渋谷事変?�D


理玖が悟に捕まって、手錠解除の条件をグループトークに投げてきた時、私は持っていたスマホを握り潰すかと思った。すぐに人目につかない路地からビルの屋上に向かおうとしたところで、一緒に行動していた美々子と菜々子は不安そうに私の名前を呼ぶ。美々子も菜々子も理玖を本当の母親、もしくは姉のように慕っている。手錠だって、普段から理玖と過ごす時間がもっと欲しいと言いつつも、「夏油様と理玖様の為に使いたい」からと、私と共に行動していた。

「五条悟に理玖様とられちゃった…、」
「夏油様……、」
「大丈夫、私がなんとかするよ。2人はゆっくり戻っておいで、この前クレープを食べたいと言っていただろう?それに、子供が見るようなものではないからね…寧ろ見ない方がいい。」
「「……はい、」」

美々子と菜々子と別れ、悟のメッセージに書かれていた通り高専の医務室まで虹龍で飛び帰った。同じタイミングで戻ってきたらしい伏黒さんと乙骨と合流。

「条件解除は出来ねぇのか。」

私を見るなりそう言った伏黒さんに、私は無理だと伝えた。あの手錠に使われた呪符は悟が作った物だ。『如何なる条件でも発動するが、必ず条件を満たさなければ解除できない』という縛りが結ばれた呪符。それを貼った物も同様に、同じ縛りが結ばれる。ルール説明時に私が理玖に「理玖から私にキスをしてくれたら、外してあげる」と言って、理玖が私の手の甲にキスをしただけで解除されたのはそういうことだ。あの縛りは『如何なる条件でも』という所に罠がある。「理玖から私にキス」で外れることを条件にした場合、『理玖から、私(のどこ)に(どんな状態でも)キスをしてくれたら』外れるようになっている。それに比べ、悟が理玖に出した条件は『悟と理玖の公開セックス』だ。場所は医務室、見たい人は見ろ、というメッセージの内容にも気を配らなければならない。本当に悟と理玖の公開セックスだけで手錠が外れるのか分からない。悟のことだ、きっと他にも条件を付けた上で私達にはその条件の��一部�≠オか伝えていない可能性もある。『見たい人』の中に誰かを指定してる可能性もあるし、逆にその指定した誰かに見られたら外れないような条件を付けている可能性だってある。『理玖に好意を持った男に見られながらセックスしないと外れない』とか『理玖に好意を持った男以外に見られながらセックスしないと外れない』とかね。手錠が外れる条件を言葉に出して使わなければいけないのは、『如何なる条件』の曖昧さを、可能な限り明確にするためだ。

「伏黒さんが持ってる天逆鉾や、夏油先生が預かってる黒縄も使えないんですか?」
「無理だね。縛りを設けている以上、無理矢理にでもそれを破った者にペナルティが科せられる。それに、あの呪符を使っている者も条件を満たせなければペナルティの対象に含まれるから、理玖にまで危害が及んでしまう。」
「「……、」」
「私達は2人が条件を満たすまで待つしかないってことさ。」

2人の苛立ちは目に見えて分かった。何故なら私も同じ気持ちだからだ。医務室のドアの前に立つと、それぞれがその苛立ちをぶつけるように医務室のドアを殴った。医務室のドアだけでなく中の備品や壁などが壊れた気もするが、それはまあ後でどうとでもなるだろう。今日は補助監督同様、私達以外の術師達も1日休暇状態だ。医務室に運ばれる人はないに等しい。瓦礫と共に舞った砂埃が晴れた先には、医務室のベッドで理玖を押し倒していた悟の姿。遅れて医務室に駆け付けたのは参加していた他の男性陣。女性陣はパンダと一緒にいるらしい。悟は理玖を後ろから抱き締めて私達を挑発した。悟に舐められ弄られてよがる理玖の姿を見せつけられるなんて、かなりの屈辱だ。相手が親友である悟だからこそ余計にね。私達は小1の頃から3人で過ごしてきた。私だって理玖のことを昔から知っているし、私だけしか知らない理玖の味だって知ってる。

「理玖、愛してるよ、早く僕を選んで?」

やめろ、悟。

「…あ、あっ、悟…愛してる…ッ♡」

応えないでくれ、理玖。

「僕だけの理玖でいて、」
「んぅッ♡ダメッ♡できないっ、あっ、ああっ、またイくッ♡ダメダメダメダメぇッ♡」

理玖が悟の問いに「できない」と返したことに少しだけホッとしたけど、悟のことだ…。イかせて欲しかったらとか、挿れて欲しかったら、自分を選ぶように誘導する可能性もある。何故なら私だったらそうするからだ。…いや、私達だけに限らず、ここにいる全員がそうするだろうね。皆それだけ理玖を愛しているし、自分だけの理玖でいて欲しいと願っているのだから。悟の腕の中でビクビクと体を震わせて果てた理玖に、私の下腹部は嫌でもはち切れそうなほど反応してしまっている。これも私だけじゃないだろう。悟は理玖の胸を後ろから揉みしだきながら、彼女の耳元でまた意地悪くなにかを囁いた。理玖がそれを聞いてハッとした顔で悟を見上げ、イヤイヤと首を左右に振っている。私には悟が囁いた内容が聞こえなかったが、隣に立っていた伏黒さんが舌打ちしたので、私達にマウントを取るようななにかをするように言ったんだろう。

「やっ、ホントにダメっ、選べないからッ、」
「え〜、じゃあずっとこのままだけど、いいの?」
「ゃ、ホントに選べないの、私にもどうなるか分からないから…っ、」

どうやら悟は、自分を選ばないと続きをしない、というようなことを囁いたらしい。理玖の術式について私達が分かっていることは、理玖以外が彼女の術式についてを知ることができないということ。それを縛りに、彼女の術式はなんでもできると思われている。私も彼女の術式に何度も救われたし、ここに居る皆も似たようなものだろう。悟はそれすら分かっていながら理玖に無茶を言っているらしい。悟が選ばれれば、選ばなかった私達はどうなる……。理玖を想い続けることに変わりはないが、誰かのモノになった理玖に対してではなく、その相手に向けてどす黒い感情を抱えることになるだろう。その相手がたった一人の親友であろうと…。

「しょうがないなぁ〜、分かったよ。じゃあ自分で下脱いで、僕の顔に跨って。」
「ん…ッ、ふ、ん、分かった…、」

悟は理玖を開放すると、ベッドに仰向けに寝転がった。ぐすぐすと鼻を啜りながら、手錠で両手を拘束された理玖が自らショーツを脱ぐと、悟の顔に跨る。悟は理玖の顔が私達に向くように狙って寝転がったのがまた癪だった。短くてタイトな囚人服のスカートを捲り上げ、理玖の腰を掴んで引き寄せた悟。

「ひあっ♡ああぁ、あっ、悟ダメっ♡」

理玖の口から漏れる嬌声も、彼女が呼ぶ名前も、相手が自分ではなく悟なのが悔しくてたまらない。私だって理玖の好い所は知り尽くしているし、ここに居る誰にも負けない程理玖を愛しているというのに、彼女の呼ぶ相手が自分じゃないのが悔しい。

「やぁッ、あッ♡吸っちゃダメっ、吸わないでぇッ♡それイヤッああっすぐイっちゃッ、ぁああッ♡」

快感にぎゅうっと目を瞑って、悟の顔に割れ目を押し付けるようにビクビクと体を震わせる理玖。それをイヤでも見なくてはいけない状況に腹が立つ。悟が終わったら次は私が理玖を抱いて、悟が植え付けた快感を私で上書きしてやる。

「あぁ、あっ、またキちゃうッ♡悟ダメッ♡イくッ♡ホントにダメぇッ♡」
「理玖さん…、」
「あ、ぁっ、ヤダぁ、見ないでっ、皆見ちゃダメっ、んあぁ〜〜ッ♡」

乙骨が理玖の名前を呼んだことで、理玖はハッとした顔で私達を見た。見ないで、と言われても見ていなければ手錠は外れない状況なのが腹立たしい。悟はわざと私達に理玖がイく所を見せつけている。ぢゅるぢゅると割れ目やクリトリスを吸っているらしい音と、理玖がイヤと言いつつも我慢できずに上がる声を聞かされながら、私は握った拳がギチギチと軋むのを感じた。

「待ってぇ、ダメっ、ホントにダメっ、今ダメッぁあッやぁッ♡んぅ〜〜ッ♡ダメぇえッ♡あ゛ッ、出るっ、悟ダメっでちゃうからぁッ♡」
「いいよ、全部飲んであげる♡」
「やらぁッああぁ〜〜ッ♡」

またしてもビクビクと体を震わせて果てた理玖。悟が噴き出た潮を啜っているらしい水音。ベッドの手すりに掴まってはあはあと息を荒げた理玖が、泣きながら私達に助けを求める視線を向けた。…助けたいのは山々だ。でも私達にはなにもできない。手錠を外す条件以前に、悟は理玖以外を拒むように、ずっと無下限の内側にいる。

「理玖…、」
「んぅう…ッ、ぐすっ、はぁ、はっ、あっ、ああッ、」

泣きながら私を見つめた理玖が、ビクリと肩を弾ませて目を見開いた。そしてまたぢゅるぢゅると啜るような水音と、理玖の啼き声が上がる。

「んんぅ〜〜〜ッ♡ぁあッ♡あっ、さとるッ、またイっちゃ、イくッ♡イくイくイくッぃああ゛ッ♡」

手すりを掴んだまま前のめるように逃げようとした理玖に、悟は彼女の腰を一層強く引き寄せた。理玖がぽろぽろと涙を流しながらイく顔を見て、パンツの中が濡れる不快感に眉を顰める。こんな状況でも体は勝手に興奮してしまう男の性に腹が立つな、全く…。悟はようやく理玖をベッドに下ろすと、濡れた口元をぺろりと舐め取り、私達にしたり顔を見せた。

「休むのはまだ早いよ、理玖。」

ベッドにへたり込む理玖を引っ張り起こした悟は、理玖にキスをしながら彼女の体を自分の膝に跨らせた。

「まだちんこ挿れてないのに、いっぱいイっちゃったねぇ♡」
「は、ふっ、はぁ、んっ、らって…っ、ン、」
「ほら理玖、皆見ててくれてるんだから、最後まで頑張って♡」



← 225 →
back

top