モテる女は辛いよ


「お邪魔しマンボ〜!」

メカ丸が送って来た住所はあのダムだ。人気のないダムのある山まで上って、原作で見た通りの大きな部屋の中央で浴槽に浸かった与と、その周りには太さの異なるたくさんの管。

「状況説明、いる?」
「いや、大丈夫だ。」
「そ?じゃあ早速本題ね。真人と花御は傑に取り込ませたんだけど、花御が京都校のメンバーを襲ったことに変わりない。」
「俺との縛りを真人が破ったことになる。」
「そういうこと。そんで、今真人は傑の使役する呪霊になっちゃったわけだけど、どうする?真人に体を治してもらうにしても、与君が真人と繋がってたことを喋らないとは限らない。傑は私が口止めすれば問題ないと思うけど、警戒はされると思う。」
「……。」
「まあ、私が与君に協力を仰いだって事にすればお咎めも警戒もされないと思う。それか私の術式で与君の体を治してあげるっていう手もあるよ。縛りは真人側が破ったわけだから、ペナルティを受けるのは真人や花御だし。」
「だが、夏油傑が取り込んだ以上、夏油傑自身にもペナルティの影響が出ないとは限らない。」
「まあ、そうだね。じゃあどうする?傑には話す?それとも私の術式で治す?」
「……廻神理玖の術式で治したとして、ペナルティは残ったままだ。」
「うーん、どうだろう。ちょっと確認してみようか。」
「確認?」

セレクト。

【あなたは迷っています。選択してください。選択すると呪力を200消費します。(残り呪力:280)】
【1.与幸吉と真人の縛りをなかったことにする 2.与幸吉と真人の縛りをリセットする 3.なにもしない】

リセットってなんだ??なかったことにっていうのはそのまんまの意味だよね?リセットって事は縛りを結んだ状態に戻すってこと?いや、意味ないじゃん。

「私の術式で与君と真人が結んだ縛りをなかったことにはできるよ。だからペナルティも発生しないと思う。」
「…俺の体も本当に治せるのか。」
「私を誰だと思ってるの?できるに決まってるでしょ!」

多分だけど!

「でも私の術式、呪力消費が激しいから日を分けてやることになるよ。今日はとりあえず縛りをなかったことにするだけ。呪力が回復したら次は与君の体を治してあげる。オッケー?」
「…ああ。」
「それじゃあ早速、1番。」
「1番…?」

【1.与幸吉と真人の縛りをなかったことにする を選択しました。呪力を200消費しました。(残り呪力:80)】

「これで縛りは最初から結んでないことになった。真人もペナルティは受けなくていいから、傑にも影響はないと思う。」
「……どうして、そこまでするんだ。」
「どうしてって言われても、なんて説明したらいいのかな。うーん、私の手の届く範囲で…私の好きな人達が幸せになって欲しいから…?」

与幸吉が呪霊と手を組んでまで、自分の肉体で皆に会いたいと思うくらい京都校の皆を大事に想っていたのはよく分かる。それに彼だってまだ高校生の子供だ。

「青春を楽しみなよ、若人。」
「……青春、か。」
「それじゃあ、また明日ここに顔を出すよ。体が治ったら真っ先に京都の皆に会いに行ってあげてよ、皆絶対喜ぶから。」

特に三輪ちゃんがね…!




「はぁ〜、疲れた!」

高専に戻ってきた私は談話室のソファにどかりと体を預けた。交流会2日目の野球は大いに盛り上がった事だろう。私が高専に戻った頃にはもう京都校の皆は帰った後だった。スマホを見たら、京都校とのグループトークにめちゃくちゃメッセージが来ていて笑っちゃったね。特に三輪ちゃんと真依からはまた会いたいって熱烈なメッセージが来てた。明日は起きたら朝一で与幸吉の体を治して、来週はもう一度漏瑚の所に顔を出す…それから…やり残したことと言えばなんだろう…?八十八橋で指を回収する事と、漏瑚の元にある宿儺の指を全部取り返す事。ゆじたんに指を飲ませるべきか…それとも指はまた忌庫に置いておくべきか。1日1本くらいのペースなら事変の時みたいに宿儺が出てきて街をめちゃくちゃに…なんてことはないと思うけど…。

「ん〜〜、どうしようかなぁ…。」

好感度イベントもやり残しがあるし、殆ど皆反転したまんまだし…九相図トリオを高専側に引き入れて、漏瑚と陀艮を傑に取り込ませたらあとは皆の好感度イベントに集中できるかなぁ…?羂索がいないから渋谷事変が起こる可能性はないに等しいけど、そうなると本当に私の全く知らない未来が来るわけで…なにが起こるか分かったもんじゃない。平和な日常が戻って来るといいけどなぁ…。組屋鞣造の処罰についても私が口出ししないと、組屋が殺されたら強い呪具も手に入らないかもしれないし…。あれ、意外とやること残ってる?

「まあいいや、とりあえず寝よう…。」

欠伸を噛み殺しながら自分の寮の部屋に戻ると、すぐに寝支度を済ませた。寝る前に確認した残り呪力は206。試しにセレクトしてみるか…?セレクト。

【あなたは与幸吉の体を治したいと思っています。選択してください。選択すると呪力を200消費します。(残り呪力:206)】
【1.与幸吉の体を治す 2.与幸吉の体を治さない 3.なにもしない】

「お、できるじゃん。1番1択でしょ。」

【1.与幸吉の体を治す を選択しました。呪力を200消費しました。(残り呪力:6)】

【与幸吉との親密度が100%になりました。選択してください。この選択には呪力を消費しません。また、この選択は親密度が100%の相手には何度でも選択できます。(残り呪力:6)】
【1.好きだと伝える 2.友達だと伝える 3.付き合いたいと伝える 4.なにもしない】

え、今?今から寝ようとしてる時に?しかも遠隔で?!4番でしょそりゃ…与幸吉は三輪ちゃんと幸せになってもろて…。おやすみ…。

【4.なにもしない を選択しました。この選択には呪力を消費しません。(残り呪力:6)】




「おはよう諸君!」

翌朝、教員室に顔を出すと悟と傑と日下部先生がいた。そういえば日下部先生の好感度全然上げてなかった気がする。チラッと頭上に視線を向ければ40%と書かれている。どうやって上げようかなぁ…三銃士が近くにいる時は厳しいんだよなぁ…。

「理玖おはよ。」
「おはよう、理玖。」
「よう。」
「昨日の野球どうだった?どっちが勝った?」
「悠仁がホームラン打って東京校の勝ち!」
「2対0でね。」
「おお!流石だね!」
「そっちはどう?盗られた宿儺の指は回収できそう?」
「うん、来週には片付くといいなって感じ。」
「来週?」
「おい、そろそろ授業だぞ。オマエ達も教室行け。」
「日下部っち意外と真面目!」
「授業だるいって顔してるのにねぇ〜?」
「ねぇ〜?」

教員室を出てぞろぞろと教室へ向かう。あれ、今日の授業は私で、悟と傑は任務のハズなんだけどなぁ、なんで教室ついて来てるの?

「悟と傑は任務じゃないの?」
「暫くは順平に色々教えないとでしょ?」
「それはそうだけど…、え、2人が順平君についてくれるってこと?」
「「そういうこと。」」

ふーん…?珍しい、どうしたんだろう…。でも順平の好感度もまだ100%じゃないからなぁ…、なんとかしないと。

「ん?」

もしかしてだけど、順平と私を接触させたくないとか思ってない?立ち止まってジーッと2人の顔を交互に見上げる。日下部っちはスタスタと先に行ってしまった。立ち止まった私に気付いて2人も足を止めてにっこり笑ってるけど、なんか隠してる顔だなぁ…長年悟と傑と過ごしてきた私の勘が何か隠していると告げている。こういう時は…使うか、久し振りに!スピーカーON!

【五条悟と夏油傑のスピーカーをONにしました。】

「なにか隠してるでしょ。」
「なにも隠してないよ?(え、なんでわかったわけ?!もしかして理玖から順平を遠ざけようとしてるってバレた…?いやまさかぁ〜!)」
「そうだよ、私達が理玖に隠し事なんてするわけないだろう?(相手がいくら生徒とはいえ、これ以上私の理玖に近付く男は排除しないといけないからね。)」
「ははーん、生徒相手にヤキモチ妬いてるわけね。順平君に私に近付くなとでも釘刺すつもり?」
「「ギクッ!」」
「器が小さい男はモテないよ?」
「違うよ理玖、傑がそう言ってた。僕はそんなこと言ってない!(傑に濡れ衣着せちゃお。)」
「違うんだ理玖、私は悟に言われたんだ。私は止めたんだよ?(悟に濡れ衣気を着せてしまおう。)」
「どうせ2人して同じこと言ったんでしょ。大人げないなぁ、もう…。」
「「理玖〜!(くぅ〜ん…)」」

でっかい犬が2匹いるわ…。私の体をサンドするようにぎゅむぎゅむと抱きついてくる大型犬2匹。あ、これヤバい、骨が折れそう!!骨がミシミシいってるんだけど!?

「ま…っ、じぬぅ…、はなせぇ…、」
「僕を置いて死ぬなんて許さないよ!」
「私を置いて死んだら呪ってしまうよ!」
「ふおんすぎる…、てか、マジではなして…、へるぷぅ…、」
「悟、理玖が苦しがってるだろう!?早く離すんだ!」
「ヤだね!傑が離してよ、僕が理玖を抱き締めるの!」

ちょ、私を挟んで喧嘩するな…!!もう!使いたくなかったのに…!セレクト!

【あなたは困っています。選択してください。選択すると呪力を50消費します。(残り呪力:280)】
【1.五条悟と夏油傑を引き剥がす 2.五条悟を引き剝がす 3.夏油傑を引き剝がす 4.なにもしない】

1!!

【1.五条悟と夏油傑を引き剥がす を選択しました。呪力を50消費しました。(残り呪力:230)】

突然悟と傑の体が私の体からべりべりっと離れて廊下の壁にめり込んだ。え、そんなに強く引き剥がすの?!2人ともめっちゃ宇宙猫みたいな顔してるんだけど、笑うわ。なんかごめんね!?

「え、僕に術式使った?ねえ、使ったよね?」
「悟にならまだしも、私に術式を使うなんて…、」
「ごめんって!でもこちとら死ぬかと思ったんですけど?!私もう教室行くから!」

スピーカーをOFFにして、壁にめり込んだ2人を置いて教室に向かう。ドアを開けてすぐ、目の前の光景に頭を抱える事になるとは…。

「いいか、理玖は俺の女だ。覚えとけ。」
「ひ、ひぃ…!?」
「おいクソ親父、ふざけんな!理玖さんは俺のだ。」
「ちょい待ち!理玖姉は俺の理玖姉だから!!」
「アンタたちいい加減にしなさいよ!理玖さんは私の理玖さんよ!」
「うん、皆落ち着こうか?とりあえず順平君怖がってるから。あと甚爾様、子供相手に大人げないからマジでやめて。」

うん、皆して私のこと大好きすぎんか?いや、嬉しいけどね!ありがとう!!



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