ダーク・アイスクリーム[12/30]
「独眼竜もこりないねー」
「うるせぇ」
頭のてっぺんにでかいたんこぶを作った奥州の覇者が、見た目だけは斜に構えて格好を付けているが、たんこぶの理由を知っている身からすればしまらない。
俺がいつもまつ姉ちゃんに殴られた時に使っている軟膏を麻布にたっぷり塗ると、ぺちゃりと政宗の頭においた。
「はーい我慢我慢。政宗は殿様だから我慢しねぇとな!」
「この程度どうってこたねぇよ」
明らかに痛みに顔をしかめてるけど。
俺は引きつった笑みを浮かべた。
「しかし、片倉さんにばれちまったなー」
さらに政宗が顔をしかめる。
拳骨の主は奥州双龍の片割れ、片倉小十郎。
萩原彰道に家を与えたからと様子見に行った先で、止せば良いのに、ちょっかいを出している所を見つかってしまい、墓の中まで持って行った方が人生平和であっただろう秘密がばれてしまったわけだ。
当の被害者の萩原彰道も乗り気だった事が暴露され、片倉さんに半殺しにあったらしいが、何も俺まで殴らなくても良いだろうに。
独眼竜に貼ったのと同じ湿布を、自分の腫れ上がった頬にゆっくりと貼った。
抜群にしみる。
だが、貼らなければ当分は男前が台無しだ。
幸い、利き手を怪我したらしい片倉さんの、右手で殴られたから、左手の時ほどは被害がない──らしい。
「で、どうするんだ?そっちも貼るのか?」
「…………」
頭の湿布を固定するために顎の下を通して手ぬぐいで固定する。
一番痛いであろう箇所を治療しないままでいれば、辛いのは独眼竜だ。
俺はされなかったが、罰を受けた時、政宗は本気で真っ赤になり泣きかけていた。
子供染みた顔が可愛いとか思った記憶は、同じ轍を踏まないように封印したが。
「……するしかねぇだろ」
まだ腫れが引いていないため、今もうんこ座りしている。
独眼竜が受けた罰は、
- 70 -
← | →
おにがきたりてTOP
HP
.