あー、うん、まあ、予想はしてたけどね。予想はしてたけどさぁ?!
「風呂ってこんなデカくする必要あんの…?」
いや、うん、温泉施設かな?大浴場かな?!デカすぎじゃね?!広すぎじゃね?!なんか源泉かけ流してそうな雰囲気の広い浴室に、私は素っ裸で1人佇む。え、五条家ってそんな感じなの?!マジ?!どんだけ土地持ってんの?…とりあえずさっさとお風呂入ろ。悟が私に一番風呂を譲ったんだ。絶対途中で入ってくる気がする!絶対くる!アイツなら来る!私は急いで頭からシャワーのお湯を被った。アイツ来たらマジで速攻セレクトキメてやるからな!絶対!!
「理玖ー、俺も入るー。」
「ほら来たあああ!もうっ、なんで!?」
「いいじゃん、どうせ俺ら結婚するんだし。」
「まだ確定してないから!」
別に小1の体でツルペッタンだからそんなに恥ずかしくはないけどさ?!ないけどさ?!もっと、なんか、モラル的な何かがあるでしょ…?オイオイオイ悟ゥオイオイオイ、オイ、なんで隣に来るのかな?馬鹿なの?死ぬの?
「どうせ本当に結婚するって。諦めろよ。」
「こっち来んな!てか前隠せっての!見えてんだよ、リトルサトルくんがよぉ!」
「なにその言い方、ウケんね、見せてんだけど。」
コイツ…!さすがに元成人女性とはいえ、こちとらアンタに貞操の危機を感じ始めたんだぞ!?悟の頭上で48%に戻った好感度。…絶対私が恥ずかしがってるって勘違いしてるだろ悟くんよぉ…。違うんだよォ…!見ちゃった見られちゃった問題はこの際どうだっていい!今は自分の身の安全をだな!?ぬおおセレクト!
【五条悟とバッタリ浴室で遭遇しました。選択してください。選択すると呪力を25消費します。(残り呪力:52)】
【1.背中を流し合う 2.大人しく混浴する 3.逃げる 4.なにもしない】
オイオイオイ選択コラ宣託さんよォ、なにがバッタリ浴室で遭遇しました(きゃっ☆)だゴラァ!そしてなにこの使えない選択肢は!?1も2も一緒に入るしかねぇじゃんか!?逃げるってどうやって?!逃げられるわけないじゃん、隣に座ってんだぞ?!悟はニヤニヤしながら私にリトルサトルくんを見せ付けるようにぶらぶらと近付けてくる。ほれほれーじゃねえよやめろ、マジやめろ?!今は小1だから許されるけど、おま、成長したら犯罪者だかんな?!
「…悟はよっぽど私に嫌われたいみたいだね?」
「はは、なんで?」
「乙女の顔面の前でちんこぶらぶらさせんじゃねえよ!もぎ取んぞ!?」
「乙女がちんことか言うかよ。」
「はぁ…せっかくゆっくりお風呂入れるかと思ったのに…。」
「……怒った?」
私の溜め息に、悟は大人しく風呂椅子に座った。…ちょっとしょぼんな顔しても騙されないからな!?…ってあれ、なんでそんな泣きそうになってんの?ま、マジ?!結構ショック受けちゃった?!え、ご、ごめんね?!え、泣く?!泣いちゃう?!
「別に、怒ったわけじゃ…、」
「お詫びに背中流してやるよ!」
「…てめーは俺を怒らせた…。」
多分今私の背後にスタンドいるわ。嘘泣きしやがって!
「マセガキめ…!」
「心配すんな、理玖にだけしかしないから。」
「そういうことを言ってるんじゃありません!」
「じゃ、背中流しマース。」
悟が風呂椅子ごと私の背後に回った。おい待て、マジでやる気が?!マジなのか!?無理無理無理無理無理!恥ずいから!セレクト!
【五条悟はあなたに触れたいようです。選択してください。選択すると呪力を10消費します。(残り呪力:27)】
【1.身を委ねる 2.やりかえす 3.なにもしない】
1も3もほぼ一緒じゃん?!ほんとマジで使えないな?!もういい!なにも選択しないで自分で何とかするわ!
「待って、悟。私、お風呂の順番にはルールがあるから、そのルールを乱したくないの!だから自分で洗うからもう少し離れて。」
「…なに、ルールって。」
「それは言えない。てか言いたくないし。」
「…嘘でしょ、それ。」
「なんで?!」
「ってことはやっぱり嘘か。はい、洗いマース!」
「アヒャヒャヒャ!やめろ、くすぐったふははっ!」
「もしかして将来有望?」
「知るか!くすぐったいからほんと、やめて、自分で洗うから!」
悟に向けてシャワーのお湯をぶっかけてやった。当たり前だけど無限で全く当たらない。コイツまじ…コイツゥ!!
「いい加減にして、ほんと、やめて、嫌いになるから!」
「それもウソ〜。」
「だからなんで分かんだよ!」
くそ…こうなったらもう決めた!やられたら、やり返す。倍返しだ!ここは悟を油断させるためにも大人しく洗われてやる!
「…はぁ、もう分かったから、変なことしたらもう結婚とか何とか全部断るからね!分かった!?」
「分かった分かった。」
「もう…。」
悟はなんだかんだ、私の事をからかいたいだけだったらしい。頭上では好感度が58%になっていた。大人しく私の背中を流す悟に、私は小さく息を吐いた。
「ストップ、背中だけだよ。」
「ちぇ、」
「しれっと胸まで触ろうとすんなっての…。」
「今から揉んでりゃでかくなんじゃね?」
「巨乳好きめ…。」
「なんで知ってんの?」
「勘。」
本当は待ち受け井上和香にしたって見たから巨乳好きなんだろと思ってただけだけど。悟は私の背中を洗った後、大人しく隣に戻った。シャンプーを始めた悟を見て、私も黙々とシャンプーをする。…流石五条家…いいシャンプー使ってんな…?めっちゃいい匂いすんだけど!シャンプーもトリートメントも終わり、洗顔を終えたところで、私は悟の後ろに椅子ごと回り込んだ。
「…なに?」
「悟の背中洗ってあげる。」
「…俺はいい。」
「なんで?ほら、楽にしてー。」
「おいっ、」
泡を纏ったボディータオルで悟の背中を優しく擦る。悟がピクリと肩を跳ねさせたのを私は見逃さない。ぐふふ、悟くんや、さっきはよくも擽ってくれたのう…!
「優しく、洗ってあげるね?」
「っ、」
わざと悟の耳元でそう言うと、悟が少し前屈みになった。…ほほう。小1ってもう勃つんか?流石にまだじゃね?でも面白いからそのまま揶揄っちゃおー。
「どうしたの?」
「や、めろ…、」
「えー?大丈夫、ちゃんと綺麗に洗ってあげるからね?」
「ぅ、」
後ろから腕を回して悟の肩や腕も洗ってあげる。どうだどうだ、恥ずかしいだろ〜?ぐへへ、かわゆいのう!私もついついノリノリになってしまう。そのままお腹の方にタオルを持った手を回す。小さな突起があるであろうそこを、タオル越しに指で引っ搔いてやった。
「ま、待てって!」
「なぁに?」
「マジ、悪かったって、ごめん!やめ、やめろって!」
「あはは、悟顔真っ赤じゃん!かわいい〜。反省した?」
「したから、ちょっとマジ、ストップ!」
私は優しいからね、ここでやめておいてあげるよ、ぐへへ。タオルを悟に渡すと、悟は真っ赤な顔で私に背を向けて自分の体を洗い始めた。ほんと、こういうところは可愛いよね!68%まで戻っている好感度に、私は満足!自分の体も洗って、ようやく浴槽に浸かれる…!広い浴槽に体を浸すと、今日一番大きな息を吐いた。極楽極楽…!悟も大人しく浴槽に浸かっている。
「なんでこんなお風呂デカいの?」
「一番最後に使用人たちが入るから。」
「なるほどね。」
お風呂を出て寝支度が終わると、悟の部屋に一緒に戻った。悟は家だとパジャマじゃなくて寝間着を着るらしい。二人で布団に入って、おやすみを告げる。悟が私の名前を呼んだ。顔だけ悟に向けてみると、ちゅ、っと柔らかい感触。
「理玖、好き。」
「ありがと、悟。」
「…おやすみ。」
「おやすみー。」
悟の手が布団の中で私の手を握り締めた。…ごめんね悟、好きになってくれてありがとう。私も悟の事好きだよ。そんな意味を込めて、その手を握り返して目を閉じた。