ガタガタとドアが揺れる。奥まで苦しいくらい突かれて私はその度にドアに体を押し付けられた。声を我慢しようとすれば痛いくらいにお尻を叩かれて、その度に情けない声が漏れてしまう。マジで誰か来たらどうすんの!?
「んぁっ、あっ、と、じさまっ、」
「黙って啼いてろ、」
「んんッ、あっ、誰か来ちゃうっ、」
「聞かせてやりゃいいだろ、」
「ああっ、あっ、だめっ、」
パパ黒が腰の動きを速めた。そのせいでガタガタと鳴る音も激しさを増す。あれ、なんか、誰かの気配が、ヤバい!バレちゃうって!声を我慢しようと唇を噛む。それを悟ったのかまた痛いくらいにお尻を叩かれた。
「ああっ!」
「おい、バレるぞ。」
「んんっ、だってぇ、んっあ!」
足音が近付いて来た。ヤバい、ヤバいって、誰が来たの!?来た人次第で私詰むよ!?
「んんっ、んっ、ふっ、」
ヤバい、ヤバいヤバいヤバい!足音が…!ていうかドアの音が!ガタガタ音ヤバいって!壊れるってドアが!
「んっ、あっ、んんっ、」
足音が更に近付く。マジでヤバい、どうしよう!?パパ黒がまた私のお尻を叩いた。
「ひあっ!」
クッソヤバい、マジで、どうしよう!焦る私を他所にパパ黒は余裕そうに腰を振っている。足音と気配がついにドアの前に来た。足音が止まる。ガタガタとドアが鳴る。声を我慢できないヤバい!腕を噛んでいるとパパ黒が私の腕を掴んで後ろに引っ張った。自然と体が持ち上がってドアから離れた。でも声が!
「あぁっ、んっ、」
ヤバい!声漏れた!ドアの前の気配はまだそこにある。不意にガチャリとドアノブが、
「何やってんの、理玖。」
「あっ、ああっ、悟っ、やっ、見ないでっ、」
「よう。」
「よう、じゃないし。なんで僕の理玖を独り占めしてるわけ?」
「あ?オマエのじゃねえだろ。」
「あっ、あうっ、あっ、」
「こんな所でオッサンにヤられて、なに可愛い声出しちゃってんの、理玖。」
「ひあっ、あっ、ごめ、なさっ、ああっ、やっ、イくっ、」
「イくところ見ててもらえよ。」
「ああっ、あっ、ダメっ、悟っ、見ちゃダメっ、ああっ!」
ガクガクと体を震わせて果てた私に、悟は目隠しを下ろして冷たい目で私を見下ろした。うぅ、怖いけどその顔もすこ…。
「オッサン、僕も混ぜて。」
「あ?ふざけんな。邪魔すんじゃねぇよ。」
「ぁ…っ、はぁ、はぁ、」
「理玖、」
「んんっ、」
悟が部屋に押し入って私の顎を掴んでキスをした。バタン、ドアが閉まる。悟の舌が私の口内をこれでもかと暴れ回って、気持ち良くてきゅんとしてしまう。パパ黒にまた後ろから一気に奥まで突かれて、びくりと体が跳ねた。
「おい、何締め付けてんだよ。」
「僕とのキスが気持ちいからでしょ。オッサンのちんこより気持ちいんだよね?」
「あっ、はぁ、ンンッ、あっ、や、待って、」
パパ黒にまた突かれて前のめった体は悟に受け止められた。
【伏黒甚爾の好感度が反転しました。今後は好感度の変動に注意してください。】
「えっ!?あっ、えっ、ちょ、待っ、」
「あ?」
「ちょ、タンマ!ストップ!」
待って待って待って!?パパ黒の好感度が反転って…!?恐る恐るパパ黒に視線を向ける。あああああ!!ハートが…!ハートがグレーになってる!?!?なんでええ!?!?
「あ?んだよ。」
「な、え、あ、いえ、」
「理玖、そんなオッサンより僕の方がいいでしょ?」
「えっ、んっ、」
ぐいっと悟に抱き寄せられて体がパパ黒から離れた。おちんのパパ様が抜けてしまった!な、なんてことだ…!おちんのパパ様が…!ってそれどころじゃなくてだな!?
「理玖、いい加減僕を選ばないと、僕も怒っちゃうよ?」
「え、」
「おい理玖、五条の坊より俺だろ。」
「え、」
「あぁん?僕に決まってるでしょ!?」
【五条悟の好感度が反転しました。今後は好感度の変動に注意してください。】
はいいいいいい!?!?ちょ、ま、ちょっと待てよだよ!?恐る恐る悟を見上げれば、そのハートは白になっていた。白!?黒の次は一周回って白ですか!?ま、ちょっと待って、なんで2人とも急に好感度反転しちゃうわけ!?
「お、落ち着いて、2人とも…、」
「「誰のせいだよ。」」
「私ですごめんなさい。」
ちょ、ど、どうしよう、これどうしたらいいの!?誰かあああ!?助けてくださああああい!?ドクンドクンと心拍数が異常に上昇したのを感じる。えっ、マジでどうしよう、どうしたらいいの!?セレクトしてみる!?
【伏黒甚爾との親密度は100%になっています。選択してください。この選択には呪力を消費しません。また、この選択は親密度が100%の相手には何度でも選択できます。(残り呪力:183)】
【1.好きだと伝える 2.友達だと伝える 3.付き合いたいと伝える 4.なにもしない】
ですよねええええ!?前もこんなの出たよね!?4!
【4.なにもしない を選択しました。この選択には呪力を消費しません。(残り呪力:183)】
ちょ、もっかいセレクト!
【五条悟との親密度は100%になっています。選択してください。この選択には呪力を消費しません。また、この選択は親密度が100%の相手には何度でも選択できます。(残り呪力:183)】
【1.好きだと伝える 2.友達だと伝える 3.付き合いたいと伝える 4.なにもしない】
これも4!!
【4.なにもしない を選択しました。この選択には呪力を消費しません。(残り呪力:183)】
ちょ、もっかいセレクト!好感度関係じゃないやつ出て!頼むから!多分これ私死ぬやつ、
【伏黒甚爾と五条悟があなたを取り合っています。選択してください。選択すると呪力を100消費します。(残り呪力:183)】
【1.伏黒甚爾を止める 2.五条悟を止める 3.伏黒甚爾と五条悟を止める 4.なにもしない】
ハイ、役に立たない選択来たあああ!!違うんだって!もっとなんかあるでしょ!?
「理玖、さっきから何やってんの。」
「あ、いや、あの、」
「おい、理玖返せよ。こちとら長い事抱けてねぇんだよ。」
「知るかよ。」
「あ?」
ちょっとやばい、どうしよう、やばい、どうしよう!?流石にこの2人を相手したら私は今夜も眠れないよ!?朝までコースよ!?待って、ここ最近神仏関係の任務続きだったし、昨日なんてゆじたんと夜更かし祭りで朝までわっしょいしてたんだし、マジで寝ないとヤバいって!ヤバい、心臓がめっちゃバクバクいってる。冷や汗止まんない…!どうしよう、え、マジであそれどうしよう状態なんだけど、
「…理玖?」
「はぁ、はぁ、ちょ、待っ、」
「おい、どうした。」
あれ、なんか足に力が…、
「理玖!?」
「う…っ、」
「おい、理玖!」
「ちょ、お願い、寝かせて、」
「「は?」」
「マジで、無理…、体が悲鳴を…、」
「…硝子の所に行く?それとも部屋で休む?」
「…部屋…、」
悟が私の額にそっと手を当てた。うわ、冷たい…気持ちい…、
「ちょ、理玖熱いんだけど!?」
「マジかよ。」
「マジかよじゃないよ!オッサンなんで気付かないわけ!?ちょ、理玖、硝子の所運ぶから!」
悟が私の体を抱えた。パパ黒もズボンを穿いて私の服を拾い上げたらしい。裸だった私の体に服を被せられた。ていうか、マジか、熱あったのか私。バタバタと医務室に運ばれる間、私はただぼーっとしていた。いやあのさ、熱があるって分かると一気に体が怠くなるじゃない。そのせいなのかなんかめちゃくちゃ体熱くて頭がぼーっとしてきた。
「硝子!」
「なんだうるさい…って理玖?どうした、」
「理玖熱がある!早く診て!」
「ベッドに運べ。ていうかなんで理玖裸なわけ。」
「俺とヤってたからだな。」
「クズが。理玖は私に任せて帰れ。」
「やだ!僕は理玖の傍にいる!」
「俺も。」
「邪魔だからどっか行け。それともちんこ切り落とされたいか?理玖に無理させるクズ共にはいらんだろ。」
硝子の言葉に悟とパパ黒は股間を押さえながら医務室を出て行った。はえええ…硝子様ぁ…、
「硝子…ごめん…、」
「理玖、一先ず体を拭くぞ。」
「うん…、」
シャー、ベッドの周りのカーテンを閉めた硝子が、カーテンの向こうでタオルを濡らしている音を聞きながら、さて困ったと頭を悩ませる。なに熱?疲労から?それとも好感度反転にパニくった大人の知恵熱?
「入るよ、理玖。」
「あ、うん。」
硝子がカーテンの中に入ってきた。ゆっくり体を起こそうとした私を硝子が手伝ってくれた。
「どうした。なんかあった?」
「…いや、なんかあったと言えばあったけど、言えないんだよね…。」
「術式関係か。」
「…うん…。」
冷たいタオルが肌に触れてびくりと肩が跳ねる。
「ごめん、」
「あ、大丈夫。ていうか…こんな格好でごめん…。」
「いや、平気。理玖の裸見るの慣れてるし。」
「えっ、なにそれどういう事。」
「理玖が寝てる間、私が毎日拭いてやってたからな。」
「…あ、もしかして呪力切れの時?」
「ああ。」
「それは…何というかお世話になりまくってますな…。」
「今更だろ。それに私は好きでやってたし。」
「え、」
硝子に体を拭かれながら、ぼーっと硝子を見つめる。硝子ほんとキレイだよなぁ…。年々隈が酷くなってるけど…。セレクトで消せたりしない?あ、目が合った。
「なに?」
【家入硝子があなたを見つめています。選択してください。選択すれば呪力を50消費します。(残り呪力:184)】
【1.疲れを癒す 2.隈を消す 3.疲れを癒して隈を消す 4.なにもしない】
3番!
【3.疲れを癒して隈を消す を選択しました。呪力を50消費しました。(残り呪力:134)】
「……理玖、何したの。」
「ん?あ、お疲れの硝子ちゃんを癒そうと思って。」
「疲れてるのは理玖だろ。…でも体が不思議とスッキリした。ありがとう。」
「ん、よかった。」
「股は自分で拭けよ。」
「あ、はい。」
タオルを受け取って硝子に背を向けると、びちょびちょな股間部分を拭き取った。いやあ、マジですまんパパ黒…。こりゃまた体が回復したら朝までハードコース間違いなしだな…。いや、いいんだけどね!?いいんだけど睡眠時間がね!?私も特級術師として全国飛び回る身ですからね?!
「とりあえずこれ着てろ。」
「あ、ありがとう。」
さっきパパ黒が私の体に掛けてくれた仕事着と下着を受け取って身に着けると、ベッドに横になる。硝子が布団を掛けてくれた。
「いやホント申し訳ない…。」
「そう思うなら無理しないことだな。」
「ホントにね…ごめんなさい。」
「熱さまシート持って来る。」
「ありがとう硝子。」
硝子がタオルを手にまたカーテンの向こうに消えた。困ったな…こんな歳で熱でぶっ倒れるなんて…。いや、ぶっ倒れかけただけで倒れ切っちゃいないけどさ。けどこれからの事を考えると頭が痛くなるなぁ…。ゆじたんと野薔薇が高専に来たら英集少年院での事件があるでしょ?…あれ、でも確かあれは喋るメロンパンが仕掛けた訳でしょ?じゃあ今回はゆじたん死ななくて済むのでは?!あれ、でもそしたらゆじたんの呪力コントロールレッスンは?地下室での映画祭りは?うーん、あれはゆじたんには必要だと思うけど、別に死んでなくてもできるのでは…?でもその死んでる間に順平と会うもんね?順平についても考えないと…。まずは少年院どうしようかな…。
「どうしよう…。」
「どうした?」
「あ、ごめん独り言。」
「貼るよ。」
「うん、ひぇっ、冷たっ!」
額に貼られた冷えピタにぶるりと震える。硝子が私の額をシートの上からそっと撫でた。
「あんまり無茶するなよ。」
「うん、ありがとう。」
そう言われても、無茶しないといけないのだ。硝子ゴメンね。セレクト。