オラは人気者♡


「棘君、憂太君、気を付けてね。」
「はい、行ってきます。」
「しゃけしゃけ。」
「“帳”を下ろします。ご武運を!」

大天使トゲエルとおっこちゅが帳で見えなくなると、私はふぅ、と溜め息。すぐに伊地知が私に気遣う声を掛けてくれた。いや伊地知優しいな…。

「働きすぎですよ、廻神さん。」
「伊地知もね。いつも助かってるよー、ありがとう。」
「い、いえ、私は…!」
「……ねえ、やっぱり何かおかしいよね?」

ぞくり、一段とデカい呪力の気配がする。やはり原作の通りにあの獏みたいな呪霊が出たのかな…。放っておいてもあの2人なら祓えるだろうけど、

「帳が二重に…?!」
「私が入る。伊地知は待機。」
「は、はい。」

十手を握ってすぐに帳の中に入った。内からは出れず外からは入れる帳らしい。すぐに気配の元へ走る。2人の成長の為にも暫く見守っておいた方がいいんだろうか…。いや、今はもう一つの帳を降ろした犯人を捜すか。傑はあり得ない。だとしたら他に誰か、それとも傑がいなくても作中の展開通りに事が進むとでも…?

<潰れろ!!>
<ば?>

呪霊の気配が無くなった。伊地知の帳は上がったはず。2人の元へ向かうと、丁度ハイタッチしている所だった。うへへ、可愛い…。

「棘君、憂太君、お疲れ様!」
「理玖さん…!?なんでここに?」
「すじこ?」
「ちょっと気になる事があったから、ついてきちゃった!けど2人とも無事に祓えたね、えらいえらい!」

大天使トゲエルとおっこちゅをぎゅうっと抱き締める。おっこちゅは相変わらずわたわたしていて可愛い。大天使トゲエルはさりげなくおっぱいに顔を埋めていてこれまた可愛い。いややっぱ天使じゃん。

「2人共怪我しちゃったね。戻ったら硝子に治療してもらおう。」
「あ、はい。」
「しゃけ。」
「それじゃあ高専に戻ろうか、って言いたいところだけど、帳上がってないねぇ。無理矢理上げるか…。帳が上がったら2人は先に車に戻ってて。」
「え、」

セレクト。

【帳の中に???がいます。選択してください。選択すると呪力を80消費します。(残り呪力:270)】
【1.殺す 2.気絶させる 3.拘束する 4.なにもしない】

「誰だろう。」
「理玖さん…?」
「んー?ちょっと待ってねぇ。とりあえず捕まえとくか。3番。」
「「??」」

【3.拘束する を選択しました。呪力を80消費しました。(残り呪力:190)】

十手で帳を突く。帳に穴が開くと、そこから2人は外に出た。帳が上がるのを見届けて私は自分の呪力を辿って商店街の中を歩く。そこには、

「…これ…、ブードゥー人形じゃん…。」

私の術式で呪符が巻かれたソレを手に取る。黒いブードゥー人形。何でこれがここに…?とりあえず十手でぶっ刺しておくか。十手で人形をぶっ刺したまま車に戻ると、3人は私を見てギョッとしていた。

「あぁ、これ?私宛のプレゼントっぽい!」
「プレゼントにそんなことしていいんですか…?」
「高菜?」
「大丈夫、ストーカーからだし。」
「スト…!?それ本当に大丈夫なんですか?!」
「おかか!」
「心配してくれてありがとうね、大丈夫だよ!」

高専に戻って、報告書を書きながら頭を抱える。何でまたあの人形?あの黒魔術師とかいう奴は祓ったはずなのに、なんで?

「あ゛ぁあああめんどくさあああああい!!」
「…どうした。」
「お、日下部先生!お疲れサマンサー!」
「よう。」

そう言えば日下部のイベント選択したけど全然話した事なかったな…。好感度まだ30%だし。ていうか、悟とのちゅっちゅっ見て好感度30%になるってさては貴様どすけべだな?!

「聞いてくださいよぉ…。誰かが伊地知の帳の上に二重に帳下ろしてた上に、予定にない準1級呪霊の発生。そして私の可愛い天使達が怪我をするし…。はああああ……マジやってらんねぇ…。」
「天使達?」
「乙骨憂太君と狗巻棘君です。」
「……天使か?」
「天使でしょうよ!!」

バンッ、と机を叩くと、日下部はひくりと頬を引き攣らせた。なんでいなんでい!天使だろうがい!

「廻神、オマエ上層部に目つけられてんだってな?」
「あぁ、そうですね。憂太君の件で現在進行形で喧嘩してます。それ以前からずっと喧嘩してますけどね。そろそろ殺しに来るんじゃないかと読んでます。」
「殺…?…まあ、たまには力抜けよ。いつか潰れるぞ。」
「分かってますよー。ご忠告ありがとうございます。日下部先生意外と優しいですね?よく見ると男前だし。」
「よく見なくても男前だろうが。」
「あははは!」
「ん。」
「ん?」
「やるよ。」
「あ、ありがとうございます。」

ポケットから取り出した棒付きキャンディーを私の机に置くと、日下部は教員室から出て行った。え…日下部篤也、いい男やん!!コーラ味のそれを開封して口に咥える。キャンディーが歯に当たってカラン、と音を立てた。

「百鬼夜行起きないといいけど…。」

…ん?…あれ、百鬼夜行でナナミン黒閃記録出すよね。え、そのチャンスを無くしてしまった…?…マジ?え、じゃああの喫茶店の席で黒閃について語るナナミン見れないの…?!それは!!ダメ!!お姉ちゃんは許しません!!!百鬼夜行起きて!!死人は出さないようにするから!!!報告書を書き終えて夜蛾さんに提出すると、ブードゥー人形についても一緒に報告した。

「前も同じ人形を持って来たことがあったな。」
「犯人はだいぶ昔に祓ったはずなんですけどね。犯人がそもそも1人ではなかった可能性もあります。」
「…ふむ…。この人形についても調査をするべきだな。」
「はい。」

試しにセレクトしてみるか。前も人形の持ち主を呼び出すみたいなことできたし。セレクト。

【ミシェル・ベルティオは生きています。選択してください。選択すると呪力を100消費します。(残り呪力:237)】
【1.行方を追う 2.呼び寄せる 3.なにもしない】

「…は?」
「どうした。」
「…持ち主を呼び寄せられそうです。」
「高専にか?」
「恐らく。呼び寄せて早急に処理してもいいですか?」
「可能なのか?」
「はい。」

最悪ナナミンの黒閃記録は私の術式でぴゅーひょいって出来るだろうし、私の楽園という名の高専にこれ以上危険な出来事が起きるのは避けたい。

「…無茶はするな。悟と傑、それから伏黒甚爾にも声を掛けるといい。生徒たちに危害が出る前になんとしても処理するんだ。」
「勿論です。それでは失礼しまーす。」

学長室を出て直ぐにグループLIMEを開く。このグループLIMEは私の事が大好きな皆が加入している『理玖ちゃん愛してるの会』というもので、悟が作った。いやいや、なんちゅうグループ作ってんの?って最初は思った。なんか皆で私の写真とか共有してるんだよね…怖っ。あと『理玖を愛でる会』とかいう傑が作った大人組のグループ(主に猥談)には、悟、傑、パパ黒、ナナミン、あと何故か夜蛾さんが加入している。ナナミンと夜蛾さんが猥談…?って思ったけど、2人は既読を付けるだけでほとんど反応はない。主に三銃士が下衆い程猥談をしてるだけのグループだ。『理玖様を崇める会』とかいうミミナナが作った子供組の純粋に私を崇拝してるグループもある。歌姫によれば京都校にも私に関するグループLIMEがあるんだって。三輪ちゃんが作ったらしい。…うん、皆何やってんだか。

『業務連絡!三銃士はグラウンドに集合!マイエンジェルたちは教室に戻って自習してくださいっ♡何があっても教室から出ちゃダメだからね!きゅんと、津美紀ちゃんは学校頑張って♡』

それだけ打つと、私もグラウンドに向かった。スマホが通知を告げる。

五条悟『りょ!』
夏油傑『丁度悟とグラウンドにいるよ(*'ω'*)』
棘『しゃけ!』
真希『なんかあんのか?』
伏黒恵『授業中なんすけど…。』
乙骨憂太『了解です!』
伏黒津美紀『何かあるの?』
『ちょっとね♡心配しなくて大丈夫だよー!授業中にごめんね!(´・ω・`)』
パンダ『パンダッシュで教室戻るわ。』
菜々子『理玖様!教室いるよー!』
美々子『自習する(*^^*)』
甚爾『今日は新台入れ替えだから無理。』
『甚爾様減給します♡』
甚爾『すぐ戻る。』



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