2-6
翌日、私は近藤さんから正式に入門の許可を貰った。
左腕の完治が認められたからだ。
稽古は明日から。
その事を、私は真っ先に沖田くんに報告しに行った。
「沖田くん!」
あまり話し掛けることをしなくなっていた私の呼び掛けに、沖田くんは一瞬驚いた顔をしたけど、すぐいつもの冷たさを瞳に宿す。
「何?」
以前なら緊張して萎縮してしまっていたが、今は不思議と怖くはなかった。
「俺、明日から稽古出ることになりました」
そう笑って告げると沖田くんの顔は少し険しくなった。
「なので、明日から色々とよろしくお願いします」
そう言いペコリと頭を下げ、沖田くんの言葉を待たずに立ち去る。
私は密かにある決意をしていた。
『沖田くんの事を知る』
以前の私は「必要な時以外話しかけない」という構えで沖田くんと接してきた。
彼の態度から、私は受け入れて貰えないと思っていたから。
でも昨日の彼を見て、そうではないと思った。
彼の態度には理由があるんじゃないか、と思えるようになった。
嫌われているのは確かだろうが、何故嫌われているかを知りたくなった。
だから私は、今日からめげずに彼に話し掛けようと思う。
……初っぱなから拒絶されたら心が折れそうになるので、少し逃げてしまったのは見逃して欲しいが。
〜・〜・〜
あの後も、何かと喋りかけてはみたもののことごとく冷たくあしらわれた。
そうして気が付けば、翌日。
とうとう初稽古の日が来た。
目の前にはこちらを見る門人たちの姿。
勿論あの四人組もいる。
「えー今日は皆に新しい門人を紹介する」
近藤さんの言葉で、私は一歩前に出る。
「少し前から内弟子として引き取った高崎真尋だ。何度か目にした者もいると思う」
「高崎真尋です。よろしくお願いします」
私は一礼する。
前を向いたら沖田くんと目が合った。
「年は惣次郎と同い年だ。皆色々と教えてやってくれ」
はい先生!、と口を揃えて目の前の男たちは言う。
それからすぐに稽古が始まった。
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