あんまりそわそわしないで♡


悟と合流した私とメグエル。ゆじたんは高専のあのお札だらけの部屋に拘束したらしい。

「これから虎杖悠仁が宿儺の器かどうか、起こして確かめるんだけど、2人はどうする?」
「悠仁君は明日の昼には一度家に帰してあげたいから、私もすぐにでも帰って確かめたいんだけど。」
「分かった。恵も一緒に帰るでしょ?」
「はい。」
「じゃ、2人とも僕に掴まってー。」

悟に掴まって一瞬で景色が変わると、高専のグラウンドにいた。いやぁ、便利だねぇ。色々条件がめんどくさいって聞いてるけど、私も使いてぇ〜。メグエルとはグラウンドで別れて、私と悟は一度忌庫へ宿儺の指を1本取りに行った。その後2人でゆじたんのいるあのお札だらけの部屋へ向かう。

「じゃ、起こすよ。」

原作同様椅子に座った状態で両手を後ろ手に拘束されたゆじたん。あ、怪我治してあげないとだ。…と思ったけど、私の残り呪力じゃ足りないから、後で硝子にお願いしちゃおうかな。悟がトンッとゆじたんの額を小突いた。

「…、」
「悠仁くーん、」
「おはよう。今の君はどっち(・・・)なのかな?」
「……理玖姉?」
「うん、」
「…と、アンタ、確か……、」
「五条悟。呪術高専で理玖と一緒に1年を担任してる。」
「呪術……、先輩!伏黒は!?あ?なんだよコレ…、」
「悠仁君安心して、2人とも無事だしちゃんと家まで送り届けたよ。それからメグエルも大丈夫。」
「何が起きたのか全部覚えてる?」
「…ま、まあ、」
「とりあえず君のこれからの事を一から説明するね。」

悟がポケットから宿儺の指を取り出した。

「これは君が食べた呪物と同じモノだ。全部で20本、ウチではその内の6本を保有してる。」
「20本……?ああ、手足で、」
「違うよー。」
「宿儺は腕が4本あるんだ。理玖、ちょっとズレて。」
「ん。」

バシュと壁にめり込んだ宿儺の指。それを追いかけて壁からメキョっと取り外す。

「あーあ、穴あいてるじゃん。」
「理玖〜お願い♡」
「まったくもう、セレクト。」

【五条悟が壁に穴をあけました。選択してください。選択すると呪力を30消費します。(残り呪力:44)】
【1.元に戻す 2.なにもしない】

1番。

【1.元に戻す を選択しました。呪力を30消費しました。(残り呪力:14)】

「えっ、壁が直った!?」
「理玖ありがとう。」
「うむ。」
「見ての通りこれは壊せない。それだけ強力な呪いなんだ。日に日に呪いは強まってるし、現存の術師じゃ封印が追い付いてない。そこで君だ。君が死ねば中の宿儺(のろい)も死ぬ。でもこれは理玖が大反対してるから、まず実行しない。」
「悠仁君は私の大事なお友達だからね。」
「でもうちの老人共は臆病でね、有害な奴らはもういないけど、またいつ腐った連中が現れるかも分かったもんじゃない。ソイツ等ならきっと、今すぐ君を殺せと騒ぎ立てるだろう。でもそんなの勿体ないでしょ。」
「勿体ない?」
「宿儺に耐えうる器なんて今後生まれてくる保証はない。だからその時はこう提言するつもりだ。「どうせ殺すなら、全ての宿儺を取り込ませてから殺せばいい。」それならきっとうるさい年寄り連中も、腐ったミカンも了承するだろう。」
「でも私は悠仁君を殺したくない。だから悠仁君、お願いがあるんだけど。」
「…お願い、」
「君の命、私に頂戴。」
「…俺の、命…?」
「そ。特級呪物“両面宿儺”、その回収が私の仕事なんだけど、正直私もそれがどこにあるかなんて分かんないのね。だから悠仁君に手伝って欲しいなあって思って。」

ま、セレクトすれば分かるだろうけど…。

「理玖姉の手伝い…、」
「そ。悠仁君が食べたそれはとても危険な物なの。でも、それを食べても普通に過ごせてる悠仁君は凄いよ、多分千年生まれてこなかった逸材。」
「ただ分かっておいて欲しいのが、呪いに遭遇して普通に死ねたら御の字。ぐちゃぐちゃにされても死体が見つかればまだましってもんだ。理玖と一緒に宿儺の捜索をするとなれば凄惨な現場を見ることもあるだろうし、君がそうならないとは言ってあげられない。」
「私が守るからならないもん!」
「理玖がこう言ってるからならないかもしれない。」
「どっち?」

ゆじたんはちょっと悩むように俯いた。

「…俺が宿儺を全部食べれば、呪いに殺される人も少しは減るかな。」
「「勿論。」」
「…いいよ、俺、理玖姉に俺の命やる。」
「悠仁君!じゃ、早速だけどこれ飲んで。」
「え、」

私は持っていた宿儺の指をゆじたんの口元に持っていく。そうだ、折角だからなんかご褒美的な感じであげた方がゆじたんも喜んで指飲んでくれるんじゃないか?!

「悠仁君、あーん♡」
「あ、あーん…♡」
「理玖ズルい!僕にも後で喜久福あーんして!!」

ゴクンと喉を鳴らして指が飲み込まれた。どうなる?

「クッ、ククッ、まっず、笑えてくるわ、」

よしっ!2本目も問題なし!ゆじたんの頭をむぎゅうっとおっぱいに押し付けて抱きしめてあげた。めちゃくちゃマズいのにごめんねゆじたん!!!!ご褒美だよ!!!

「悠仁君素敵♡」
「ふぶっ、」
「あ、ちょっと理玖浮気!?ちょ、理玖のおっぱいは僕のなんだから離れなさい!!」
「理玖姉のおっぱい…、」
「じゃ、これ外すね!あと明日朝からまた仙台に戻って、今後うちの学校に通う事を香織さん達に説明しないとだから、」
「あ…、母ちゃん達になんて説明すんの?」
「この学校、表向きはただの宗教学校なの。だからボランティアとか慈善活動したり、チャリティーしたり、人の為になることを学ぶ学校っていう風に説明してあるから、私に任せて!よし、じゃあ今日は久し振りに理玖ちゃんと一緒におねんねしましょうね〜!」
「マジ!?」
「理玖!?」
「悟、ステイ!」
「わん!って、そうじゃなくて!僕にご褒美は!?」
「………喜久福あーんする?」
「する!!」
「じゃあ明日ね。私は悠仁君と積もる話もあるから、今日はここまで!」
「く〜ん!」

ゔっ、悟が目隠しを下ろしてぶりっ子ポーズで私を落としに来た…!

「そんな可愛い顔してもダメ!明日部屋行くから、ね?」
「………抱き潰す。」
「子供の前でやめなさい!」
「悠仁!理玖は僕のだから絶対絶対ずぅえったい手ぇ出したらダメだから!!」
「理玖姉と五条、先生?ってそういう関係!?」
「そう!!」「違うよー。」
「もう、理玖!?僕たち6歳からの仲でしょ!?かれこれもう22年も一緒にいるんだよ!?そういう事もいっぱいシたのになんで違うの!!」
「はい悠仁君行きますよー。」
「お、応、てかいいの?あれ。」
「気にしない気にしない。」
「ムキィーーー!!僕より若い子を選ぶなんて許さないっ!!理玖の浮気者っ!!」

ひとりで暴走している悟を残して部屋を出ると、まずは医務室へ。硝子起きてるかなぁ…。てかシラフかなぁ。

「硝子ちゃーん、いるー?」
「…理玖?なに、こんな時間に。」
「あらら、残業中だった?」
「うん。」

医務室のデスクで何やら作業中だったらしい。ゆじたんに気付いた硝子が眉をひそめた。

「患者?」
「うん。虎杖悠仁君。」
「ども、虎杖悠仁っス!」
「私のお友達なの。お願い硝子、治してあげて?」
「いいけど、高いよ。」
「体で払います。」
「言ったね?」
「悟が。」
「五条はいらない。」
「硝子辛辣〜♡」
「そこ座って。」
「あ、はい。」
「悠仁君、この美人さんは家入硝子。私の嫁であり彼女であり親友なの。」
「え!?」
「理玖の嫁でーす。」
「それでね硝子、この子前にも話してたと思うけど、仙台のお友達。宿儺の指食べちゃってさ、今度から高専通うんだよね〜。」
「…は?」
「あ、解剖しちゃダメだからね!」
「待って、今なんて言った?何食べたって?」
「宿儺の指。」
「特級呪物の?」
「そう。」
「理玖が回収してる?」
「そう!」
「……虎杖、だっけ。」
「え、あ、うっす。」
「解剖させて。」
「はあ!?」
「硝子ちゃんダメー!」

そんなこんなで硝子にゆじたんを治してもらうと、今度こそ私の部屋へ向かった。ゆじたんは緊張しているのかそわそわと落ち着きがない。さては貴様童貞だな!?

「さ、どうぞ。夜も遅いしさっさとお風呂入って寝ちゃおうね。」
「う、お、ん、おう、」
「大丈夫?」
「お、おお俺、母ちゃん以外の女の人の部屋初めて入った…。」
「そう?私の物はそんなにないけど恥ずかしいなぁ、そんな見ないでよ。おいで、お風呂場案内するから。」
「あ、うん、」

ゆじたんに浴室を案内して、タオルや着る物を準備してあげる。と言っても、私の部屋に勝手に忍び込んでは色々と置いて行く小さい子供達と大きい子供たちの私物だ。多分これは…おっこちゅのスウェットか?サイズ的に。まあ、後で洗濯すればいいだろう。

「あ、どうしよう、悠仁君のパンツ。」
「え、あー、流石に人の借りんのは申し訳ねえから、いいよ。裏返して履く。」
「え、なにそれ、どゆこと。ダメダメ!洗濯しちゃうから着てたの全部洗濯機に入れて!」

一先ずゆじたんの服をぺぺぺーいと脱がせて洗濯機に入れて、スイッチオン。フルチンのゆじたん…。

「じゃ、お風呂行ってらっしゃい。」
「…応、」

ゆじたんがお風呂に入ってる間に私は今日の報告書を制作。明日は虎杖家に行ってゆじたんが高専に通いたいと言ったと伝える。倭助さんがゆじたんの意思ならいいって言ってたし。それから仁さんも香織さんから話聞いてるだろうけど、私から改めて説明した方がいいよなぁ…。荷物もまとめたりしなきゃだし、今週中には正式に入学できるだろう。問題は…、

「学長面談、どうなるかなぁ…。」

今のゆじたんは秘匿死刑が確定したわけじゃない。原作通り宿儺の器として高専に通う事は問題ないけど、倭助さんは生きてるし、ゆじたんはあの遺言に呪われてもいない。それどころか、私の言葉が彼を呪っている。私の為に高専に通う、なんて理由で夜蛾さんが入学を許可してくれるかが問題だ…。

「理玖姉、風呂ありがと!」
「あ、おかえりー。じゃあ私もお風呂入っちゃお。」

バスタオルを腰に巻いて戻って来たゆじたん。あ、そっか、パンツ乾いてないもんね。にしても…、

「悠仁君、いい体してるね。」
「…そ?」
「うん、いいね、腹筋も割れてるし、高校生にしては筋肉ついてて凄く好き。」

ゆじたんの腹筋をつつつ…と指でなぞれば、びくりと反応したゆじたん。はい、童貞ありがとうございます!!

「大きくなったね♡」
「…はぁああ…、なんなの理玖姉…、」
「あはは、真っ赤になっちゃって可愛い〜!じゃ、私もお風呂〜。」

わしゃわしゃと髪の毛を撫で回して部屋を出る。

「あ、悠仁君!」
「ん?」
「覗いちゃダメよ♡」

バチコーン☆とウインクをして、ちょっと前屈みになったゆじたんにくすくす笑いながら私は浴室へ向かった。



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