(…マジで死ぬか?)
は、はい、マジで、死にそうっス…。
「おい、どっか悪ィのか。」
「いいえ、甚爾様がかっこよすぎて、一瞬三途の川を渡りかけただけです…。」
口元を拭うと、パパ黒が唇を指で拭ってくれた。あ、指に私の血がついて…あ!?な、舐めました!?私の血を舐めましたよこの人!?!?ええぇ!?!?舐めましたああ!!
「甚爾様、」
「マジで死ぬか?(…死ぬなよ。)」
「ン゛ッ!!」
「!」
「すみません、大丈夫です。」
「…おい、口開けろ。」
「あ…、んっ!?」
あ、ああー…パパ黒がちゅーしてくれました…。ひゃあああ、べろちゅ、ベロちゅーですよ!?!この人私の血を舐めとってます!!そういうプレイですか!?たまらんです!!幸せですぅ!!あぁ!!しかも!!パパ黒はちゅーする時ちゃんとおめめ瞑るタイプですか!?予想外で萌えます!!好きぃいい!!!んぎゃわいい!!
「はぁ…はぁ…たまらんです。」
「ハ?(何言ってんだコイツ。)」
「甚爾様が尊い…、すき…。」
「変なもんでも食ったか?(変なもんでも食ったか?)」
思った事そのまま口にしちゃってかわいいですね!!!もうやめて、私のライフは0よ…!パパ黒の色気にやられ、可愛さにやられ、ギャップにやられ、私はもう燃え尽きそうだ…。
「甚爾様、私、本当に死にそうです…甚爾様が尊い…。後光がさしてます…!」
「勝手に死んでろ。(俺が抱くまで死なせるかよ。)」
「うぅ…、幸せ…!我が生涯に一片の悔いなし…!」
パパ黒の体に凭れて私は息を引き取った。……というのは冗談で、心臓が真面目にヤバいのでちょっと落ち着かないと…。はぁ…マジで、なんだこの幸せな時間…。これあれか?戒めを受けなきゃだめか!?某6つ子のように戒めぇええって叫びながら荒ぶらなきゃダメか?!吹っ飛ばなきゃダメか!?
「…オイ。(大丈夫か。)」
「…だ、大丈夫です…。ちょっと、落ち着きます…。」
パパ黒が私の背中を優しく擦ってくれた。…それだけでもう幸せです…。ありがとう…本当にありがとう…。私が息を引き取ろうとしていると、パパ黒の携帯が着信を告げた。
「…なんだ。…今理玖と一緒にいる。……さあな、近くの公園だ。…ああ。」
「…孔さんですか?」
「ああ。今から来るとよ。」
「…甚爾様とのイチャイチャタイムはここまでってことですか…残念です。」
「言ってろ。(ハッ、可愛いこと言いやがって、マセガキ。)」
「甚爾っ様!(キュンキュンキュン)」
孔が来る前にもっかいだけちゅーしたい…!私がパパ黒を見つめていると、パパ黒が私を見てフッと笑った。…すこ…激しくすこ…。
「なに見てんだ、金とんぞ。」
「お金はないので体で払います…!」
「マセガキ。」
「はいっ、マセガキですっ!甚爾様、もっと言って!もっと言ってぇ!」
「うるせぇ口は塞ぐぞ。」
「塞いでください…!」
パパ黒が私の唇に噛みついた。あ、幸せです…!すぐに離れた唇を追い掛けて自分からキスをした。ちゅっちゅっと短く触れるだけのキスを何回もした。パパ黒はなんだかんだされるがままでいてくれる。はぁ…てぇてぇ…。
「オイ、そろそろ止めろ。(孔に見られたらまずいな。)」
「…そろそろ孔さんが来るんですか?」
「知らねー。」
パパ黒に抱き着いたまま孔を待つことになった。私の心臓はバクバクと煩いままだ。パパ黒の厚い胸板に耳を引っ付けてみれば、とくん、とくん、と確かに鼓動が聞こえる。…はぁ…生きてる…パパ黒ちゃんと生きてる…。嬉しい…。
「お、いたいた。」
「来たか。(チッ、もう来たか。)」
「孔さん、こんにちは!」
「理玖ちゃん、今日も可愛いね。」
「うふふ、褒めても何も出ませんよ!」
「うん、可愛い。で、なんで二人共くっついてんだ?熱くないのか?」
「甚爾様に会えなかった分、充電してました!」
「…。(…俺は足りねぇ。)」
「んふふ…っ、」
「そうか?まあ、なんでもいいが。禪院、仕事だ。」
「え、もう行っちゃうんですか?…寂しいです…。」
「あはは、可愛いなぁ理玖ちゃんは。家まで送るよ。」
「はい!」
んー、孔の好感度はどんくらいだったか…あ、83%か!でも今孔に猛アタックしたら多分パパ黒の好感度反転しちゃうかもしれないからなぁ…?!それは困る…。どうしたものか。
「甚爾様は普段どんなお仕事をされてるんですか?」
「「……。」」
「…あ、聞かなかったことにしマース!」
「…術師殺し。(隠すことねぇか。)」
「…あ、教えてくれるんですね?」
「隠すことでもねぇ。」
「いや隠せよ、人殺してんだから。」
「コイツには言っても問題ねーよ。」
「はい、甚爾様!誰にも言いません!甚爾様素敵!」
「ほらな。」
「よくできた子だよ、本当に。そんな理玖ちゃんにひとつお願いがあるんだが、ちょっと協力してくれるか?」
「はい!私にできることならなんでもします!」
「じゃ、禪院、理玖ちゃん連れて車乗ってくれ。」
「どこ行くんだ。」
「理玖ちゃんをどうしても欲しいって宗教団体がある。」
「え、」
「連れて来たら1億。どうする、やるか?」
「あの、」
「いいぜ。」
「甚爾様?!」
「出来ることならなんでもするんだろ?(金が振り込まれたら助けてやるよ。)」
「あ、はい、行きます。」
まぁ、うん、パパ黒が助けてくれるならいっか。そんなこんなで車に乗せられて連れてこられたのは、謎の宗教団体の拠点らしい、大きな建物。パパ黒に手を引かれて、孔の後をついて行くと代表者と思わしき初老の男が私達を出迎えた。
「おぉ…このお方が…!」
「約束通り廻神理玖を連れてきましたよ。」
「ええ、確かに…。おい、あれを。」
「約束の報酬1億です。」
大きな銀のアタッシュケースを持って来た男が中を見せるように蓋を開けた。パパ黒が中から札束取り出してペラペラと確認するのを見ながら、私は首を傾げる。私ってそんな価値があるの?マジ?1億円の子供?パネェな?!
「確かに。(じゃ、用済みだな。殺すか。)」
おい、パパ黒の心中穏やかじゃねぇな!?
「廻神理玖様、どうか私たちに神の御加護をお授けください…。」
「え、」
「理玖様ぁ!」
初老の男が私の前に平伏している。え、待って、私にそんな事出来るわけないじゃん!?え?!出来ないよね?!セレクト!
【???があなたを崇拝しています。選択してください。選択すると呪力を5消費します。(残り呪力:60)】
【1.お告げをする 2.予言する 3.なにもしない】
…うん、微妙だな。お告げも予言も殆ど意味同じだし。とりあえず1番にしておくか。1番。
【1.お告げをする を選択しました。呪力を5消費しました。(残り呪力:55)】
「この宗教団体は、今日をもって解散です。それとあなた、今日死にます。」
「はーーー」
私がお告げを言い終えると同時にパパ黒が私の目を塞いだらしい。うお、なにっ?!え、マジか、なんか今ゴトンって音したんですけど!?もしかして殺した?!殺したんか!?!ひゃあああ恐ろしやああああ!!
「ひぃいっ!ガッーーー」
「ハイ、お疲れ。解散、解散。」
「おい、さすがに理玖ちゃんの目の前でそれはないだろ。」
「ちゃんと目塞いだろ。理玖連れて車戻ってろ。」
「へーへー。理玖ちゃんそのまま目を開けるなよ。」
ふわりとタバコの香りがして、体に浮遊感を感じた。孔が私を抱えたらしい。アタッシュケースを片手に私を抱えたのか、結構力持ちだな!?実は鍛えてる感じか?!逞しい感じか?!
「ビックリさせたな、すまん。」
「あ、いえ、何となく予想出来てたので。」
「…実は禪院がな、理玖ちゃんを心配してたんだよ。」
「え?」
「前に理玖ちゃんが呪詛師に拐われたことあっただろ?あの時から理玖ちゃんを狙う宗教団体を潰しまくってる。アイツの意思でな。アイツなりに理玖ちゃんを守りたかったんだろうから、悪く思わないでやってくれ。」
「はぁあああ…甚爾様好き…!マジでてぇてぇ…。」
「てぇ…なんだ?」
「いえ、こっちの話です。」
「ま、…この金でアイツに遊びに連れて行って貰えよ?」
「ふふ、はい!孔さんも、ありがとうございます。」
孔の好感度上げるなら今だよね?!目を開けて孔の頬にちゅっと触れるだけのキスをした。孔は目を見開いていたけど、くしゃっと笑った。…アンタ結構ええ男やな…。ピコン、と音がした。