「宿儺の指を渡せぇ!?」
ポッポー!と火山頭が大噴火している。
「そもそもなぜ儂らが貴様なんぞに協力せねばならんのだ!」
「&‘*%〜#*%(私たちに何の得があると。)」
「貴様は喋るでない!」
「漏瑚興奮するな、暑くなる。」
えー、遡りますこと30分ほど前、無事に東京に戻ってきた私。そんでもって真人のいる下水道に荷物ガラガラ引いて行ったわけなんだけど、
「あー!理玖ー!」
「ぐぅふぇっ!?」
前回同様なぜか真人に飛びつかれた。何?!真人の歓迎の仕方ってこれがデフォなの!?そんでもってそんな真人を見て口をへの字に曲げた漏瑚と、表情が全く読めない花御と陀艮もいた。マジか、呪霊サイド全員に会えるなんて…!富士山!頭富士山!って感激していた私が馬鹿でした。
「初めまして、廻神理玖です。漏瑚と花御と陀艮だね?」
「なぜ儂らの事を知っておる。」
「理玖は神の子なんだってー!面白いよね!」
「$&{*%&=#’〜*(神の子とは…実在したのですね。)」
「ぷぅ〜。」
陀艮可愛いかよ。ていうか花御の声マジで脳内に直接語り掛けてくるじゃん、気持ち悪!?
「神の子だから何でも知ってるみたいだよ。他の人間たちとも魂の輪郭が違うし、不思議と理玖と一緒にいると落ち着くんだよねぇ。」
「フン、くだらん。真人、貴様が会わせたい者がおると言うから来たというのに、神の子だぁ?一体何を考えておるのだ!」
「んー、なんだっけ。理玖が説明してよ。」
「えー、オッホン。では、まずはちゃんと自己紹介するね。真人の言う通り、私は神の子と呼ばれる存在なんだけど、まあそれは今は置いといて。私は呪術師でもある。」
ポンッ!と漏瑚の頭で火山が小規模噴火した。
「呪術師ぃ!?儂らの敵ではないか!」
「まあまあ、落ち着いてもろて。」
「落ち着いておられるか!」
「理玖は敵じゃないよ。」
「そ。私が敵ならとっくの昔に真人を祓ってるからね。まずは話を最後まで聞いてもらっていいかな?」
「……。」
漏瑚が口をへの字にしたまま私を睨みつけた。おうおう、不満気じゃん。
「宿儺の器が現れたのは知ってる?」
「宿儺の器…、」
「そう、虎杖悠仁。彼がもうすぐ呪術高専の生徒として入学してくるんだけど、彼が高専に属してから君達には色々と問題を起こして欲しいのね。」
「問題だと?一体何を企んでおるのだ。」
「宿儺の復活。」
ま、これは実現させるつもりはないけどね。指を全部飲ませるにしてもあんな激マズ特級呪物ごっくんはかわいそうだし。まあ、京都の楽巌寺のおじいちゃんは生きてるから宿儺の器を殺せって絶対言うだろうけど、私はゆじたんを死刑にするつもりはない。全部指を取り込んだとしても、ナナミンが言っていた通りゆじたんが有用であると証明させて保守派を黙らせる。いざとなれば腐ったミカンどもみたいにスパッと逝ってもらうつもりだ。
「ほう。何故呪術師である貴様が宿儺の復活を望む。」
「まあ、私がそれを必要だと思ったから、かなぁ。それで真人から、漏瑚が宿儺の指を何本か持ってるって聞いたんだけど。」
「確かに持っておるが…、」
「それ、全部頂戴☆」
そして冒頭に戻る。まあ、こうなるよね。別に全部貰おうと思えば貰えるんだけどさ。無理矢理奪えばいいし。
「そもそもなぜ儂らが貴様なんぞに協力せねばならんのだ!」
「&‘*%〜#*%(私たちに何の得があると。)」
「貴様は喋るでない!」
「漏瑚興奮するな、暑くなる。」
「(あなたが何を考えているのか理解しかねますね。)」
「呪霊こそが真の人間、だったっけ?」
「…真人、喋ったのか。」
「いや、なにも。だから言ったでしょ?理玖は何でも知ってるって。」
「確かに、私も人間は嘘で出来てると思う。だから漏瑚が呪霊こそが真の人間だと思う気持ちも分からない事もない。まあ、私は神の子だから嘘は吐けないし、正直に生きてきたけどさ。」
「なぜ貴様は嘘を吐けんのだ?」
「だって罰当たっちゃうかもしれないし。嘘は吐けない代わりに言えることはちゃんと言うし、言えないことは言えないって言う感じ。まあ私の話はどうでもいいんだよ。言いたい事は宿儺の指を使って、私の理想を叶えて欲しいって事ね。」
「…ますます貴様の考えが分からん。何を理想としておるのだ。呪術師である貴様が儂ら呪霊と手を組んで、反旗を翻すとでも言うのか?」
「あー、うーん、まあ、捉え方によってはそうなるかも。でも完全に裏切る訳じゃない。必要な事だけに手を貸すって感じかな。真人には近々一仕事してもらう予定だし。ね?」
「うん。」
「偉く従順になったものだな、真人。」
「だって理玖面白いんだもん。それに、理玖に協力してる内は俺達はこうやって存在していられるわけだし。」
「そういう事。」
「…フン、儂ら4人を祓うのは容易いとでも?」
「そうだね。腕試しでもしてみる?」
セレクト。
【漏瑚があなたに反発しています。選択してください。選択すると呪力を50消費します。(残り呪力:280)】
【1.祓う 2.平伏させる 3.なにもしない】
「ほう、面白い。儂を「2番。」ぐおっ!?」
「あっはっはっはっは!」
「(漏瑚!)」
「ぷぅ!」
漏瑚が私に平伏している。いやぁ、これ某パワハラ上司の気分じゃん。頭を垂れて跪え、平伏せよ。なんつって!ついでにもうちょいからかっちゃおうかな。漏瑚の背中にドンッと座って足を組むと、十手を抜いて火山頭をツンツンしてやった。おお、富士山がしゅわしゅわしてる。
「き、貴様、その十手は…!」
「不動明王の俱利伽羅。呪力を吸収して一定時間無効化する。これでツンツンされるだけでも辛いんじゃないのぉ?えいえいっ、」
「や、やめろ!分かった!貴様に協力する!」
「物分かりが良くて助かるねぇ。」
漏瑚の上から立ち上がって手を差し出すと、漏瑚は私の手を掴んで目を見開いた。多分私を燃やそうとしたんだろうね。
「言ったでしょ、一定時間無効化するって。私を燃やそうとしても無理だよ。」
「ぐぬぅ…、」
「花御と陀艮はどうする?私に協力するか、それともここで私に祓われるか。」
「(…分かりました。協力しましょう。ですが私たちにも条件があります。)」
「条件ね、聞かせて。」
「(あなたの計画に協力した後も、私達を祓わないと誓ってください。)」
「ああ、そういう。別に、私は君達を祓うつもりはないよ。」
ま、私が祓わなくても悟とか傑とかパパ黒なら祓っちゃうだろうけど。というか、傑が欲しがりそうだな。
「(漏瑚、これでどうです。)」
「…まあ、その条件なら良い。」
「真人と陀艮はどう?」
「俺は異議なーし。」
「ぷぅ。」
「陀艮ちゃんぷぅしか言えないの可愛いでちゅねぇ〜?」
「ぷぅう!?ぷう!」
「なんなんのだ貴様は…。」
陀艮がぷぅぷぅ言ってて可愛かったから思わず頭なでなでしちまったぜ…。いやいや、陀艮は渋谷事変で魚にナナミンの左目食わせたし、直毘人の腕パックンチョさせたからな、油断できねぇ。まあそれ言ったらここにいる全員事変に関わってるから言い出したらキリがないけど。
「じゃあこれで縛りでも結ぶ?私の計画に協力してくれることを条件に、私は真人、漏瑚、花御、陀艮、君達を祓わない。」
「うむ。縛りを結んでおいた方が確実だろうからな。」
「(それで、廻神理玖、あなたの計画を教えてください。)」
「オッケー、まずは宿儺の指を集めたら私に頂戴。漏瑚が今持ってる分も全部含めてね。」
「む…やはりそうなるのか。」
「これはなぜかと説明すると、私が宿儺の器である虎杖悠仁の監視…というか、彼についての全責任を負うことになってるから。宿儺の器に指を食わせないと復活させられないし、虎杖悠仁に一番近い私が時を見ながら彼に指を食わせていく。」
「…確かに、それなら貴様が指を持っておった方が確実か。」
「そ。それと私、高専から宿儺の指を回収する任務も請け負ってるからね。1本ずつ、怪しまれないように間隔を空けながら指を高専に持ち帰って、宿儺の器に食わせる。」
「高専では今指を何本保有してるの?」
「確か6本だったかな…?あれ、5本?」
この前ゆじたんを高専に連れてった時に1本飲ませたもんね?じゃあ5本か…?
「ちなみに高専で保有してる分は私が持ち出すことはできないから、真人と花御あたりにちょっと高専で一仕事してもらうことになるかな。」
「(いいでしょう。)」
「そんで一番早い計画が7月なんだけど、西東京市にある英集少年院ってところに宿儺の指をポイッとして来て欲しいのね。これは誰がやってくれてもいいから、そこは皆で話し合ってもらって。」
「少年院?」
「そ。そこに虎杖悠仁を派遣させたい。少年院に関してはただ指をポイしてくれればいいから、難しくないでしょ?」
「ぷぅ。」
「陀艮ちゃんおちゅかいできまちゅかぁ〜?」
「ぷうぅ!」
「俺だってできるんだけどー!」
それから真人に頼む吉野順平の件についても話しておいた。あとは漏瑚を焚きつけて悟と衝突させるべきかどうかだな。…まあ、これはゆじたんの勉強にもなるから起こしてOKなイベントだろう。でもこれは少年院の後でいっかな。今すぐ漏瑚が悟に突っ込んでいかれちゃ困るし。ブラジリアン体操して真人とサッカーはしたいけど。
「そうそう、大事なこと言うの忘れてた。私たちが繋がってる事は絶対誰にも悟られちゃいけないから、もし私たちがここ以外の場所でバッタリ会った場合は、お互い敵として振舞う事。縛りを結んでるから私が皆を瞬殺することもないし、ちょっと怪我させる事にはなるだろうけど上手いタイミングで逃がすから、そこは安心して。」
「貴様は儂らの事を知っておったが、儂らの術式についても把握しておるのか?」
「うん、そりゃ勿論。」
「フン、対等ではないな。儂らにも貴様の術式を教えろ。儂はなぜ貴様に平伏させられたのだ?」
「あー、悪いけど私の術式については誰にも話せないんだよね。話そうとしたら、———…こういうふうに喋れなくなっちゃうわけ。それだけ私の術式が特殊だからだろうね。」
それから9月の交流会についてもこの際だから軽く話しておいた。そうだ、呪詛師である組屋鞣造と重面春太に関してはどうしようかな…。嘱託式の帳も、“五条悟”の侵入を拒む代わりにその他“全ての者”が出入り可能な結界、だったっけ。んー、流石に私があれを作る訳にもいかないし、そもそもあれは羂索が作ったのか?それとも裏梅?組屋鞣造は坊主頭がどうたらって言ってたから裏梅なのかな?でも裏梅どこにいんの?名探偵理玖ちゃんの推理だと裏梅は獄門彊の中にいたんじゃないかって思ってたけど、正直どうなのか分からない。それに天元様に獄門彊を封印してもらったし、今更もっかい出ーして☆なんて頼むのもな…。羂索と契約した呪詛師はどうやって過ごしてたんだろ。1回死んでから最新巻読めなくなったしなぁ…。これについては何故…?
「ま、とりあえず7月になったら誰でもいいから少年院に指ポイしてもろて。」
「儂がやろう。」
「うん、じゃあお願い。」
待てよ、嘱託式の帳を下ろすのはありとして、悟だけじゃなくて傑もパパ黒も私も入れない方がいいなじゃいかな?じゃないとあの三銃士いたらまず組屋鞣造も重面春太も瞬殺だろうし、花御なんて致命傷どころか簡単に祓われちゃうか傑が取り込みたがるだろうし、私なんてセレクトしちゃえば皆瞬殺できちゃうもんね。縛りあるから祓えないけど。うがあああ!難しくなってきた…!