うぇるかむぼーい!


傑からミミナナの写真が送られてきた。どうやら2人は傑の引率で山形に行っていたらしい。高専の制服を着たミミナナがカメラに向かって満面の笑みでピースして写っている。

「可愛いっ。」

写真を保存して、私も自撮りして写真を傑に送った。すぐに既読がついて、そしてすぐにLIME通話。笑いながら通話ボタンを押す。

『もしもし、理玖、』
「ふふっ、どうしたの、傑。」
『可愛い写真だね。待受けにするよ。』
「それ言う為だけに通話?ウケる。」
『それもあるけど、美々子と菜々子が話したがっているからね、今スピーカーにするよ。』

傑がそう言うと、電話口が少し騒がしくなった。ミミナナが私の名前を呼んでいる。

『理玖様!』
「その声は菜々子ちゃん?」
『理玖様、』
「あ、そっちは美々子ちゃんだ!2人共任務はどう?」
『ゲロだるい!でも理玖様のために超頑張ってる!』
『お土産、買って帰るね。』
「ありがとう、お土産も嬉しいけど2人とも怪我せず無事に帰ってくることを優先してね?」
『『はーい!』』
「傑も2人のこと宜しくね。3人共帰ってきたら乙骨憂太君を紹介するから。」
『ああ。』

帳が上がった。

「あ、ごめん、切るね?3人とも愛してるよ〜!」
『ああ、私も愛してる。』
『『理玖様大好き!』』
「ありがとう。気を付けてね。」

通話を終えてトンネルから出てきた大天使トゲエルとパンダに小さく手を振る。は…!大天使トゲエルが私に向かって走って来るではないか…!両手を広げて大天使トゲエルを受け止める。はぇええかわゆいいいい…!髪の毛が胸元に当たってくすぐったいけど大天使トゲエルが可愛いから気にしない。

「棘君お疲れ様!パンダもお疲れ様!その様子だと…生存者無し、かな。」
「しゃけ…。」
「どれも男女のカップルだと思うぞ。顔だけ食ってたみたいだな。」
「そっか。2人とも怪我がなくてよかった。さてと、おててを合わせて帰りますよ。」

トンネルに向けて静かに手を合わせる。大天使トゲエルとパンダも、私と同じように手を合わせた。車に乗って助手席から後ろに乗った2人に視線を向ける。帰ったらおっこちゅの歓迎会しないとね。

「2人共、帰ったら手伝ってほしいことがあるんだけど、いいかな?」
「しゃけしゃけ!」
「何するんだ?」
「憂太君の歓迎会だよ!」
「ツナツナ!」
「とりあえず荒井さん、スーパーへゴーでお願いします!」
「了解です。」

スーパーに着く頃に悟からLIMEが届いた。どうやら原作通りに事が運んだらしい。ということはあの呪霊は自然発生したもの扱いになってるってこと?真希の診察待ちだという悟に、おっこちゅの歓迎会をする事と、準備の時間を稼ぐ為にゆっくり帰って来て欲しいことを伝えた。スーパーでお菓子やジュースをたくさん買って、高専に戻る。教室で机をくっつけて、黒板に大天使トゲエルとパンダと一緒に「ようこそ呪術高専へ!」と黒板にチョークでデカデカと書いた。大天使トゲエルの描いた絵が可愛い。ていうか天使だから存在からして可愛い。悟に準備が終わったことを連絡すると、丁度病院を出たころだと返事が来た。3人が戻って来るまで大天使トゲエルと一緒にパンダのお腹をもみもみした。

「おうパンダちゃんよぉ、けしからん体してんじゃねぇか。おう?」
「しゃけしゃけ〜。」
「いや〜ん、やめてぇ〜。」
「…何やってんだオマエ等。」
「お、真希ちゃん、憂太君、悟、おかえり!」
「た、ただいま、理玖さん。」
「ん〜僕からしたらパンダより理玖の方がけしからん体してると思うんだけど。」
「悟のえっち。さて、憂太君の歓迎会を始めまーす!あ、本当は後2人の1年生と、担任がもう1人いるんだけど、今は任務で出張中だから、帰ってきたら紹介するね?それじゃあ乙骨憂太君を歓迎して、」
「「「「カンパーイ!」」」」
「あ、ありがとうございます…!」

皆がお菓子を食べる様子を見ながら、私は真希の隣に座った。

「真希ちゃん怪我したんだって?大丈夫?」
「…家入さんに治療してもらったから、もう平気だ。」
「無理しちゃダメだよ?」
「別に、無理はしてねぇよ。油断しただけだ。」
「油断もしちゃダメ。真希ちゃんも甚爾様に鍛えてもらったら?」
「アイツやる気ねぇもん。」
「あぁ…うん、そうだね、今度私から叱っておくね。そうそう、憂太君どうだった?」
「…別に、」
「そっかぁ?」

ニヤニヤしながら真希の頭を撫でると、真希は照れたようにそっぽを向いた。ふふん、ちょっとほっぺた赤くなってるぞ?可愛いなぁ、まったく!お菓子が尽きたことで歓迎会は終了した。

「憂太君のお部屋案内するね!」
「は、はい。」

生徒用の寮は4階建てで、それぞれの階層は学年ごとに区切られている。今年の1年生は2階で、おっこちゅの部屋は大天使トゲエルのひとつ隣、壁側だ。万が一にも里香ちゃんが暴走してしまった、なんてことがあっても周りに被害が出ないように、私と悟と傑の3人で決めた。部屋の中を見渡すおっこちゅ。んふふ、きゃわいい。

「必要なものがあったら遠慮なく言ってね?一緒に買いに行きましょ?」
「あ、はい、でも…、」
「お金は気にしないでね?必要経費で落とせるし、何なら私が自腹で色々買い与えたいくらいだから、経費以外でも色々買ってあげる。あ、オトコノコに必要なものは流石に恥ずかしい?えっちな本とか、DVDとか。あ、今はスマホで見れる時代だから必要ない?それとも、」
「だだだ、大丈夫です!!」
「そう?本当に何も遠慮しないでいいからね?あ、あとこれ、私のLIMEと番号、追加しておいてね!憂太君にはこれから頑張って貰わなきゃいけないことも多いし、少しずつ慣れて行こうね!」
「あ、あの、理玖さん、」
「なぁに?」
「…あ、いえ…やっぱり何でもないです…、」
「遠慮しないで?どうしたの?」
「……少しだけ、抱き締めてもらってもいいですか…?」
「勿論。おいで?」

おっこちゅに向けて両手を広げる。おっこちゅは恐る恐る私に腕を回した。今まで里香ちゃんの呪いに恐怖と戸惑いばっかりだったし、色々と気持ちの整理もつかないまま死刑って言われたり、高専に連れてこられたりで大変だったんだろうな。…およ、それにしても里香ちゃん出てこないな?なんでだ?おっこちゅをむぎゅうっと抱きしめる。…里香ちゃん出てこない。ま、まさか、里香ちゃんに許されたとでも…?!そんなことある?!おっこちゅにちょっかいかけ放題ってこと?!マジか!!おっしゃ!!…あぁ、いやでも、流石になんかちょっと里香ちゃんに申し訳ないなぁ…。と言いつつも私はしっかりおっこちゅの顔をぱいぱいに押し付けていた。顔を真っ赤にしてるおっこちゅ。ふえい、童貞可愛いかよ。

「それじゃ、何かあったらすぐ連絡して?今日はもう休んで、明日から色々ハードになるけど一緒に頑張ろうね!」
「は、はい!」
「ああそれと、私よくご飯作りに来てるから、その時は共有スペースに集合してね!棘君に話しておくから、場所教えてもらって!」
「…あの、色々ありがとうございます、理玖さん。」
「どういたしまして、憂太君。」

おっこちゅの部屋を出ると、私は教員室に向かう。教員室では悟がチョコを食べていた。

「悟、1個頂戴?」
「いいよー、ん。」

悟がチョコを自分の舌に乗せてつきだした。

「んもう、誰か来たらどうするの?」
「はいほーふ!」

悟がポンポンと自分の膝を叩いた。私は悟の膝に向かい合うように跨って、その首に腕を回すと悟の舌に乗せられたチョコを咥える。そのままチョコを互いの口の中で往復させていると、好感度イベントの表示が出た。イベントを選択する。…え、誰がいるっけ、そう思っていると、教員室の扉がガラッと開いた。

「うおっ!?」
「あ、」
「あーあ、空気読んでよ日下部先生。」
「…こんなところでそういう事するんじゃねぇよ、教師だろ。」

日下部先生じゃん!!私は慌てて悟の上からおりようとしたけど、悟が私の腰をグッと引き寄せる。

「理玖待って、」
「んぅっ!?」
「ごちそうさま♡」
「もうっ、」

ぺろりと唇についていたらしいチョコを舐めとられて、今度こそ私は悟の上からおりた。日下部だ…リアル日下部だ…ダンディーだ…!!!

「オマエ達付き合ってんの?」
「結婚を誓い合った仲だよ。」
「マジかよ。」
「日下部先生違いますから!」
「もう、理玖ったら照れちゃってぇ〜!」



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