硝子と別れた後、私と傑は任務に向かった。今日は1、2年生は合同でパパ黒に体術の授業押し付けたし、悟がゆじたんに最低限の知識をつけるべく映画鑑賞をさせてるはずだ。確か今日は漏瑚が悟を襲撃する日だったっけ。というか、交流会の打ち合わせと、悠仁の件を学長に報告するために私と三銃士と学長とで密会だ。パパ黒にもゆじたんの事を頼む予定だったし。荒井さんの運転で任務に向かう途中、あの下水道に向かった。今回は荒井さんにおつかいを頼んで、その間に手短に用件だけを伝えるつもりだ。というか、なんとかして連絡手段を考えないと、毎回ここに顔を出していたら流石に怪しまれちゃうな…。メカ丸に何か頼むか…?いや、でも悟の六眼でメカ丸の呪力が見えちゃうし、スマホでも持たせる…?うーん、でも三銃士も硝子も私のスマホのロック番号知ってるんだよなぁ…。何かの拍子で見られたら終わりだ。何か考えておかないと…。ていうか人のスマホ勝手に見るなよアイツら…。
「やっほー、来たよー。」
「理玖〜!」
「ぐほぉっ!…真人…、毎回これやめてくれない…?」
「なんで?楽しいからいいじゃん。」
「その内私の内臓飛び出すから…。ああ、漏瑚、昨日は少年院の件ありがとう。おかげで計画通り事が運んだよ。」
「フン、それで、今日は何の用だ。」
「実は今日の夜、漏瑚に襲って欲しい人がいるんだよね。」
「襲って欲しい人だと…?殺すのか。」
「いや、殺せないけど殺す気で。」
「どういう事だ、もっと詳しく説明しろ。」
漏瑚に今夜夜蛾学長と会う予定の料亭の場所と、悟が途中で通るルートを説明した。私も傑も任務先から直接料亭に向かう予定だ。パパ黒はどうせ子供達の鍛錬を途中で放棄してパチ屋にでも行くだろうし、学長は原作だと悟より先に料亭についていた。悟はゆじたんに映画鑑賞を指示した後、高専から伊地知の運転であの山道を通る。漏瑚にはその山道で悟を殺されない程度に襲撃して欲しい、と伝える。
「私はその場に立ち会えないから、何かあったら花御が手助けしてあげて。真人と陀艮ちゃんはお留守番ね。」
「(何のために五条悟を襲撃するのですか。)」
「新たな脅威が迫ってる、って警戒させたい…的な?先の計画の為に必要なことだから、気を抜かないでね。ああそれと、私も毎回ここに来れるわけじゃないから、近い内に何かしらの連絡手段を考えようと思うんだけど、いいよね?」
「俺はいいよ。でも理玖が来てくれる方が嬉しいけどね。」
「私も皆に会いに来たいところだけど、これから高専の方が色々と忙しくなるからさ。…っと、そろそろ戻らないとヤバいから、行くね。漏瑚、花御、頼んだよ。」
「待て理玖、儂は宿儺の指何本分の強さだ?」
「ん〜、甘く見積もって、8、9本分ってとこかな。」
「充分、五条悟は儂が殺す。」
「だから殺しちゃダメなんだってば。それと、何があっても私との関係は言わない事。じゃあね。」
急いで地上に戻ると、荒井さんが車を停めたコンビニに戻った。ちなみにおつかいはコンビニスイーツとスタダの新作、それから近くのパン屋さんで適当にパン買ってきて、だ。勿論お金は私持ちでね。車に戻って少しして、荒井さんが袋を手に車に戻ってきた。
「え、荒井さんなんで息切れしてんの?」
「はぁ、はぁ、スタダが、遠くて、走りました…っ、」
「なんかごめん。」
荒井さんにも買って来て貰ったパンやスイーツをお裾分けして任務へ。そういえば、百鬼夜行は起きてないから秤は停学になってないんだっけ…?最後に夢の中(?)で読んだのは17巻までだったし、3年生は2人いるみたいだけど…ちゃんと会った事ない気がするな…。存在したことになっている記憶ではエンカウントしてるみたいだけど、それだと好感度イベントは機能しないし…。ま、そのうち会えるかな。…あれ、でも交流会どうなるのこれ…。おっこちゅもいるし、2、3年生が交流会に出るのはマズい。秤と…星綺羅羅、だっけ、それとおっこちゅの3人にはちょっと出張任務にでも行ってもらうかな。
「到着です。」
「アイアイアサー。」
原作通りに事が運べばいいんだけど…。
「…あ、そっか、こういう時の冥さんじゃん。」
やっべぇ、危ねぇ、忘れる所だった!私が冥さんにおつかいを頼めばいいんじゃん!というか、冥さんのカラスに指示を書いた手紙なんかを運んで貰って、伝書鳩ならぬ伝書カラス!まあその分色々と冥さんの要望に応えることになりそうだけど…。任務はささっと終わらせて、学長たちと会う予定の料亭まで荒井さんに送ってもらった。予約していた座敷に案内されて中に入ると、悟以外は既に到着していた。伊地知もいる。ということは、現在進行形で悟が漏瑚に襲撃されてるってことだ。
「あれ、伊地知君、悟は?」
「それが、先に行けと言われまして…。」
「理玖は何か連絡は?」
「なんも来てないよ。傑たちも?」
「ああ。」
「先に始めても問題ないだろう。それで、高専じゃ話せない話とは何だ。」
夜蛾さんが話を切り出したので、私と傑は顔を見合わせた。パパ黒はお行儀悪い事に、畳の上で寝転がって欠伸をしながらお腹を掻いている。腹チラあざっす!
「実は、悠仁君のことです。」
「…ああ、報告書を確認した。」
「実はあの報告書には誤りがあります。」
「…どういう事だ。」
「虎杖悠仁は生きているんです。」
「あ?」
「待て、順を追って説明しろ理玖。」
「まず、彼が生きている事を知っているのは、ここにいる私、傑、伊地知君、甚爾様、学長、それから悟と硝子のみ。昨日1年生が英集少年院に派遣され、そこで虎杖悠仁が死亡したところまでは報告書通りです。今朝、私と悟、傑、伊地知君の4人で彼の解剖に立ち会う予定でした。ですが、突然悠仁君は起き上がり、宿儺によって取り出された心臓の傷も塞がっていた。」
「今虎杖悠仁は高専地下室に匿っています。私と理玖、悟の判断で、彼にはある程度の知識と実力を身に付けさせ、交流会までに復学させる予定です。」
「…そうか…。何故この事を俺達に話した。」
「甚爾様には私達3人が悠仁君につけない時、彼の鍛錬をお願いしたいからです。それから学長には念の為伝えておいた方が賢明だと判断したからお話しました。」
「理玖の一件以降、総監部は御三家のおかげで安定している。だが、保守派は虎杖悠仁の存在をよく思っていない。今回の特急呪霊相手に1年生派遣は、本来ならあり得ない。」
「またミカンが腐りだしたって事か?」
「その可能性があるね。」
「…ふむ、悟がツカモトを貸りに来たのは、そういう事だったのか。よし、俺に出来ることは何でも協力しよう。地下室には極力人が近寄らないようにしたがいいだろう。伏黒、オマエもこの件はくれぐれも他言無用で、きちんと協力するように。またギャンブルに出て仕事をサボるようであれば、減給だ。」
「そいつは困るな。おい、理玖。オマエが俺に給料を払え。」
「いや、ちゃんと働いてください甚爾様。」
それから30分程で悟が到着した。悟にはゆじたんの件を話したことを伝えると、ようやく全員揃ったからか料理が運ばれてきた。人の気配が遠のいて、悟が未登録の特急呪霊2体に襲われたと話し始める。私は何も知りませんよーって顔で話を聞いた。
「どんな呪霊だったんだい。」
「んー、なんか火山頭と目から枝みたいなのが生えた呪霊。徒党を組んでる可能性が高いね。あー、傑呼べばよかったか。まあでも、悠仁に領域展開について教えるいい機会だったからいっか。」
「え、悟領域展開したの?」
「うん。ん、そうそう、一応似顔絵描いといた。」
そう言って悟はポケットから折り畳まれた紙を取り出して広げた。おお、生五条イラスト…!いやホント、ちゃんと特徴掴んでる。ていうか可愛いなこの似顔絵、欲しい…。
「一応、学生を含めた全術師に似顔絵だけでも共有した方が良さそうだね。」
「ああ。特急呪霊となれば是非とも欲しい、見かけたら私に連絡するように伝えてくれるかい、伊地知。」
「は、はい!」
「けどアイツ等…というか、この目が木の呪霊は気配を消すのが上手くてね、どちらかというと精霊に近いんじゃないかと思ってる。」
「うむ、高専の警戒も強化した方が良さそうだな。」
その後、交流会の打ち合わせに入った。去年はおっこちゅと里香ちゃんがいた事で圧勝したし、今回はゆじたんの復帰の事もある。
「提案なんですけど、」
「なんだ、理玖。」
「今年は、3年生の秤、星、2年生の乙骨、この3人は交流会メンバーから除外しませんか?」
「はぁ?なんで?」
「1年生は今回の英集少年院の件で士気が上がってると思う。それに、保守派筆頭である楽巌寺学長がさ、悠仁君が実は生きてましたー!ってお披露目した時の顔見たくない?」
「フフッ、いいねそれ。」
「クックッ、おじいちゃんビックリして心臓止まっちゃうんじゃない?」
「理玖、傑、悟、楽巌寺学長に失礼だぞ。」
「でもさぁ、学長。悠仁が生きてた事をお披露目する機会、他にないと思いますよ。」
「3年の実力も、乙骨の実力も、京都校は把握済みだしね。」
「そういう事。また今年も団体戦で憂太君と里香ちゃんが純愛ビームかましてすぐに終わったら、交流会の意味ないですし。」
「…うむ、」
「いいじゃねぇか、1年のガキどもが成長したってんなら、いい機会だ。出してやれよ。」
「甚爾様が珍しくまともな意見を…。」
「喧嘩売ってんのか、理玖。高く買うぜ。」
「失敬、失敬!」
「どうです、学長。」
「…ならば、交流会当日は秤、星、乙骨には地方任務に当てる。」
よっしゃ!計画通り…!
「理玖、これもオマエの秘密と関りがあるんだろう。」
「言えないっすね。」
「全く…。」
これで交流会は原作通りのメンバーで参加になった。よしよし、いい感じだぞぉ!あ、あとは順平の件もそろそろ真人に動いて貰わないとだ。
「交流会まで忙しくなるねぇ…。」
「そういやおじいちゃんが来るのいつだっけ?」
「明後日です。」
「付き添いで生徒も数人来るんだったよね。」
あ、東堂と真依と三輪ちゃんが来るんだった…!よし、東堂にこの前の高田ちゃんとのツーショット自慢しよーっと!
「そういえば私達の交流会の時さ、団体戦覚えてる?」
「ああ、理玖が開始直後に呪霊を全部祓ってたね。」
「んでその後呼び出しでしょ?何のために呪力登録したんだよって愚痴ってたよね。」
「あの時の楽巌寺学長の顔、超見物だったから!多分悠仁君お披露目した時の顔も最っ高に笑えるよ!」
「オマエ達…、」
「いいじゃねぇか、年寄りからかうのは最高に楽しいからな。」
「オマエまでなんてことを言うんだ。」