拍手ログ(久秀編)[2/5]
【闇に燃える】
小太郎→彰道
触れるだけの口付けを男はよく戯れにする。
からから瓦を鳴らして足先に転がる男が脛当ての上から足首に唇を落としたのを見て、けれど、心は風よりも雲よりも凪いでいる。
あの雇主と同じでこの男にも道理を求めると言う事が愚かしいと分かっていたからだ。
俺などより遥かに理とやらを知り、何かに付けては物言えぬ俺に世界の紐解きを見せ、満足とは程遠い顔で満足げにうなづいている。
もしそれが理を知り過ぎたがゆえに患った病なら、俺は理など知りたくない。
知らなくても獣も風も生きていける。
そう思い一度男の話を遮った事がある。
男は笑って言った。
「それが理だよ」
優しげに呟いたのが雇主だったのか男だったのか、その顔も声も朧で何故か思い出せなかった。
- 162 -
← | →
おにがきたりてTOP
HP
.