それからしばらくして、傑のお母さんが家に荷物を持って来た。軽く挨拶をして、傑のお母さんが帰ると、3人で縁側に座る。いやぁ、田舎はすることないと時間がゆっくりに感じるねぇ。げんこつ効果からか、2人は私を取り合って引っ張る事はやめたけど、私の影で時折睨み合うくらいまでには大人しくなった。…とは言えシャーシャー威嚇し合って、猫かお前たちは…。夕飯に呼ばれるまで、3人でお互いの事をもっと知り合おうと提案して、他愛も無い話をした。と言っても私を中心に話を振らないとすぐ喧嘩しようとするから、結構大変だった。
「悟、お風呂入ったら?」
「理玖は?」
「私と傑は悟が来る前に入った。」
「理玖と一緒にね。」
「は?聞いてないんだけど。」
「言っていないからね。」
「あーもう、すぐ喧嘩腰になるのやめなさいってば。」
「…理玖と一緒じゃなきゃ入らねぇ。」
「…言うと思った…。分かったから、もう1回入るよ。それでいい?」
「うん。」
「では私も入ろうかな。」
「オマエは来んな。」
「あーはいはい、めんどくさいからもう3人で入ろ。」
2人の手を引いて浴室へ向かう。全く、このショタ共は…。まぁでも、私を取り合う2人が可愛いから許す!
「俺の方がデカい。」
「私の方が大きいよ。」
「私を挟んでそういう会話やめてくんない?」
「おい理玖、俺の方がデカいだろ?!」
「私の方が大きいよね?」
「どっちも変わらん。」
2人は私を挟んでちんこのサイズを競っている。んなもんまだ6歳の体なんだから比較したところででしょうが!ていうか悟は私の顔にちんこ近付けんじゃない!
「おい、よく見ろって!」
「理玖、私のも見てくれるかい?」
「近い近い近い近い!」
傑も私にちんこを近付けてきた。なにこれ?!なにプレイなの?!ていうか、そういう会話はもっと成長してからしてくださいっての!!…あれ、それはそれで巻き込まれる私も結構恥ずかしくね!?うん、やっぱりやめて!?
「理玖、背中を流してあげるよ。」
「あ、じゃあおねがーい。」
「は?!それは俺がするし!傑は1人で洗ってろよ!」
「それは悟だろ。」
「はいはい、交代でね。」
…なんか私保護者みたいになってない?
「じゃあ傑は向こう向いて、私が先に洗ってあげるから、悟はその間に私の背中を洗って。その後交代して私が悟の背中を洗ってあげるから、その間に傑は私の背中を洗って。はい、これでいいね?」
「ああ、いいよ。」
「…フン。」
好感度を気にする暇がない…。あ、でも傑は95%になってる!悟は…2%しか回復してないな…。傑は東京に帰るまでにはなんとか100%になりそうだけど、問題は悟だ。グレーのハートってなんなんだろ。やっぱり嫉妬で好感度が反転してるんだよね?そしたらもし傑が100%になったとしても、傑もすぐに反転しそうで怖いんだけど…。
「はい、交代。」
「ありがとう、理玖。」
「どういたしまして。悟向こう向いてー。」
「ん。」
傑の好感度が100%になったら、悟がいても告白されたりするのかな?正直嬉しいけどさ、悟が絶対口を出すだろうし、穏やかではなさそうじゃない…?え、私本当に大丈夫?私、一体どうなっちゃうのぉ〜?って感じじゃない?!あー…心でも読めたらいいのになぁ!さすがに出来ないかなぁ?…ん?あれ、視界の隅に小さいスピーカーマークがある…。あれー…いつから?全然気付かなかったけど、なんだろコレ。…使ってみるか?
【スピーカーをONにしました。スピーカーは親密度が100%になった相手に使用できます。好感度が反転中の相手にも使用できます。】
【五条悟のスピーカーをONにしました。】
(理玖、好き。はぁ…。なんで傑と一緒に風呂入るんだよ。ありえねぇ。…でも好き。マジでちんこ使えるようになったらブチ犯す。)
…うん、えげつないの聞こえたね?!ブチ犯すって聞こえたね?!なにこれ、スピーカーONにしたら心の声聞こえちゃう感じか?!え、そんなチートみたいな事…あ、だから好感度100%じゃないと使えないのか!…傑は何も聞こえないもんな…。
(理玖、早く俺のになれよ。…俺の事1人にすんなよ。…はぁ…好き。)
「ぷ、」
「…なに?」
「あ、ごめん、なんでもない。」
悟の心の声が可愛すぎて思わず笑ってしまった。なにこの子、ホントかわいい。傑も早く100%にして心の声聞いてみちゃう?
「はい、おしまい!早くお風呂出てアイス食べよ!」
体を流して3人でバスタオルに包まりながら体を拭いた。その間も悟の心の声が聞こえたけど、ひとまずOFFにしておいた。なんかやっぱり盗み聞きは良くないし!…だ、断じて照れてる訳じゃない…!いや、結構これ恥ずかしいからね?!
「そういえばそろそろ蛍の時間じゃない?」
「ああ、そうだね。見に行くかい?」
「うん、行こう!」
「なんの時間?」
「蛍だよ!悟見たことある?」
「…ない。」
「傑、悟も一緒にいい?」
「ああ、いいよ。私は理玖がいればそれで。」
「じゃあ3人で行こう!」
靴を履いて家を出て、私を真ん中にして手を繋いで歩く。田んぼのあぜ道を歩きながら、昨日傑と通った蛍の見える小川に向かう。ちろちろと水の音が聞こえてくると、ひとつふたつと光の粒が飛びかい始める。
「すげぇ…これが蛍…?」
「綺麗だよね!」
「うん…。」
しばらく蛍を眺めて、また3人で手を繋いで家に戻ると、歯を磨いて布団に入る。…勿論、3人で。絶対お母さんが布団敷いたでしょ、絶対面白がってるでしょ。
「理玖は俺の隣!」
「もちろん、理玖は私の隣だよね?」
「わかったわかった、私が真ん中で寝るから。」
私を真ん中にして布団に入ると、悟が右手、傑に左手を繋がれた。うん、寝返り打つなってことかな?
「おやすみ、理玖。」
「理玖おやすみ。」
「おやすみ、悟、傑。」
両頬に感じた柔らかい感触。私も二人の頬にキスを返して、目を閉じた。翌朝、目を覚ますと私のお腹に悟がしがみ付いて、私の頭を傑が抱き締めるように寝ていた。…何この幸せ。てか二人とも寝相どうなってんの…可愛すぎない?
「…おはよう、理玖。」
「あ、傑おはよう。」
「…可愛いね、理玖。好きだよ。」
【夏油傑との親密度が100%になりました。選択してください。この選択には呪力を消費しません。また、この選択は親密度が100%の相手には何度でも選択できます。(残り呪力:60)】
【1.好きだと伝える 2.友達だと伝える 3.付き合いたいと伝える 4.なにもしない】
…あれ、傑いつの間に100%になって…、
「理玖は俺のだから。」
「あ、悟起きてたの?おはよう。」
「…はよ。」
ちょっと待って、傑も100%になったってことは、スピーカー使える感じ?ちょっと聞いてみよ。
【五条悟と夏油傑のスピーカーをONにしました。】
(俺の理玖だし。傑調子のんなよ。…理玖可愛い。好き。ちゅーしたい。)
(理玖、好きだよ。好き、ふふ、可愛い。そういえば理玖の夢を見た気がする…。…あ、目が合った。好き。キスしたいな。)
「…二人とも可愛いね。」
「…急にどうしたんだい?(可愛いのは理玖だよ。好き。困ったな、どうしようもなく好きだ。)」
「可愛いのはお前だろ、鏡見て来いよ。(マジでお前の方が可愛いし。好き。…はぁ、マジで好き。)」
「はぁ…。」
私は両手で顔を覆った。二人が私の手を掴んで顔から引き剝がそうとする。やめて、マジでやめて、今キュン死にしてる所だから見ないで!?
「おい、理玖。(理玖なんで顔隠してんの?好き。)」
「理玖?どうしたんだい?(理玖?可愛い顔を見せて欲しいな。好きだよ。)」
「ちょっとやめて、マジで今私を見ないで。今恥ずかしくて死にそうだから…!」
スピーカーONにするんじゃなかった…!