いろいろやろうぜ


ナナミンが共有キッチンに来てくれた。一緒にご飯を作りながら任務の話をしたり、新しいご飯屋さんがどこに、いい感じの喫茶店があそこに、なんて話をする。ふと、ピーマンの種を毟っていた手を止めたナナミン。

「…理玖さん、」
「んー?」
「また上と喧嘩したそうですね。」
「あ、もう聞いたの?」
「夜蛾学長がカンカンでした。あとで学長室に来るようにと。」
「またかぁ…!」
「……大丈夫ですか?」
「…うん、まあ、大丈夫。」

ナナミンが手を洗い始めた。どうしたんだろう?タオルで手を拭いたナナミンが私を後ろから抱きしめる。

「…建人君?」
「前に、理玖さんが辛い時はこうして欲しいと言っていたでしょう。」
「…ありがとう。」
「大丈夫です、理玖さんなら。私もいます。」
「建人君好きぃ…。」
「私はあなたを愛してますよ。」
「ぴぇ、愛してりゅ…、」

ナナミンは暫くの間私を抱きしめてくれた。私も手を洗ってタオルで手を拭くと、ナナミンに振り返ってぎゅっと抱き着く。はぁ…香水の匂いする落ち着くしゅきぃ…。

「久し振りにあなたを抱きたい。」
「んっ、」

耳元で低く囁かれて小さく身を捩る。今日はパパ黒が私を抱くと言っていたけど、あのパパ黒の事だ。もしナナミンとせっせせしてたら乱入してくるに違いない。ていうか最近子供たちとパパ黒と悟としかヤってないな。いや、ヤり過ぎなんだけどさ。

「今夜は先客がいるようですが、」
「甚爾様ね…、この前もシたのに。」
「は?」
「あ、」

ヤベ、自爆した。

「どういう事でしょう。」
「あ、いや、うん、ちょっと捕まっちゃって。」
「…では今夜は私が理玖さんを抱きます。」
「ひぇ、」
「いいですね。」
「ふぁい。」

そんな言われかたしたらもう頷くしかないじゃん!!!なんなの七海建人!!!この色気が服着て歩いてるような七海建人!!はぁあああ好きっ!!!

「そうと決まれば今夜、食事の後に私の部屋へ来てください。」
「分かった…。」
「ああ、伏黒さんは勿論丁重にお断りしてくださいね。」
「分かりましたぁ…、」

ナナミンは私から離れると、再びピーマンの種をぼりぼりと毟り始めた。ひぇええ、今夜私が頂くのは、七海建人。ナナミーイーツってか。最高かよ。食材を全て切り終えるとナナミンに中華スープをお願いして、私は回鍋肉作りに取り掛かった。正直鍋重い。代わりますってナナミンが言ってくれたけど、これは私の仕事だ。デカい中華鍋と格闘すること約1時間。漸く夕飯が出来上がった。皆もわらわらと集まってきて、配膳を手伝ってくれている。

「お揃いかな、諸君!理玖ちゃん特製回鍋肉だよ!」
「「「「いただきまーす!」」」」
「召し上がれ!!」

皆で夕飯を囲む。いいねぇいいねぇ、昔に比べて夕飯を囲む人数が増えたことに嬉しさを感じる。だって皆生きてる。皆が笑顔でいてくれるだけで私は幸せだぁ。夕飯を食べ終えると津美紀ちゃんが片付けを代わってくれた。流石に大量のお皿を一人で洗わせるわけにはいかない。

「量ゲロやばだし、私達も手伝うよぉ!」
「ありがとう、美々子ちゃん、菜々子ちゃん!」
「理玖様も、もう休んで。」
「ありがとう、皆。じゃあ私学長に呼ばれてるからごめんけど片付けお願い!」

片付けを皆にお願いして、私は1人学長室へ向かう。上層部関連で怒られるんだろうなぁ…嫌だぁ、

「ノックしてもしもーし!」
「理玖か。」
「失礼します!」

学長室に入ればいつもの如く、夜蛾さんはかわいいを作っていた。手を止めて私に視線を寄こした夜蛾さん。

「理玖、また上層部を総入れ替えしたそうだな。」
「あはは…、」
「訳を聞こう。」

私はあった事を正直に話した。東北出張の帰りの新幹線を襲った7体の呪霊。そしてそれは私だけじゃなく他の乗客をも巻き込んで、私を事故死させようとしていた事。黒幕については今も不明だけど、犯人探しも面倒だから呪詛返しで死んだ術師から犯人を割り出そうとしている事。話し終えると夜蛾さんは深く息を吐いた。

「事情は分かった。だがいつ呪詛師認定されてもおかしくないんだぞ。勝手な行動は慎め。」
「はーい。…ぶっちゃけ総監部の地位って誰がどうやって決めてるんですか?」
「さあな。長い歴史と実力のある術師がついていると聞いてはいるが、具体的にどう選ばれているのかまでは分からん。」
「…じゃあ、御三家筆頭が総監部に入ればよくないですか?」
「俺に言われてもな。」
「何とかできないかなぁ…。温故知新って言うじゃないですか。古い事ばっかりじゃなくて新しい風も吹かせないとって思いません?あ、私総監部入れたりしませんかね?流石に無理?」
「確かに廻神家は歴史のある家だが、」
「神の子パワーで試してみよっかなぁ…。」
「下手な事をして呪詛師認定されるのは困る。理玖を処刑するようなことは誰もしたくない。」
「私が処刑?誰も出来ないと思いますよ?」
「ああ。だが、誰が何を考えているか分かったもんじゃない。無茶はするな。」
「はぁい。」
「それと、宿儺の指の回収ご苦労。また頼んだぞ。」
「あいあいさー。」

学長室を出てスマホを取り出す。うーん、パパ黒には今朝誘われて、ナナミンにはさっき誘われて…、うーん、う〜ん…!!!決めた!私は目的の人物に電話を掛けた。

「今夜私が頂くのは、七海建人!」
『頂かれるの間違いかと。』
「今学長室出たんだけど、邪魔が入らないように外行かない?」
『そういう趣味があったとは知りませんでした。』
「いやそういう意味ではないんだけどさ。」
『今部屋を出ました。折角なので一杯いかがですか。』
「飲みたい!」

高専の鳥居前で待ち合わせをして、私は荷物を取りに部屋へ向かった。部屋に向かいながらパパ黒に今日は無理だとLIMEを送った。パパ黒が私を捕まえに来る可能性がある。急いで財布と鍵とスマホを鞄に入れて部屋を出た。鳥居に着くとナナミンはもう来ていた。ナナミンの腕に私も腕を絡めて階段を下りていく。ナナミンはタクシーを高専の下まで呼んでくれていた。流石、出来る紳士だ。タクシーに乗り込んでナナミンのおすすめのバーに向かう。私はアルコールあんまりだから七海におすすめされたカクテルをチビチビと飲んだ。

「どう最近。」
「どう、とは、どうでしょうか。」
「呪術師はクソ!でしょ?」
「ええ、まあ確かに。ですが、理玖さんが呪術師を続ける限り私も呪術師を続けるつもりです。」
「え、じゃあ私が呪術師辞めるーってなったら、建人君も辞めるの?」
「はい。そしたら2人で海外にでも住みましょう。」
「いいねぇ、どこに住むの?」
「そうですね…、マレーシアのクアンタンなんてどうですか。」
「…いいね、クアンタン。」

思い出すのはナナミンの最期。でももう渋谷事変なんて起こり得ない。私はツンとした鼻を誤魔化すように大きく息を吸い込んだ。

「建人君はさ、生きてよ。」
「…藪から棒になんです。」
「いや、長生きしてねってこと。」
「それは勿論、そのつもりではあります。あなたを置いて死にたくありませんから。」
「そういう所ですよ七海建人君!!もう!!好き!!」
「私は愛してますけどね。」
「さらっとスマートに愛の告白、やはり仕事ができる男は違うわ。」
「それは褒め言葉という事ですか。」
「褒め言葉だよ、勿論。」

その後も勧められるままに飲んで、無事に酔っぱらった私。ふわふわする意識とおぼつかない足取りでナナミンに支えられながら歩いた。辿り着いたのはビジネスホテル。ラブホじゃない辺りナナミンらしいなぁ、なんて暢気に思いながら雪崩れ込むように部屋に入った。同時にきつく抱きしめられて、唇を塞がれる。互いにアルコールを含んだ唾液を混ぜ合わせるように舌を絡め合った。

「待って、シャワー、」
「逆上せて倒れられても困ります。」
「シャワーよりこれからやることの方が逆上せちゃうでしょ、」
「…それもそうですね。一緒に入りますか。」
「マジ?」
「マジです。」
「建人君のえっち!」
「私よりあなたの方がえっちだと思いますけど。」

抱きしめられたまま、するするとチャイナ服のサイドの紐を解かれる。私もナナミンのジャケットのボタンを外した。ネクタイは自分で解いてもらおう。私あの片手でネクタイ外すとこめっちゃ好きだし。

「ね、ネクタイ外して、」
「…こうですか、」
「最高ですありがとうございます。」

片手でしゅるしゅるとネクタイを外してくれたナナミン。私は両手で彼を拝んだ。いやぁ、眼福。好き。互いに服を脱がせ合って、狭いユニットバスの浴槽に並んで立った。ナナミンが後ろからシャワーに手を伸ばす。腕の筋とか血管とかエロい!もう!エロい!!お湯に代わる前の冷たい水が私に掛からないように、ナナミンは私の後ろで温度が変わるまでシャワーの様子を見ている。ハイ、優しい!!そういうところですよおおおおお!!こんなん惚れてまうがな!!いやごめん、もう惚れてる!!お湯に代わるまでに私は髪の毛を纏め上げておいた。どうせあとでどろどろになるし、髪は終わってから入る時でいいや。

「かけますよ。」
「ん、ありがと。」

ゆっくりと体にお湯を掛けられた。されるがままでいると、再び後ろから伸びてきた腕。備え付けのボディソープをプッシュして掌に出すと、彼の大きな手がそれを擦って泡立てていく。おい、なんでそんなにエロいんだ。その仕草だけでもエロいってどういうこと。何なの!?エロの化身!?知ってたああああ!!!

「理玖さん、」
「何、建人君。」
「触れてもいいですか?」
「今更聞かなくても好きに触って。」
「では、」

そう言ってナナミンの手が背中を撫でる。くびれフェチって言ってたの変わってないんだろうな。するすると背中を撫でていた手が擽ったい。小さく体が震えるとくすりと笑う声が後ろから聞こえる。どんな顔してるのか見たい…。背中からくびれを撫であげた手は私の肩から腕を撫でる。腕を丁寧に、でもどこかいやらしく撫で回す手に体は熱を持つ。はぁああえっちい!!!腕から脇まで撫であげた手は、次は私のお腹を撫でた。お臍からゆっくりと焦らすように胸まで上がってきた熱い手が、私の胸を優しく包み込む。

「ね、焦らさないで、」
「焦らしてません。」
「だって触り方がいちいちエロい!」
「それは大変だ。」
「んっ、」
「洗ってるだけですよ。」
「だって、」
「理玖さん、」

耳元で私の名前を囁くように呼ばれる。早くちゃんと触って欲しい。振り向こうとしても後ろから回った手がそれを許してくれそうにない。胸を撫でるだけで焦らされてる。くぅうう…エロの化身め…!手は今度は下にのびていった。私の太ももから足先まで丁寧に撫でるように洗われていく。早く触って、ホント、焦らし魔め!自分の吐息に熱が籠っているのが分かる。早く、早く、

「建人君、触って…、」



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