ドキドキ☆デコ割れそう!


ついに!とうとうこの日が来ましたよ!?パパ黒との秘密の特訓の時が!約束の土曜日、午後16時!お父さんとお母さんには事前に説明して、19時までには必ず帰る事を約束した。家の前でパパ黒が来るのを待っていると、遠くから歩いてくる黒いTシャツ姿のパパ黒を発見!もう、かっこよき…!マジラブ☆パパ黒に向けて手を振りながら駆け寄る。

「甚爾様ー!」
「よォ、来てやったぞマセガキ。」
「うぅ、今日も素敵…!」
「ハッ、そうかよ。着いて来い。」
「はい!どこまでもお供します!」

パパ黒について行くと、黒い車が停まっていた。そしてその運転席に座っているのは…おやおやおやおや?

「この男は孔時雨。理玖を一目見てぇとうっせーから連れてきた。あと移動用の足。」
「初めまして、廻神理玖です!」
「孔時雨だ。よろしく、理玖ちゃん。実物はえげつない可愛さだな。」
「実物?」
「いやぁ、呪詛師御用達の掲示板にね、理玖ちゃんの写真が載ってるんだ。」
「え、いつの写真ですか!?どこで撮られたんだろ…!」
「君が一人で登校中の写真かな。黄色い帽子を振り回してた。」
「…あ、あの時か…。やだ…もっといい写真にして欲しいんですけど!」
「いいからさっさと乗れ。移動すんぞ。」
「はぁい!…で、どこに移動するんですか?」
「広いところだよ。人目につかないね。」
「へー?」

そう言って連れて来られたのは…ここ、先週の倉庫じゃん!マジかよ、ここで特訓すんの!?あ、流石にあの呪詛師の死体は片付けられてるみたいだ。…血溜まりの痕はあるけど。そう言えば孔にも好感度イベントの選択が出たな。そんなに主要人物ってイメージじゃないけど、やっぱり作品に関係する人物だからってこと?パパ黒の時もそうだし、まだ出会ってないけど夏油が高専を離反した時も、孔が出てたし…。それにしても孔の好感度が既に45%なんだけど、なんで?

「じゃ、俺は時間になったら戻って来るから、あとは二人でよろしく。理玖ちゃん頑張ってね。」
「はーい!孔さん、ありがとうございます!」
「お礼はもう少し大きくなったらデートしてよ。」
「はぁい!」
「あ、いいんだ。可愛いな、全く。」

あ、50%になった。…もしやコイツ、ロリコンか?そんな情報知らんぞ!?それとも単に子供好きなのかな…?

「おい、始めるぞ。」
「よろしくお願いします、甚爾様!」
「…じゃ、まずはこれ使ってみろ。」
「…果物ナイフ?」
「それで俺に向かって来い。」
「え!?本物ですよね?怪我しませんか?」
「心配すんな、偽もんだ。」
「じゃ、じゃあ…失礼して…。」

パパ黒から果物ナイフを受け取って、軽く握ってみる。こんなのりんご切ったりする時以外で使った事ないんですけど…。どうすりゃいいの…?

「まずは体の力を抜け。膝を柔らかくしろ。」
「は、はい…!」

パパ黒のナイフ講座が始まった。ナイフでパパ黒に斬りかかるよう言われたけど、ちょっと怖い。いや、パパ黒が怪我するとか思っちゃいないけど、人を傷つけるのが怖い。だって、呪術師になったら呪霊だけじゃなくて、呪詛師とも戦う訳であって、それってつまり、結果的には殺す選択もあるってことで、セレクトして殺すのと自分の手で手を下すのとでは、やっぱり重みが違うわけで、

「オイ、さっさと来ねーとこっちから行くぞ。」
「った!」

私がナイフ片手に固まっていたからか、パパ黒は私のおでこにデコピンした。ただのデコピンなのに結構な衝撃!ビックリした、頭吹っ飛ぶかと思った…!ダメだ私、せっかくパパ黒が呪具の使い方教えてくれるんだから、ちゃんと吸収して今後に生かさないと!

「実戦でボーっとしてたら死んでんぞ。」
「あ、は、はい!すみません!」
「獲物が短いもんは逆手に持て。力が入りやすい。」
「こ、こう?」

言われてみれば天逆鉾使ってる時パパ黒は殆ど逆手に持ってたな…。…お、確かになんかしっくりくる!パパ黒が私の背後に回ると、後ろから私の手を掴んで、動かし方を教えてくれた。やだぁ、おてて掴まれちゃったぁ…!って照れてる場合じゃない。本当はココロオドル状態だけど、パパ黒が教えてくれるんだから真面目にやんなきゃ!それからみっちりとパパ黒に手取り足取り教えてもらった。今度は腰取りまでお願いします!って言ったらどんな顔するかな!?流石にドン引きされそうだなぁ、ぐへへ!腰取りまでしてくんねぇかな!

「何ニヤけてんだ。」
「えへ、えへへ、甚爾様に沢山触れられて嬉しかったんです!」
「へー。」
「もう、つれないなぁ!」

でもなんだかんだ好感度が30%まで上がってる。もう、パパ黒もツンデレか?!それともツンツンツンデレくらいか?!やだぁ大好物なんですけど…!倉庫を出ると孔が車の前で煙草を吸っていた。私たちに気付くと煙草を地面に押し付けて火を消す。

「理玖ちゃんお疲れ様。どうだった、秘密の特訓は?」
「甚爾様に手取り足取り腰取り教えて貰いました…!」
「こし…って、」
「コイツの話は鵜呑みにすんな。」
「お、おう…?」
「甚爾様、今日はありがとうございました!またお礼の数が増えましたね!」
「…気が向いたら貰ってやる。」
「はい!私に出来ることなら何でも!孔さんも今日は運転ありがとうございます!」
「俺への礼はデートね?」
「はーい!」

車に乗り込んで家の前まで送ってもらった。車を降りる直前に、パパ黒のほっぺにちゅーをしてやった。パパ黒も孔も目を見開いていたけど、私は持ち前のかんわいい笑顔でパパ黒に手を振った。ついでだから孔にもちゅーしてやろうかと思ったけど、パパ黒が後部座席からすんごい怖い顔で私を見てたからやめておいた。なんだなんだ、嫉妬か!?え、やだぁ私の事絶対好きじゃん…!?結婚する!?ちゃっかり高感度も32%になってるし!あざまーす!ごちです!

「ったく、クソガキ。」
「甚爾様、また来週もよろしくお願いします!孔さん、送ってくれてありがとうございました!」
「おう、また来週な。」

二人に手を振って家に入る。お母さんが私を出迎えてくれた。お母さんにもお父さんにも、特訓の話はしてるけど、誰と、とまでは言っていないから、誰となの?大丈夫なの?と行く前にめちゃくちゃ心配されたな。絶対パパ黒が相手だなんて言わないけど。お風呂に入って、ご飯を食べている途中でお父さんが帰ってきた。お父さんの手には見知った紙袋。…これはもしや!?

「携帯電話!」
「昨日みたいなことがあったらと思うと心配で…。使い方は父さんが教えるから、」
「あ、大丈夫、分かるよ!」
「え、分かるの!?」

携帯電話って言っても、今は90年代だから…PHSっていうんだっけ?あれ?この頃から携帯呼びだっけ?ま、そんなことはどうでもいいか。早速電源を入れて家の番号と、両親の携帯番号、悟の家の電話番号を登録した。来週はパパ黒にも番号聞かねば…!孔にも聞いておこーっと!カチカチとボタンを押しながら電話番号を登録していく私を見て、お父さんが目をぱちくりさせていた。

「神の子ってここまで賢いのか…。」

ごめん、それは前世のおかげ!



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