指切りげんまん、あなたとわたし


マジでゲロかわいい。ショタ五条もそうだけどさ、ショタ夏油もガチで可愛い。いやもう、はぁ…なんか…もう…、ね?わかる?この気持ち?私よくキスだけで我慢できるな!?褒めて!?私も小1で良かったな!?いやだってマジで私が小1じゃなかったら会った奴ら全員抱いてるもん…。マジで。ショタ夏油もなんだかんだで好感度上がるの早くて、まだ初心で可愛いなって思ってたら悟の話してから積極的になるし。マジで、キレていいですか?可愛すぎてキレていいですか!?傑の頭上でまた好感度が上がった。もう48%まで上がってる!

「…実は、この先に祠があるんだけど、そこに封印されている呪霊に興味があるんだ。良かったら、一緒に行ってみないか?」

傑に手を引かれながら考える。祠って、さっきおばあちゃんが言ってたやつ?…てことは、ここ家の裏山?

「…この先?…そう言えば、おばあちゃんに近付いちゃダメって言われた。」
「…そっか。ではやめておこう。」
「傑はその呪霊を取り込む気なの?」
「…階級にあまり差がなければ、すぐに取り込めるよ。」
「…行ってみる?私も祓わずともダメージくらいなら与えられるといいけど、」
「大丈夫、私がすべてうまくやるよ。」

いやいや、そういう問題じゃなくて。夏油に何かあったら、私マジ発狂しちゃうから!ちょっと待て今確認するから!絶対怪我させないからね!?セレクト!

【???が封印されています。選択してください。選択すると呪力を60消費します。(残り呪力:26)】
【1.封印を解く 2.正体を暴く 3.祓う 4.動きを止める 5.ダメージを与える 6.なにもしない】

うわマジか、呪力足りないじゃん。そう言えばさっき40も呪力使ったからな…。どうしよう。夏油には祓えるけど呪力切れでぶっ倒れる事を伝えた。でも夏油が取り込みたいって言うから、ダメージを与える選択をしてもいいけど、どのくらいのダメージを与えられるか分からないし、ダメージを与えたが故に危険な事が起きる可能性もあるよね。…どうしよう。動きを止めて、その間に取り込んでもらう?

「ね、私が倒れたら、放置して逃げていいから!傑の命優先にしてね!?」
「それはその時考えるよ。」

いやいや、絶対私の事庇うつもりですやん!うわ、めっちゃ綺麗な湖!祠が湖の真ん中にあって、夏油が手持ちの呪霊を放つ。禍々しい呪力が湧き出てちょっとビビる。…やっぱこれヤバい奴じゃね?思わず夏油と繋いでいた手に力が入る。夏油も私の手を握り返した。…大丈夫かな、これ死なない?途端にザッパーンと湖の中から大きな龍が飛び出した。…あれ、ちょっと待って、これ、あれじゃない?!なんだっけ、ほら、夏油がパパ黒と戦ってた時に使ってた、…あ、あれだ!虹龍(こうりゅう)!そう、それだ!え、マジ!?こんなとこにいたの!?すっげ、マジもんの龍とか初めて見たわ、かっけぇ!セレクト!

【虹龍があなたと夏油傑を警戒しています。選択してください。選択すると呪力を60消費します。(残り呪力:26)】
【1.祓う 2.動きを止める 3.ダメージを与える 4.なにもしない】

虹龍が私と夏油に向かって飛び掛って来た。早っ!怖っ!これはもう2番に決まってるでしょう!

「傑、ごめん、危なくなったらちゃんと逃げてね。」
「理玖…?」

【2.動きを止める を選択しました。呪力を60消費しました。(残り呪力:-34)】
【あなたの残り呪力は-34です。呪力が回復するまでセレクトできません。これより呪力回復イベントに入ります。呪力が回復するまでイベントが続きます。また、残り呪力より多く呪力を消費したため、普段の回復よりも時間がかかります。】

夏油が私の名前を呼ぶ声を聞きながら、動かなくなった体に私は身を任せた。倒れるだけならまだしも、五感が封じられるのは厄介だよなあ。周りの状況分らないし。とりあえず、傑が―――、

【呪力回復まで残り5時間26分(残り呪力:-34)】





私が目を覚ましたのは、日が暮れかけた夕方だった。視界には【呪力:60】の文字。良かった、完全回復したから起きれたんだ。…傑は?!

「理玖!良かった、目を覚まさなかったらどうしようかと…、」
「傑…、怪我は?!大丈夫だった!?」
「あの龍が急に動きを止めたから、無事に取り込めたよ。怪我もない。理玖があの龍の動きを止めたのかい?」
「うん。良かった、傑に怪我がなくて…。」
「…理玖、私のせいで無茶をさせてしまったね。…すまない。」
「え、なんで謝るの?倒れると分かっててやったんだし、これは完全に私の自己責任だよ?」
「それでも、君が目を覚まさなかったらと思ってとても怖かったんだ…。」

そう言って傑が私を抱き締めた。…そっか、ごめんね傑。ビックリさせちゃったよね…。謝罪の意味も込めて、傑にキスをする。傑は困ったような顔で私を見たけど、やがて少し安心したように笑った。うん、傑は笑った顔が可愛いね。ずっと笑っていて欲しいよ。

「そういえば、ここどこ?」
「私の部屋だよ。理玖は暑さで気分が悪くなったって事で私の家に運んだんだ。」
「そっか、運んでくれてありがとう、傑。」
「私こそ、ありがとう。」
「ん?何に?」
「私のわがままに付き合ってくれて。」
「ふふ、当たり前じゃん!私と傑の仲だからね!」
「はは、そうか。」
「あ、そういえば、傑って携帯電話持ってる?」
「いや、持っていないよ。どうしてだい?」
「私の番号、教えておこうと思って!傑の家の番号、教えてくれる?」
「いいよ。」

お互いの番号を教え合って、私は夏油の家の電話番号を携帯に登録した。これで夏油との連絡手段もゲッチュ!時計を見れば既に18時を回っていて、私の携帯にはお母さんからの鬼電話が掛かっていた。…あとが怖いから見ないふりしてたけど。

「そろそろ帰る?」
「うん、帰らないとお母さんがめっちゃキレてる…。」
「…私も一緒に謝りに行くよ。」
「え、いいよいいよ!傑まで怒られちゃうから!」
「…もう少し一緒にいたいんだ。ダメかな…?」

…そんな可愛いこと言われたら頷くしかないじゃないですか?!何もうこの子!可愛すぎじゃん!?

「…ダメじゃない。」
「そうか、良かった。家まで送るよ。理玖が寝てる間に家に運んだんだから、道も分からないだろ?」
「…そういえばそうだった!じゃあお願いします!」

夏油と手を繋いで彼の家を出る。ちゃんと夏油の親にも挨拶したし、ご迷惑お掛けしましたーって言って出たからこっちは問題なし。問題はうちのお母さんだ。…あとおばあちゃん。行くなって言われてた祠に行ったし、なんなら封印されてた虹龍を傑に取り込ませちゃったし…。多分あれ家で代々封印してたとかそんなんじゃないかな…。やっべえええ絶対怒られるやつううう!!

「理玖、見てごらん。」
「ん?…わ、綺麗…!蛍だ…!」
「この辺りは水が綺麗だから、毎年蛍が見れるんだ。…明日もまた、一緒に見たい。」
「…うん、見よう!」
「…帰るまで毎日見れるかな…?」
「絶対見る!お母さんは私がなんとかする!」
「はは、頼もしいね。」
「それとさ、また来年も、その先も、ここに来た時は一緒に蛍見ようよ!傑が東京に来たらその時は蛍…はいるか分からないけど、夜景でもなんでも一緒に見よ!ね?約束!」

私が繋いだ手とは逆の手で小指を出す。夏油が数回瞬きした後、夏油もまた繋いでいた手とは逆の手で小指を出した。不格好な指切りの約束。…絶対破らないからね。

「指切りげんまん、嘘ついたら針千本のーます!」

離れる小指の熱にもどかしさを感じる。2人で田んぼのあぜ道を歩きながら、飛び交う蛍を眺めていた。

「傑、私、傑に出会えて本当に良かった。ありがとう。」
「私も理玖に出会えて嬉しいよ。こちらこそありがとう。」
「これからもよろしくね?」
「勿論だよ。」

ピコンと音がして、夏油の頭上で好感度が55%になっていた。



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