「伏黒!」
ここまでは原作通りだった。メグエルがあの2級呪霊に掴まれている。
「助けいる?」
「自力で何とかします。「鵺」、がっ、」
うわああああ!!!分かっていても目の前でメグエルが怪我するの嫌あああああ!!!!!!!
「理玖姉!助けねえと!」
「本人が自分で何とかするって言ってるから、私は恵を信じる。それよりその子も私が診るね。」
2級呪霊が恵ごと廊下の壁を突き破った。嫌ああああ!!絶対痛いやつうううう!!
「おい!!」
悠仁が壁に開いた穴から恵を追いかけて行く。うううう、流石に心が痛むううう…!!!!とりあえずこの2人はセレクトしちゃおう。
【佐々木せつこと井口たけしが負傷しています。選択してください。選択すると呪力を100消費します。(残り呪力:280)】
【1.反転術式を施す 2.反転術式を施して宿儺の指に関しての記憶を消す 3.宿儺の指に関しての記憶を消す 4.なにもしない】
「…2番、かな。」
【2.反転術式を施して宿儺の指に関しての記憶を消す を選択しました。呪力を100消費しました。(残り呪力:180)】
ぽわあっと2人の体が反転術式の白い呪力に包まれる。いつ目を覚ますかなぁ…。流石にここに置き去りにはできないし、諸々終わったら送り届ける?私がひとりうんうん考えを巡らせていると、ゾッとするほどの濃い呪力の気配。…もしかして、もう指飲んじゃった!?ああ、好感度イベント出た!!イベント選択!!
「ヤバいヤバい、悟呼ばないと!」
急いでスマホを取り出して悟宛にLIMEを送る。
『お迎え来て!』
『廻神理玖さんが位置情報を共有しました。』
五条悟『おっぱい!!!』
とりあえず既読スルーしておく。2級呪霊を難なく切り祓い、不気味な笑い声を上げるのは間違いない、
「両面宿儺…、」
ビリビリとゆじたんの着ていた服を破く宿儺を見ながら、十手をホルスターから取り出して穴から飛び出す。どうしよう、とりあえず宿儺の受肉は知らなかったことにしよう!うん、そうしよう!
「素晴らしい、鏖殺だ。」
「うわ、何これヤバいね、どうしたの?」
「理玖さん!」
「あ?女だ!」
「おい、人の体で何してんだよ、返せ。」
「オマエ、なんで動ける?」
「?いや、俺の体だし。」
「動くな、オマエはもう人間じゃない。」
「は?」
「呪術規定に基づき、虎杖悠仁、オマエを――“呪い”として
「ちょっとストップ。」
「理玖さん!」
「悠仁君、今どういう感じ?」
「いや、なんともねーって。それより俺も伏黒もボロボロじゃん。早く病院行こうぜ。理玖姉、先輩たちどうなった?!」
「…あの2人は無事だよ。」
「今どういう状況?」
「なっ、五条先生!どうしてここに、」
「や、理玖が迎えに来て♡っておねだりしてきたからさ。ていうか理玖の任務に同行して宿儺の指の回収だったハズでしょ?いやー、恵だけボロボロだね、2年の皆にも見せよーっと。」
カシュー、と恵の写真を連写している悟に歩み寄って、ぎゅーっと抱き着いた。悟も私を抱き締め返してくれる。あ、喜久福持ってる…。
「悟、お迎えありがと〜。ヒールで全力疾走したから足疲れちゃった。」
「相変わらずお姫様は僕を使うのが上手だね。で、見つかった?」
「ちょ、尻揉まないで。」
「……、」
「あのー、ごめん、俺それ食べちゃった。」
「マジ?」
「「マジ、」」
「なるほどね、だからか。」
「…理玖も知らなかったって事?」
「知らないねぇ。」
悟がゆじたんに歩み寄って顔を覗き込む。
「ははっ、本当だ、混じってるよ。ウケる。体に異常は?」
「特に…、」
「宿儺と代われるかい?」
「スクナ?」
「君が食った呪いだよ。」
「あぁ、うん、多分できるけど。」
「じゃあ10秒だ。10秒経ったら戻っておいで。理玖はどうする?参加する?」
「悟のいいとこ見てみたい♡」
「でも…、」
「大丈夫、僕も理玖も最強だから。恵、これ持ってて。」
「これは?」
「喜久福。土産じゃない。僕と理玖が帰りの新幹線で食べるんだ。」
「後ろ!!」
「お姫様の前なんでね、カッコつけさせてもらうよ。」
「キャー!!悟ー!!カッコイイー!!」
「フッ☆」
原作同様宿儺は悟に翻弄されている。
「まったく、いつの時代でもやっかいなものだな、呪術師は、」
そう言って宿儺は私に向けて飛び掛かってきた。マジか。
「ケヒッ!女ァ!」
「なんか舐められてる気がしてムカつく!」
「理玖さん!」
飛び掛かってきた宿儺をいなして背後を取ると、十手を背中に突き刺した。呪力を一時的に無効化する効果があるからか、宿儺の動きが鈍る。そのまま背中に踵落としをしてコンクリに埋もれた宿儺の背中に座ってあげた。これは屈辱的だろう。足を組んで十手で背中を突いてあげる。
「これはおイタが過ぎるんじゃなあい?」
「グッ、」
「キャー!!理玖ー!!カッコイイー!!」
「うふっ♡」
「そろそろかな。」
「おっ、大丈夫だった?」
「おかえり、悠仁君!」
「えっ!?なんで俺の背中に理玖姉が座ってんの!?ご褒美!?」
「あら、悠仁君って攻められる方が好き?」
「あ、いや、理玖姉になら…ごにょごにょ、」
「驚いた、本当に制御できてるよ。」
「立てる?」
ゆじたんの上から立ち上がって手を貸してあげる。私の手を借りて立ち上がったゆじたんはガンガン頭を叩きながら、宿儺がうるさいと言った。
「それで済んでるのが奇跡だよ。」
「あ、」
トン、とゆじたんの額を突いた悟。ちょ、私マジで余計な事言わないようにしないと。
「何したんですか、」
「気絶させたの。これで目覚めた時宿儺に体を奪われていなかったら、彼には器の可能性がある。さてここでクエスチョン。彼をどうするべきかな。」
「……仮に器だとしても、呪術規定にのっとれば虎杖は死刑対象です。でも、死なせたくありません。」
「…私情?」
「私情です、なんとかしてください。」
「クックック、可愛い生徒の頼みだ。任せなさい。それから理玖、」
「ん?」
「本当に彼がこうなる事を知らなかった?」
「……。」
「…言えないって事かな。」
「言えないね。でも、私も悠仁君は死なせたくない。大事なお友達だから。」
「…じゃ、なんとかしてあげる。と言っても、うるさい年寄り連中はもういないし、宿儺関連の責任者は理玖だから、彼が目を覚ましてからのあれこれは理玖に決定権がある。」
「じゃあ悠仁君は私が責任を持って面倒見るよ。」
「そ?じゃあとりあえず僕は一旦高専に彼を連れて帰るよ。えっと、何君だっけ?」
「虎杖悠仁。」
「おっけー。ちょっと待っててね。」
そう言うと悟はゆじたんを抱えて一瞬で消えた。私はメグエルの元へ。
「お疲れ様、メグエル。」
「…はぁ…、」
「あ、治してあげるから動かないでね。」
「…理玖さん反転術式使えるんですか。」
「うん。セレクト。」
【伏黒恵が負傷しています。選択してください。選択すると呪力を50消費します。(残り呪力:183)】
【1.反転術式を施す 2.なにもしない】
1番。
【1.反転術式を施す を選択しました。呪力を50消費しました。(残り呪力:133)】
「…ありがとうございます。」
「どういたしまして。さて、校舎めちゃくちゃだからこれも何とかしないとねー。呪力足りるかなぁ。」
「あの2人はどうなりましたか。」
「怪我は治して、宿儺の指についての記憶は消しておいた。とりあえずあの2人を学校から運び出すの手伝ってくれる?」
「はい。」
メグエルに手を貸して立ち上がらせると、ぎゅーっと抱き締めておく。はあああ、マジで怪我させてごめんねメグエル…!!
「…理玖さん、」
「なあに、メグエル。」
「……やっぱり何でもないです。」
「…そ?あの2人のとこに戻ろっか。」
「はい。」
後者の中に戻って佐々木先輩を私が、井口先輩を恵が担いで校舎を出る。学校の門の外に何とか運び出した。よし、セレクト。
【杉沢第三高校の校舎が一部損壊しています。選択してください。選択すると呪力を100消費します。(残り呪力:135)】
【1.元に戻す 2.なにもしない】
お、良かった呪力足りた。1番、
【1.元に戻す を選択しました。呪力を100消費しました。(残り呪力:35)】
「!」
見る見るうちに校舎が元通りになっていくのを見ながら、2人の肩を揺さぶる。
「ん…っ、」
「…あ、れ、」
「大丈夫?」
「…え、誰、ですか?」
「たまたま通りかかったんだけど、あなた達ここに倒れてたから。大丈夫?どこか悪いところある?」
「…佐々木?」
「井口…、なんで私達、学校に…?」
「体は大丈夫そうだね。もう0時過ぎてるから、学生は出歩いちゃダメな時間だよ。補導されるといけないし家まで送ってあげる。」
「え、でも、」
「いいからいいから、ほら、立てる?」
「…す、すみません、ご迷惑を、」
「全然!恵、肩貸してあげて。」
「…はい。」
「お、す、すまん、」
「いえ。」
2人を家に送る途中でスマホを見ればもうすぐ1時。あ、やば、香織さんから電話きてる。
「ごめん私電話するね!」
「あ、はい、」
「俺、家すぐそこなんでここで大丈夫です。」
「そう?じゃあおやすみ。もう夜中に出歩いちゃダメだよー、じゃあね!」
「あ、はい…。ありがとうございました。」
井口先輩と別れて、私は香織さんに電話した。コール音の間なんと説明しようかと必死に頭を巡らせる。お、繋がった、
『理玖ちゃん!?悠仁が帰って来ないの!』
「ごめんなさい香織さん、悠仁君私が泊まってるホテルの部屋で爆睡しちゃって…!もっと早く電話するべきでした、ごめんなさい!」
『ほっ…、理玖ちゃんと一緒にいるなら安心ね…。』
「すみませんでした、明日朝一で帰らせますから!」
『いいのよ、久し振りに理玖ちゃんに会えたから嬉しかったのね。明日は土曜日で学校も休みだから、理玖ちゃんがこっちにいる間は好きにさせてちょうだい。』
「分かりました。悠仁君は私がお家まで送り届けますね。」
『ありがとう、迷惑かけてごめんなさいね。』
「とんでもないです!こちらこそご迷惑をお掛けしました。遅くに電話してすみません。おやすみなさい、香織さん。」
『おやすみなさい、理玖ちゃん。』
電話を終えると佐々木先輩の家に着いたらしい。私の電話が終わるのを待っていたのか、ちらりと私を見た佐々木先輩。
「ごめんねー、家着いた?」
「あ、はい。送ってくれてありがとうございました。」
「どういたしまして。夜遊びは大人になってからね。」
「…はい。…あの、」
「ん?」
「悠仁君っての、もしかして虎杖ですか?」
「うん。でも、この事は内緒にしてくれる?」
「…は、はい。じゃあ、おやすみなさい。ありがとうございました。」
「おやすみ、良い夢を。」
手を振って佐々木先輩が家に入るのを見届けると、その場でグーッと背伸びをする。
「さてと、悟に連れて帰ってもらおっか。それともほんとにホテルに泊まる?」
「…五条先生に邪魔されないなら泊まりたいです。」
「いやん、メグエルったら、私をホテルに連れ込んで一体どうするのぉ〜♡」
「抱きます。」
「うわストレート。どうしたのよメグエル!昼間はあんなにスーパードラァイ!だったのに!」
「別に。」
そういえば、皆好感度反転してるんだった…。ご機嫌取っておくか…?
「めーぐみきゅん♡」
「…なんですか。」
「呼んでみただけ♡」
お、2%になった!さてはメグエル、単純だなぁ!?
「五条先生が来る前に行きますよ、」
「僕が来る前に理玖とどこに行くつもり?」
「チッ、」
「うわー、恵が僕に舌打ちした。」
「きゃー♡2人共私の為に争わないで〜♡」