ダーク・アイスクリーム[21/30]


 



少々広いとは言えど所詮は小路であり、往来のど真ん中で大男が立ち回るには狭過ぎる。

だが広い大路であったならあったで、目を覆いたくなる惨事になるのは想像に難くなかった。

波打つ波紋が美しい超刀が風を巻き込み唸りを上げて挑みかかってくる。

実際戦ってみると、慶次のリーチの長さに舌打ちしたくなった。

一歩踏み込むだけで小路の幅に等しい攻撃範囲が面となって叩き付けられる。

鞘付きの邪鬼丸は厚さが数十倍はあろう超刀を軋む事なく受け止めた。

力が拮抗して鍔鳴りする刀の向こうで、慶次の目が見開かれる。

慶次の超刀が丸太なら、小枝サイズの邪鬼丸が受け止められる道理はない。

実際は、俺が押し返しているくらいだったが。

……いや、花束とか釣竿とかネギが業物なら十分ありえそうだけど。

むしろ普通の武器=弱いって固定観念が浸透している可能性も否定できない。

だが、そんな議論以前に大問題がある。


「ちょっと待て!なんで切りかかってきてるんだ!」


普通に疑問だろ。

慶次に出会って早々切りかかられるのは想定の範囲外だ。

政宗と言い慶次と言い、何が癇に触るのかは知らないが、俺を亡き者にしようとしている気がする。

小十郎は目的も行動も明白だからいいが、二人の、特に慶次が何故俺に敵意を剥き出しにするのか。

俺から凶暴化フェロモンが分泌されまくってるとかだけは勘弁して欲しい。


「気にするなよ!ただの喧嘩だ!楽しいねぇ!」


そうだろうか?

すっごい目が怖いんだけど慶次。






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