廻神神社


「おぉ、理玖、久し振りじゃな。」
「おじいちゃんお久し振りです。」
「おぉおぉ、別嬪さんになってぇ。」

居間に通されると、経験したことになっている記憶で見たおじいちゃんがいた。宮司の格好をしている。

「今日はまたどうした。」
「あー、今まで全然来たことなかったし、神の子について何か分かるといいなーって思って来たー。」
「そうかそうか。何か分かったか?」
「いやぁ、全く。もうちょっと資料室籠らせてもらおうかなって思ってる。」
「必要なら持って行ってもいいぞ。」
「え、マジ?」
「おう。好きにしなさい。」
「今日は泊まってくんかね?」
「あ、うん。私はそのつもりだけどお父さんたちは?」
「そうだね、折角だから私達も泊まろうかな。」
「そうね。」
「あ、明後日はお母さんの方の実家に顔出して、私また東京に帰らないといけないんだけど、」
「え?何かあるの?」
「あー、人と会う約束してて、」
「そんじゃあ仕方ないねぇ。部屋を用意しておくから、ご飯が出来たら呼びに行くよ。」
「お義母さんお手伝いします。」
「ああ、ありがとう。」

祖父母との会話もそこそこにまた資料室に戻った。資料を漁っている内に気になる巻物を見つけた私は、それをしゅるしゅると広げてみた。

「…え、マジ?」

そこに描かれていたのは過去の神の子の絵。巻物というよりかは掛け軸?しかも時代からか絵柄は違えどどれも私に似ている気がする…。待って、確か神の子ってうん百年にひとり生まれるって言ってたよね…?つまり神の子は昔から皆容姿が似ているって事?…待って、私宿儺に初めて会った時はなんも言われなかったけど、確か宿儺の時代の神の子は宿儺に殺されたって言ってたし、もしかしたら…、

「私宿儺に殺されたりしない…?え?やだよ!?あー!でもめっちゃ煽っちゃった気がする…!」

そういえば背中に座ったりした!!やばいやばいやばいやばい!絶対宿儺に私が神の子だって悟られたらヤバい気がする…!だって確か2回目は確実に死んじゃうんだよね!?1回は確実に生き返れたけど2回目は無理じゃね的なこと書いてあったもんね!?うわー!!うわあああ!!!

「え、てことはつまり、少年院ヤバくね…?」

だって英集少年院でゆじたんが宿儺に乗っ取られちゃって心臓ぶちぶち取られちゃうでしょ!?え、ヤバくね!?私その時に宿儺と縛り結ぼうと思ってたけどこれヤバくない!?私死ぬの!?嫌だああああ!!仮にも特級術師だよ!?いや正真正銘特級術師ではあるけどこんなんで死にたくないよおおお!てかなんで神の子が宿儺に殺されたの!?日記には大したこと書いてなかったけど!!何があったの!?いやいやいやいや、でもここで怖気づいてちゃいられない!ゆじたんに人殺しはさせたくないし、宿儺が好き勝手しないように縛りも結ばなきゃだし、そもそもゆじたん殺したくないし!宿儺とゆじたんに契闊の縛りを結ばせるわけにはいかない。あんなん怖すぎる。1分あればカタがつくって事でしょ絶対!いやゆじたんとえっちしてる時に1分間宿儺と代わるとかならまだ笑えるんだけどさ…いや、笑えねぇな、何考えてんだとんでもねぇな私。そんなのただのギャグじゃねぇか。…でも何とかするしかないな。私の意志でゆじたんと宿儺を入れ替えれると一番いいんだけど…。…ていうかそういう縛りを結ぶしかない。それでゆじたんは絶対安全だと皆に堂々と言えるし。うん、そうしよう!その方がいいよね!他にも資料を漁ってみたけど、やっぱり大した情報はなかった。それからお母さんに呼ばれて夕飯を食べるとお風呂を借りてすぐに寝た。翌日、廻神家が代々守っている神社を参拝して境内を見て回る。流石にこの神社は穢れもなく平和そうだ。お父さん曰く廻神家は代々神様を式神として降霊術で降ろす術式を使うらしいし、神様関係は何も心配しなくて良さそう。でも宣託呪法は神様仏様でしょ…?仏様と言えばお寺のイメージがあるけど、なんで仏様も味方なんだろ。

「おお、理玖。」
「あ、おじいちゃん。」
「どうじゃ、廻神家の神様は、何かお伝えになられたか。」
「え、あー、いや特に何も。」
「そうか。」
「ねえ、廻神家って神社だけ?お寺に関係してたりはないの?」
「寺か…。元々廻神家はずっと神様に仕えておるが、かなり昔…年代は忘れたが、寺の若いのが廻神家に婿に入った事がある。」
「あー…なるほど、それでかな。」
「なんじゃ、」
「あ、こっちの話。ありがとうおじいちゃん。」
「はいはい。」

廻神家に婿に入った僧が仏様と何か関係があるってことか。まぁ、この辺は特に気にしなくても大丈夫かな。それが加茂憲倫とかだったらびっくりだけど、そんな事あり得ないだろうし。…加茂憲倫かぁ…。羂索なぁ…。

「そうじゃ、今日はなんかテレビが来ると言うておった。ばあさんに頼んで巫女服借りとけ。」
「テレビ?なんで?」
「由緒あるうちの神社をテレビで取り上げてくださるそうだ。縁結びの神様だからな。」
「ほーん。分かったー、おばあちゃんどこいる?」
「御朱印書いてるから社務所だ。」
「ありがとー。」

おばあちゃんのいる社務所へ向かう。おじいちゃんの言う通りおばあちゃんが御朱印を書いていた。

「おばあちゃん、今日テレビ来るの?」
「ああ、そうだよ。あ、理玖に着せなさいってね、言われてたのよ。ちょっと待って頂戴。」
「はーい。」

御朱印を書き終わるのを待って、おばあちゃんに連れられて社務所の奥へ。貰った巫女服を身に着けて髪の毛はどうしようかと悩んでいると、おばあちゃんが櫛を持って戻って来た。

「髪は結んであげるから座りなさい。」
「あ、はい。」

櫛で綺麗に髪を梳いてくれるおばあちゃん。テレビって何のテレビだろう…。有名人が来たりするのかな?…有名人?テレビ?

「…いやいやいやいや、」
「なんだいひとりで。」
「なんでもない。」
「ほれ、できたよ。」
「ありがとう!」
「履物も出しておくから、これを履きな。」

足袋と草履を履いておばあちゃんに礼を言うと、社務所を出た。あ、そう言えばすっかり忘れてたけど皆に写真送るって話だった。神社の写真と巫女服を着た私の自撮り写真を撮ってグループトークに貼ると、すぐに既読がついた。誰だろ。

『廻神神社でーす!』
『今日テレビの人が来るんだって!巫女服着てみたよ♡』
五条悟『えろい。』
夏油傑『コスプレイもいいね。帰って来たらヤろうか。』
甚爾『抱く。』
『お黙り三銃士!!』
美々子『理玖様可愛い…!』
菜々子『理玖様ゲロ可愛い!!』
伏黒恵『似合ってます。』
七海建人『素敵な神社ですね。巫女服もお似合いです。』
『皆ありがとう♡』
五条悟『馬子にも衣裳じゃなくて?』
《廻神理玖が五条悟を退会させました。》
《夏油傑が五条悟を招待しました。》
《五条悟が参加しました。》
『傑!!!!』
五条悟『www』
夏油傑『www』
伏黒恵『アンタら何やってんですか。』
灰原雄『理玖さん可愛いです!』
乙骨憂太『理玖さん巫女服似合ってます!綺麗ですね!』
『ありがとう♡』
乙骨憂太『♡』
棘『すじこ♡』
『トゲエル♡』
棘『すじこ♡』
『トゲエル♡』
パンダ『何やってんだ?』
真希『真依にも送ってやれよ。』
『分かった♡』

『真依ちゃん♡』
[ 写真 ]
真依『理玖たん…?』
真依『ちょ、え、保存したわ。』
真依『凄く可愛い…理玖たん…大好き。』
『真依ちゃん私も大好き♡』
『ご利益あるよ♡』
真依『理玖たん…!!!』

真依可愛すぎか…!?そんなこんなで皆とやり取りをしている内にテレビ関係者らしい人達がぞろぞろと神社に入って来たのが見えた。

「すみませーん!」
「あ、はい!」

スタッフらしい男の人に声を掛けられた私はスマホを懐に仕舞って近付く。え、好感度イベント…!?嘘でしょ!?誰…!?

「わぁ〜、巫女さんだ〜!」
「ひゃわあああ、高田ちゃんだあああ…!」

ま、マジで!?高田ちゃんと好感度イベントあるの!?うわっ、東堂に自慢したい!!てか高田ちゃん背ぇたっか!!可愛いっ!!

「高田延子でーす!巫女さんは?なにちゃん?」
「廻神理玖です!リアル高田ちゃん可愛い…!握手して貰ってもいいですか!?」
「いいですよぉ〜!」
「ひえええ…!!!たたた高田ちゃん…!!!もう手洗わない…!」
「理玖ちゃん可愛い〜!」

リアル高田ちゃん可愛すぎワロタ…!!!いや笑い事じゃないんだけどさ、いやマジで…!悪くねぇ…!!!高田ちゃんと握手してもらった後、スタッフさんを連れて社務所に向かう。ちょ、早く東堂に自慢したい…!

「巫女さんも出るの〜?」
「あ、私は、」
「折角だから理玖も出なさい。この子は神の子と呼ばれてましてね、神様の声を聞けるんですよ。」
「へぇ〜すご〜い!」
「ちょ、おばあちゃん!規定!」
「こんくらい大丈夫。」

なんか知らんが流れで番組に出ることになってしまった私。これ東堂絶対リアタイと録画両方見るやつじゃん!!それだったら内緒にしておこう!その方が絶対面白い!!番組の流れと、聞かれる内容なんかを一通り説明してもらうと、高田ちゃんと他の芸能人らしき男女が神社の外に向かった。…って、あれ、無吉じゃね!?有じゃなくて無吉じゃね!?

「今日は廻神神社というところに来ております。まず本日のゲスト、アイドルの高田ちゃんでーす!」
「どうも〜!」
「廻神神社は縁結びの神様を祀ってらっしゃるという事なんですけど、高田ちゃんは普段神社行ったりするの?」
「神社は、たまに?」

収録が始まったらしい。無吉一行が手順通りに参拝してくる様子を眺めながら、スタッフの指示を待つ。一行が近付いて来たところで、スタッフからゴーサインが出た。ひえええ緊張するううう!!

「あー!巫女さんだー!」
「どうもこんにちは。お名前をお伺いしても、」
「こんにちは!廻神理玖です。」
「こちらの廻神神社は縁結び率100%と聞いたんですけど、本当ですか?」

いや知らんがな!!!でもそんな事言えないのでにっこりとカメラに向かって笑みを浮かべる。ええい、なるようになれ!

「はい、本当です。でも忘れてはいけないのが、ご縁を結ばれた後のお礼参りです。必ず結ばれたお2人がお礼参りに来て下されば、結ばれたご縁は一生続きます。」
「すご〜い!」

言っちまったあああ!!いや、でもこれで神様に対する信仰心を上げてこ!神仏系の任務減ってくれ!!頼む!!って、今思ったけど、もしかしてそういう事!?廻神家が縁結びの神様を祀ってるから好感度イベントがあるってこと!?どぉええ!?マジ!?



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