呪いすら酔わせた


「どういう事だ、理玖!」
「だから、任務だって言ってるでしょ…!天皇からの命で、呪詛師と繋がりのある呪術師がいるからそれを調べろって、いった…っ!」

俺は廃寺に理玖を連れ帰り、組み敷いた。理玖は天皇の命で呪術師の男に近付いたと言った。だが俺はそれを信じなかった。やはり呪術師である理玖と呪いである俺は相容れんのだ。

「腕…っ、折れるって、」
「貴様が嘘を吐けば折る。」
「嘘じゃな、あ゛あっ!」
「次は左だ。」
「宿儺様!」
「裏梅…、なんだ。」
「わ、私の早とちりでした…申し訳ありません…!」
「裏、ちゃん…、」
「ほう…理玖を庇うか、裏梅。」
「…い、いえ…、そういう訳では、ただ、私の間違いだったとお詫びを、」

裏梅は理玖を庇った。俺はそれも気に食わなかった。理玖の首を掴み、その体を持ち上げる。苦悶の表情で藻掻く理玖。その細い首を、俺は、

「が…っ、は…す、く…な…、」

奴は最期に俺の名を呼んだ。そして、俺は奴の首をへし折り、奴は動かなくなった。

「…これは捨て置け、」
「宿儺様…っ、」
「…何故泣く、裏梅。」
「私のせいです…、私のせいで…っ、理玖が…っ、」
「…理玖は…術式を使わなかった。抵抗すらしなかった…。何故だ…。何故…、」

俺は理玖の体を畳に放り、その場を立ち去った。が、すぐに裏梅が俺を呼び戻した。

「宿儺様!理玖が…!」
「…なんだ、」
「人の話は、最後まで聞いてよね…、」
「…貴様…何故、生きている…、」

理玖の首は確かに俺の手でへし折ったはず。しかし、理玖は無傷だった。理玖はまた話し始めた。天皇の命で呪詛師と繋がりのある術師をあぶり出すため、気があるフリをして奴の屋敷を訪れたと。そこを裏梅が目撃した。しかし理玖は口吸いをしていたのではない、と。術式で相手の情報を読み取っていたと。到底信じられんかったが、相手の術師は確かに呪詛師と繋がりのあり、理玖はそやつを油断させて拘束するために、まぐわうフリをして馬乗りになっていたと。その後術師の男は拘束、使いの者に頼んで天皇の元まで運ばせたと。

「宿儺って嫉妬とかするんだね、意外。」
「……紛らわしい。本当にまぐわっておらんと証明できんだろう。」
「じゃあどうやったら信じてくれる?結婚でもする?」
「は?」
「私が一生宿儺のモノになればいいって事でしょ?まさか廻神家の屋敷で「貴様は俺の女だー!」なんて言われると思ってなかったけど、いいよ。正直相手多すぎてどうしようかと思ってたし、」
「相手が多すぎるとは何だ。そもそも、なぜ生きている。俺は確かにあの時貴様の首をへし折った。」
「さあ、なんでかな。多分術式的なものだと思うけど、次はもう生き返れないんじゃないかな?だからもうカッとなって殺すのはナシね!あとこっちは全部仕事であれこれやってただけだから!マジで!」
「…フン、貴様が二度と俺を怒らせなければいいだけの話だ。」

それから俺は理玖を娶った。呪いと呪術師が契りを交わすなどと、前代未聞なことだろう。理玖は廻神家に文を書いた。俺と契りを交わすこと、それから俺達を探すなという内容だった。天皇にも似たような内容の文を書いていた。そしてその文を自ら廻神家と天皇の元に持って行ったらしい。呪詛師として処分されてもおかしくないというのに、理玖は咎められなかった。俺を飼いならせるのは理玖だけだと思ったのだろう。最も飼いならしたのは俺の方だが。

「これで大丈夫でしょ。宿儺も、今後は大人しくね。」
「…俺に指図するな。」
「うわ、そういうこと言うんだ?やっぱり実家に帰ろうかなぁー。」
「…。」
「…何この手。袖掴んだら開けるでしょ?」
「…な。」
「聞こえないな〜?言いたいことあるならハッキリ言いなよ〜、ほら、」
「…行くな。今後俺の許可なくここを出ることは許さん。」
「…プッ、あはははは!宿儺意外と可愛いところあるじゃ〜ん!」
「殺すぞ貴様。」
「あはははは!」

理玖との契りは、俺と理玖と裏梅だけで祝った。裏梅の作った飯を囲み、酒を飲み、理玖と共に床に入る。奴は俺の腕に抱かれたまま、幸せだと言った。怖いほど幸せだと。

「理玖に怖いものがあったとはな。」
「ちょっとそれ失礼過ぎない?私だって怖いものの1つや2つあるんですけど〜。」
「ならば貴様の怖いものとやらを言ってみろ。俺がそれを消してやる。」
「…宿儺って意外と愛情深かったりする?」
「前言撤回だ。貴様の事は知らん。」
「あはははは!」
「笑うな、不愉快だ。」
「ねえ宿儺って歳取らない?」
「歳は取るが、人間よりも遥かに長生きするだろうな。」
「じゃあ私が先に老いて死んじゃうのか…。」
「何が言いたい。」
「宿儺…いえ、宿儺様、私が生まれ変わったら、またあなたのお傍にいさせてくださいね。」
「…フン、突然何を言い出すかと思えば、当然のことを。」
「…プッ、宿儺ちょろ〜い!」
「殺す!」

理玖と過ごした時間は短かった。何故なら俺が裏梅と共に人間を狩りに行っている間に、奴は何者かによって殺されていたからだ。俺は理玖の亡骸を抱き締めて叫んだ。既に固まるほど冷たくなったその躯。俺は理玖を…、

「…塩辛いぞ、貴様の肉は…っ、」

理玖を、喰った。



...




「考え事とかっ、いい度胸じゃんっ、はぁ、」
「フン、もっと腰を使え。」

その後の事はあまり思い出したくない。理玖は俺の上に跨り、必死に腰をくねらせている。良い眺めだな。

「んっ、はぁ、やっ、ちょっと、」
「ほれ頑張れ頑張れ。」
「ああっ、あっ、だめっ、待って、ああぁっ!」

理玖の腰を掴んで下から突き上げれば、奴はびくびくと体を震わせる。体の癖も変わらんらしい。しかし、

「もっ、やっ、ああっ、あ、それダメっ、イくっ、〜〜っ!っああ、あっ、宿儺っ、」
「今まで俺以外と何度まぐわった。正直に言え。」
「やっ、ああっ、そんなのっ、覚えてなっ、ンああっ!」
「覚えてないだと?貴様の体は俺のモノだ。誰の許可を得て他の男に体を許した。」
「しらなっ、ああっ、やっ、待って、ダメっ、」
「答えろ、理玖。小僧ともまぐわっていたな。やはり小僧は殺す。」
「だめっ、そんなのっ、ああっ、あっ、またイくっ、」
「ならば答えろ。他の男とまぐわった数だけ貴様を犯す。」
「あぁっ、あっ、イってるからっ、とまってぇっ!」

ここが理玖の生得領域なのが少々残念だな。外であれば理玖を抱いた男共の前で、彼奴を孕ませてやれたというのに。しかしまあ、今の理玖が何を考えているか分からん。小僧を傷付けない、小僧の周りの人間も傷付けない、理玖の許可なしでは入れ替わることはできない。正直俺に得はない。対価が俺の指と、理玖の体というのも安すぎる。…が、理玖が俺の指を小僧に食わせ、力の全てを取り戻した俺が小僧の体をものにすれば、その縛りは放棄される。そうなれば俺は理玖以外の呪術師を全て皆殺しにしてやる。特にあの目隠しの男。奴は俺の理玖にベタベタとまとわりついて鬱陶しい。俺に命を狙われるのが光栄だと抜かしていたな。

「五条悟という男とは、どういう関係だ。」
「なんでっ、さとるっ、んっ、あっ、」
「奴ともまぐわったのか、理玖。」
「うっ、あっ、んッ、ごめっ、」
「…やはり五条悟は真っ先に殺す。」
「ああっ!」

理玖の体をベッドとやらに転がし、体を四つん這いにさせた。

「貴様は特に後ろから犯されるのが好きだったな。」
「ああぁっ!やっ、ああっ、やだっ、はげしっ、ああぁ、あっ、」
「理玖、オマエは1000年前から俺の妻だ。」

理玖の尻肉を叩けば、体を震わせてよがり嬌声をあげる。やはり1000年前から変わらんな、貴様の体は。腰を掴んでガツガツと後ろから攻め立て、何度もその身を貪るように掻き抱いた。

「貴様はもう、誰にも渡さん。」
「あぁっ、あっ、すくなっ、も、しんじゃうっ、」
「貴様が死んだら、俺はまた貴様を食うぞ。」
「ひっ、ああっ、うっ、んんん〜〜っ、」

理玖を喰うなど、二度と御免だ。いつもは甘く熟した果実のような貴様が、

「イってるっ!もおイってるってばぁっ!ああぁっ!」

この俺を初めて泣かせた貴様が、

「あっう、ん゛んッ、しぬっ、しんじゃうっ、」

俺は赦せん。二度と死なせるか。



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