思い出をなぞる




とろけるの続き


「…というわけなので、建人さん含めて他の方には内緒にして頂けると…、」
「……本来は担任に申請してから許可を出すものなんだがな…。」
「すみません…、」
「いや、かまわん。七海にも小春さんにも、前世よりも幸せになって欲しいと俺も思っている。それに小春さんは常に学年トップ。成績がすぐに落ちるようなことはないだろう。今回は特別に許可しよう。」
「ありがとうございます、夜蛾さん。」
「ああ。頑張れよ。」
「はい。」

夜蛾さんとそんなやり取りをしたのは2年生になってすぐの事。私には秘かに計画している事があった。その為にはアルバイトをしてお金を貯めなくてはいけないと思い、校長先生である夜蛾さんに直談判しに行ったのだ。建人さんを含め、他の人に内緒にしたのは、建人さんはこの計画の当事者だから当然知られるわけにはいかない。そして他の人達に知られてはいけない理由としては、皆私を揶揄いに来るだろうと思って。そしてそれが原因で建人さんにバレる可能性があるからだ。五条さんや夏油さんなんか特に、最近は私を揶揄いに来る。そして建人さんに怒られてる2人をよく見ている。本人たちは楽しそうだけど、建人さんは結構イラついているみたいだから…。

「橘小春です、今日から宜しくお願いします。」
「皆さん、橘さんは高校生なので残業させないようにお願いしますね。それと、脹相君。橘さんの指導お願いね。」
「ああ、いいだろう。」
「…相変わらず敬語使わないね、君。」
「ふん、」
「…脹相さん…!」
「………オマエは、あの時の、」
「あれ?2人共知り合い?じゃあ尚更脹相君に任せちゃおうかな。シフトもなるべく被るように調整してもいいかな、脹相君。」
「ああ、かまわん。」

アルバイト先に決めたのはオシャレな喫茶店。制服が可愛くてちょっと着てみたいなって思っていたらアルバイトを募集していたのでここにした。ここの制服は女性がメイドさん、男性は執事のような服を着ている。一度建人さんと一緒に来た時からすごく可愛い制服だと思ってずっと気になっていたお店。その時は脹相さんを見かけなかったけど、まさかここで働いていたなんて。私のトレーナーになった脹相さんは前世で悠仁君と一緒に家に来た事があった上に、特徴的な髪型だったので覚えていた。脹相さんも私の事を覚えていたらしい。

「前世では悠仁が世話になったな。」
「いえ、こちらこそ。あれから大丈夫でしたか?」
「まあ、色々あったが、なんとかな。それよりも、悠仁を知らないか。ずっと探しているが中々会えずにいる。」
「私、家が隣です。」
「本当か!?」
「は、はい、現世では幼馴染で、今も同じ高校に通って同じクラスなので、」
「悠仁の話を聞かせてくれ!」
「ふふっ、いいですけど、まずはお仕事の事色々教えてください。」
「…まあ、今はそうだな。あとでしっかり聞かせてもらおう。」
「はい。」

喫茶店のバイトは毎週月水金で入ることにした。本当は貧血も心配だけど、前世の記憶を思い出してからは倒れる事も減ったので、多分大丈夫だろう。問題は建人さんに何と言ってバイトに入るか、である。建人さんは残業が嫌いだから仕事はさっさと済ませて帰るし、いつも一緒に帰って一緒にご飯を作って、建人さんに家まで送ってもらうのが今の日課になっているから、凄く心配を掛けそう。なんとか誤魔化す言い訳を考えなくちゃ…。ちなみに私の祖父母にはきちんと理由を説明したうえで許可をもらっているし、誤魔化すのも心苦しいけどちゃんと協力してくれるらしい。脹相さんに仕事内容を説明してもらいながら、私は必死にメモを取っていく。ハンディの使い方や、接客について、空のカップや食器を片付けるバッシングについてなど、色々と教えて貰ってあっと言う間に初日が終わった。タイムカードを切って更衣室で学校の制服に着替えると、建人さんから来ていたメッセージを見て、私も返信を打った。控室に戻ると脹相さんが私を待っていた。前世みたいな恰好ではなく、ちゃんと現代風の服を着ているらしい。でも髪型はあのままだ。ちなみに脹相さんは今大学生だそうだ。

「橘、悠仁の話を聞きたい。家まで送ろう。」
「あ、ハイ、ではお願いします。」



...




私は仕事を終わらせてスマホを見た。小春からのLIME通知が来ているのを見て頬が緩む。通知をタップして開いてみた。

『建人さんごめんなさい。
 今月から、毎週月水金は訳あって真っすぐ帰ります。
 詳しい事は言えませんが、心配しないでくださいね。』

「………嘘でしょう。」
「七海?どうかしたかい?」
「…いえ、なんでも。」
「なになに〜七海どうしたの?小春ちゃんにフラれた?」
「フラれてません。お先に失礼します。」

私は1人で駐車場に向かい、運転席で返事を打った。

『分かりました。
 何か事情があるなら仕方ありませんね。
 気を付けて帰ってください。
 帰宅は虎杖君と一緒ですか?』

そう打ったところで、虎杖君は伏黒君と一緒にサッカー部に入っていた事を思い出し、最後の文を消して送った。1人で帰ったのだろうか、それとも他の誰かと…。胸の中がもやつくのを感じながら、私は1人息を吐いて車のエンジンを掛けた。小春から返事が来たのは21時を過ぎた頃だった。1人で食べた夕飯はなんだか味気なく感じ、1人の部屋は寂しく感じ、私はスマホを片手に小春からの返事をずっと待っていた。

『心配かけてごめんなさい。
 今日もお仕事お疲れ様でした!
 建人さん、愛してます!』
『私も小春を愛していますよ。
 何かあったらすぐ連絡するように。
 小春も、今日も一日お疲れ様でした。
 あまり夜更かしせずに寝るように。』
『はーい!おやすみなさい。』
『おやすみなさい。』

そんなやり取りをして私も寝支度を整えて布団に入った。…なんだかいつもより色のない1日に感じた。これが暫く続くのかと思うと、少々厄介である。

「フー…、」



...




「脹相さん、送ってくれてありがとうございました!」
「いや、俺も悠仁の話が聞けて良かった。次は水曜日だったか。」
「はい。」
「また送ってやろう。礼は悠仁の話で頼む。」
「ふふふっ、本当に悠仁君のこと大好きなんですね?」
「勿論だ。俺は悠仁のお兄ちゃんだからな。」
「それじゃあまた水曜日よろしくお願いします、脹相さん。」
「ああ、おやすみ、橘。」
「おやすみなさい。」

脹相さんが私を家まで送ってくれる間、私は小さい頃からの悠仁君の話を脹相さんに話した。脹相さんは本当に悠仁君の事が大好きらしい。今度は悠仁君に会わせてあげようかと思ったけど、悠仁君が口を滑らせたら困るしなぁ…。脹相さんは私が玄関を開けるまで見送ってくれた。私はそれに会釈をして、中に入った。祖母の準備してくれた夕飯を食べて、提出物や宿題をしてお風呂に入る。気付けば23時を過ぎていた。明日も朝からお弁当を作らなくちゃいけないから、私はすぐに布団に入る。身体は疲れていたけど、建人さんの喜ぶ顔を想像したら自然と顔が緩んでいた。

「建人さん喜んでくれるといいなぁ…。」

次の日、朝から2人分のお弁当を作って、悠仁君と学校に向かう。建人さんに家を出たことをLIMEで伝えると、いつも通り気を付けて来てくださいね、と返事が来て頬が緩んだ。悠仁君と他愛のない話をしながら、いつも通り学校に向かうと、いつも通り授業を受け、お昼もいつも通り化学準備室で建人さんとお弁当を食べた。

「小春、」

お弁当を食べ終えると建人さんは私を抱きしめた。

「建人さん?」
「…今日は一緒に帰れるんですよね。」
「はい、今日は帰れます!」
「…昨日は小春のいない部屋で久し振りに1人で夕飯を食べました。味気なく寂しい食事でした。」
「…ごめんなさい、建人さん。」
「…いえ、何か事情があっての事でしょう。…理由を伺っても?」
「えっと…、今はまだ言えません。でも、ちゃんと話しますから、それまで待って欲しいです。」
「……浮気じゃなければいいです。」
「浮気なんてしませんよ、建人さん以外に興味ありませんから。」
「…ならいいでしょう。」

建人さんはそう言ったけど、少し寂しそうな顔をした。私は建人さんの頬に手を添えてそっとキスをする。建人さんは私を抱きしめる手に力を込めて、私のキスに応えてくれた。その日はいつものようにパン屋さんで待ち合わせをして、建人さんの朝食になるパンを選んで一緒に建人さんの家に帰った。一緒に夕飯を作って、一緒に食べて、建人さんが家まで私を送り届けてくれる。車を降りる前に建人さんにキスをして、建人さんは私が家の中に入るまで車の中から見送ってくれた。それから、アルバイトの日は毎回脹相さんが私を送り届けてくれて、私はその度悠仁君の話をした。アルバイトを始めて1月程経った頃、

「あれ、小春さん?」
「あ…、」
「ゆ…悠仁…!!」
「げ、脹相!?なんで小春さんと一緒にいんの!?」
「会いたかったぞ悠仁!!!お兄ちゃんだぞ!!!」
「うわぁあ、離れろって!」

私と脹相さんはランニング中だった悠仁君にバッタリ遭遇してしまった。脹相さんは悠仁君に抱き着いて涙を流し、悠仁君は汗を掻いているからと脹相さんを引き剥がそうとする。私は2人の様子を見ながら小さく笑った。見つかってしまったのは仕方がないので、私は悠仁君に事情を説明した。皆には内緒にして欲しいというお願いも。

「う〜ん、ナナミンなら喜んでくれるとは思うけど、バレたら怒られない?」
「怒られると思う…。だからお願い、悠仁君。建人さんにも他の人達にも絶対言わないで?」
「…分かった。俺も脹相に会えたのは嬉しかったし、「悠仁!!」約束する。…あ、伏黒と釘崎と一緒に遊びに行っちゃダメ?」
「あの2人なら口が堅そうだから、いいよ。脹相さんも喜ぶし、3人で遊びにきて?」
「悠仁、お兄ちゃんと呼んでくれたら俺が全部奢ってやる。」
「いや、ちゃんと金払うから。」
「月水金は私も脹相さんもいるから、部活の後にでも!」
「お、じゃあ水曜日は部活休みだし、釘崎も帰宅部だから3人で行く!」
「うん、待ってるね!」
「悠仁、俺の働いてる姿をしっかり目に焼き付けろ。そして俺をお兄ちゃんと「ハイハイ、分かったから。」

そんなこんなで、悠仁君にバレてしまった次の週の水曜日、悠仁君と伏黒君、野薔薇ちゃんがお店に来てくれた。脹相さんも張り切っている。

「小春さん制服めっちゃ可愛い!似合ってる!写メっていいですか?!」
「ふふふ、ありがとう、野薔薇ちゃん!撮ってもいいけど、他の人には内緒にしてね?」
「勿論です!!」
「コーヒー美味いですね、ここ。」
「でしょ?私も初めて来た時美味しかったから、また来ようと思ってたの!そしたらアルバイトを募集してたから、」
「小春さん俺ケーキも食べたい!おすすめ何?」
「あ、これオススメだよ。」
「悠仁、俺の奢りだ。好きなだけ飲んで食ってくれ。」
「いやだから自分で払うって!」

3人はお店を気に入ってくれたらしい。また来ます、と言って帰って行った。悠仁君達が帰って10分程経った頃、私は、

「…あ…、」
「あっれー、小春ちゃん!?」
「や、こんな所で何をしてるんだい?」
「ご、五条さん、夏油さん…、」

バレたくない人たちが来店して、私は顔を青くした。五条さんも夏油さんも私にスマホを向けてパシャパシャと写真を撮っている。

「あ、あの、撮らないでください、」
「七海に送ろ〜っと、」
「だめっ、五条さんやめてください、」
「七海にはアルバイトしてること内緒なのかい?」
「はい、あの、説明しますから、一先ずお席に…、」
「橘、どうし…オマエ達は、」
「「あ!!」」
「え…お知り合いですか?」
「加茂憲倫漢字ふりがな!」
「いや、夏油傑だよ。」
「コイツ、偽物の傑と組んでたってやつじゃん。」
「確か、脹相、だったかな?」
「あ、あの…、一先ずお席に、」

私は五条さんと夏油さんを席に案内して、注文を取る時に事情を説明した。2人はニヤニヤしながら私の話を聞いて、五条さんは私の写真を連写し、夏油さんは私のスカートをするりと撫でる。私はまた2人に揶揄われている…。

「僕達優しいから七海には内緒にしといてあげる♡」
「その代わりたっぷりサービスしてくれるかな、小春ちゃん♡」
「あ、あの、サービスって…、」
「ご主人様って呼んでよ〜。」
「あの、そういうお店じゃ、」
「七海に写真送っちゃおっかな〜。」
「ご、五条さん、」
「悟、小春ちゃんが困っているよ。程々にしてあげないと七海が知ったら大変な事になる。」
「そうだねぇ、七海に知られたら大変だよねぇ、小春ちゃんが!」
「おい貴様等、橘をイジるのは止めろ。」
「何だよ、オマエは呼んでねぇっての!」
「橘、お前は2番のバッシングをしろ。こいつ等の注文は俺が取る。」
「脹相さん、」
「小春ちゃんボディガードいんの?」
「七海が知ったら怒るだろうね。」
「あの、ホントに建人さんには内緒にしてください…。お願いします。」
「「分かってるよ。」」
「…あの、ごゆっくりどうぞ。」

私は脹相さんのお言葉に甘えて2人のテーブルから離れた。そして注文を終えた2人が悪い顔をして私を見ていたなんて、この時の私は知る由もなかった。五条さんと夏油さんは21時前にお店を出たのを見た。私は脹相さんと一緒に帰り支度を整えてお店を出る。いつも通り脹相さんに悠仁君の話をしながら家まで送って貰っていた。ふと、家の近くまで来たところで見覚えのある車が家の前に停まっていたのを見つけ、足を止めた。…嘘、なんで…?私が立ち止まった事に気付いた脹相さんも足を止め、私に振り返った。

「どうした、「小春。」
「…建人さん、」
「建人さん?ああ、橘の旦那か。」
「…失礼ですが、あなたは。」
「俺は悠仁のお兄ちゃんだ。」
「……失礼、虎杖君は一人っ子と伺っていますが…。それよりも小春、これはどういう事でしょう。説明してください。」

そう言って建人さんがスマホの画面を私に見せた。そこにはアルバイト先の制服を身につけた私が写っている。…五条さんと夏油さんの仕業だと思った。私は両手で顔を覆ってその場に蹲る。内緒にしてくれるって言ったのに…。もうっ!!

「…小春、何故このような格好をしているのか、今まで何処にいたのか、この男は一体誰なのか…、納得のいく回答をお願いします。」
「橘、俺が話そう。」
「あなたは黙っていてください。私は今小春に聞いています。」
「橘が説明したとして、オマエはそれで納得するのか。」
「それは小春の返答次第です。小春、説明を。」
「…ごめんなさい、建人さん。」

私は建人さんに事情を説明した。建人さんの誕生日プレゼントを買う為にお金が必要だったこと。以前建人さんと行った喫茶店が気になっていて、丁度アルバイトを募集していたのでそこで働き始めたこと。そこで前世でも顔見知りだった脹相さんと偶然再会した事。脹相さんが送ってくれるお礼に、悠仁君の話をしていた事。そしてプレゼントを買うまでは、サプライズの為にアルバイトをしている事を黙っていた事。嘘は吐きたくなかったけど、理由を誤魔化してしまった事。私は次第に涙を流しながら、全て洗い浚い話した。全部話し終えると、建人さんはいつもの深い溜め息を吐いた。

「…事情は分かりました。」
「ごめんなさい、建人さん…、」
「小春、今回の事は私の為を想ってなので、咎めません。ですが、私以外の男があなたを家に送ることは許せません。今後は毎回私が小春を迎えに行きます。」
「俺は悠仁の話が聞きたいんだ!!!」
「本人に聞けばいいでしょう。」
「悠仁ーーーーーーーー!!!」
「近所迷惑です。」
「脹相っ!?」
「悠仁ーーーーーーーーーーー!!!!」
「うるっさい!!」

脹相さんが大声を出すので、悠仁君が家から飛び出してきた。そして私と建人さん、脹相さんを見て顔を引き攣らせる。

「…ナナミン、」
「虎杖君、あなたも小春がアルバイトをしていた事を知っていたそうですね。」
「すんませんした!!!」
「おい貴様!悠仁に頭を下げさせるとはどういう事だ!貴様が詫びろ!!」
「私は誰にも詫びるようなことはありません。寧ろあなたが私に詫びるべきかと。」
「なぜ俺が貴様に詫びなければならん。」
「小春を送って頂いたことには感謝しています。ですが私の小春を独り占めしたことを私に詫びてください、今すぐに。」
「俺は、お兄ちゃんだぞっ!!!」
「脹相、うるさいって!!」
「お兄ちゃんは関係ないでしょう。それより小春、」
「…はい、」

建人さんが私を抱きしめた。建人さんの大きな手が頭と背中を優しく撫でる。

「あまり心配させないでください。」
「…ごめんなさい、建人さん。」
「体調を崩したりは、」
「今のところ大丈夫です。…隠し事をしてごめんなさい。」
「小春、これからは私があなたを送り届けます。いいですね?」
「…はい、建人さん。」
「え、ちょ、なに!?」

脹相さんが悠仁君の目を両手で覆ったのが見えた。建人さんは私にそっとキスをしてくれた。私は建人さんの背中に手を回し、力を込める。

「悠仁、家に上げてくれ。」
「え、あ、ナナミン、小春さんおやすみ!」
「おやすみなさい虎杖君。」
「お騒がせしました…、おやすみなさい。」

悠仁君と脹相さんが家に入ると、建人さんはまた私をきつく抱きしめ、キスを落とす。私もそれに応え、

「建人さん、愛してます。」
「私も愛していますよ、小春。」
「…あの、アルバイトは続けてもいいですか?」
「…小春の体が心配です。無理のないように。」
「はい、それは勿論。でも、誕生日だけじゃなくて、クリスマスにも、建人さんにプレゼントを買いたいので…、出来れば続けたいです。」
「小春と一緒に過ごせるのなら、プレゼントなんていりません。」
「でも、」
「ですが、どうしても私にプレゼントを贈りたいというのなら、小春の気持ちを優先してください。」
「…建人さん…。ありがとうございます。プレゼント、楽しみにしていてくださいね!」
「ええ、勿論、今から楽しみにしています。小春も、プレゼントは楽しみにしていてください。」

それから、アルバイトの日は必ず建人さんが迎えに来てくれて、家まで車で送り届けてくれた。脹相さんは悠仁君と連絡先を交換したらしい。毎日LIMEを送っているそうだ。そして建人さんの誕生日、私は前世でもプレゼントしたものと似たようなネクタイピンを探して建人さんにプレゼントした。彼の瞳の色と同じ石のついたネクタイピン。前世ではナイフとフォークのネクタイピンだったけど、現世でも似たようなものがあって良かった。

「毎日大切に使います。」
「はい、建人さん!お誕生日おめでとうございます!」
「ありがとうございます、小春。愛していますよ。」
「私も愛してます、建人さん。」

その年の私の誕生日、建人さんは私に指輪のケースをくれた。そして婚姻届けも。

「指輪は一緒に買いに行きましょう、昔のように。」
「はい…!」

建人さんと一緒にオーダーメイドのお店で、前世の時と同じデザインの結婚指輪を注文した。婚姻届けも私は17歳になったので、前世の結婚記念日にしたハロウィンの日に役所に提出することになった。私がまだ在学中な事もあり、苗字は橘のままで通うことになるけど、卒業したらまた私は七海小春になる。

「小春の卒業が楽しみですね。」
「はい、建人さん!」
「卒業したら、子供が生まれる事を考えて大きめの家に引っ越しましょう。」
「楽しみですね、とっても!」
「ええ、とても楽しみです。」



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立花様リクエスト
【七海建人の結婚記録】来世の2人
・七海へのプレゼントを買う為にアルバイトをする話。小春を家まで送ってくれる職場の男。虎杖、五条、夏油、七海にバレて七海が嫉妬&激おこ。

こんな感じでいかがでしょうか!(*´ω`*)
職場の男は脹相さんにしました!
五条&夏油が七海に小春ちゃんの制服姿を送って七海激おこ…という感じですね!
お気に召して頂ければ幸いです!
リクエストありがとうございました!(*´▽`*)





 


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