理だ。
「もしかして旦那酒に弱いの?」
そりゃもう驚いているってオーバーリアクションで佐助が見上げてくる。
可愛いなぁもう!
元は並程度だが、今は体質的に毒さえ通用しないので、酔う楽しみさえない。
「いや、酔わないから旨いと感じない」
「…なんか納得」
「そうか?」
手酌で飲んでいた佐助のぐいのみに徳利から酒を注ぐ。
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