パパ黒との焼肉デートの後しこたま怒られた私は、お母さんに一週間の外出禁止を言い渡された。マジかくそぉ…。いや、私が悪いんだけどね?いくら中身が成人女性とはいえ、今の体は小学1年生だもんね、そりゃ親は心配するよね…。正直すまん。ベッドで寝転がりながら携帯で悟に電話をかけて、明日からの外泊ができなくなったことを伝える。
「悟ごめん、外出禁止食らった。」
『マジ?ウケるね。』
「いや、笑い事じゃないよ!?悟の家泊まりに行けないじゃん!?特訓できないじゃん!?夏休み残り僅かじゃん!?」
『じゃ、俺がそっち行けばよくね?』
「なるへそ…。頭
『いや、頭悪っ。』
「お母さんに聞いてみるわ!」
『おう。』
携帯を片手に階段を駆け下りてリビングに向かう。お母さんが洗濯物を畳みながらテレビを見ている。いけるか…?ご機嫌取ってみるか…?
「お母さん、手伝う!」
「あら、それで許されると思ったら大間違いだからね?」
「まっさかぁ〜!あ、でも私が外出しないならいいんだよね?!悟がこっちに泊まりに来るのは?」
「…もう、アンタはすぐ勝手するんだから。誰に似たのかしら?」
「え、誰だろ…誰?」
「知らないわよ。悟くんが来るのもダメ。反省しないと夏休みが終わるまで外出禁止にしますからね?」
「それは困りますぅう!お願いしますう!後生ですぅう!五条だけに…!」
「どこでそんな言葉覚えたのかしら!全然面白くないので却下です。」
「ガーン…!…ごめん悟、ダメだって。」
『うん、聞こえた。』
「あら、電話中だったの?」
「うん。」
『じゃ、仕方ねぇな。ドンマイ。』
「くっそぉ…。ごめんね悟、また連絡する…。」
『ん。じゃあな、おやすみ。』
「おやすみー。」
電話を切ると、お母さんが溜め息を吐いた。…私も溜め息吐きたい。1週間ってことは、土曜日のパパ黒との秘密のイチャイチャ特訓もなし!?マジ!?かぁ〜…つらっ!無理無理無理無理、耐えらんない!
「心配する身にもなってちょうだい。」
「うん、ごめんなさい。」
一緒に洗濯物を畳みながら、今後の事を考える。月曜から金曜までの悟との特訓が中止、土曜のパパ黒との特訓も中止…。…え、私1週間なにすりゃええの!?
「たまには家にいてくれないかしら。」
「あ、はい。家にいます。」
「誰かさんが好き勝手に過ごすもんだから、お母さんは心配です。お父さんも寂しがってるわよ。」
「あ、はい、電話してみます。」
「電話しなくてももうすぐ帰ってきます。」
「あ、はい、スミマセンでした。」
ちくちく刺さる事を…。くそぉ…。洗濯物を畳み終えるとお風呂に入って寝支度をした。傑は起きてるかな…?流石に21時過ぎてるし、電話するのもなぁ…。…あ、そういえば、術式について書いたノートに書き足さなきゃ!ノートを開いて以前書いた続きにスピーカーについてを書き足す。親密度100%になったら、心の声が聞けるっと。あーあとなんだっけ、あ、好感度が反転してても聞ける。…あとなんだ?そうだ、好感度が反転すると、青、その次はグレーになった、っと。んー…、やっぱりこの好感度反転機能、意味分かんないよなぁ…。なんで反転するんだろ。おまけに戻すの大変だし…。グレーの次があったら私マジ泣きしそう。
「極力反転させないようにしたいけど、高専に通い出したら悟と傑はしょっちゅう反転しそうだな…。」
ノートを閉じてベッドに寝転がると、パパ黒に電話を掛ける。あー…土曜日の事なんて言おう…。
『なんだ。』
「甚爾様、今日はごちそうさまでした!もう家に着きました?」
『ああ。』
「実は、今週の土曜日なんですけど、甚爾様との特訓ができなくなってしまいました…。」
『ハァ?なんでだよ。…あー…そう言うこと。』
「お母さんに怒られてしまって、1週間外出禁止を言い渡されました…。」
『悪かったな、遅くまで連れまわして。』
「いえ、甚爾様と一緒にいる時間がいつもより長くて、私は幸せでした!」
『そうかよ。んじゃ来週の日曜日な。』
「え!?いいんですか?」
『俺のせいだろ。菓子折りでも持ってってやるよ。』
「やだぁ…甚爾様素敵…!好きです!」
『はいはい。じゃあな。』
「はい、おやすみなさい!」
電話が切れると、ふと思い出す。そういえばパパ黒のスピーカーONのままだったよね…?電話だとスピーカーは使えないのかな?もしかして、一緒にいないと聞けない感じか?ノートに追記しとくか。
「…あ、どうしよ、悟も日曜日押しかけてきそうで怖いんだけど…。え、大丈夫かな?エンカウントしない?」
いや、悟なら絶対来るよね…。どうしよ。悟には悪いけど、日曜日には予定があるから会えるのは月曜日ってメールしておくか…。
『悟、明日はホント申し訳ない!来週の月曜日からまたよろしく!あ、日曜日は用事あるから会えない、ごめん!』
こんなんでいっか?よし、送信っと。
『ちぇー、日曜日押しかけようと思ってたのに。』
『そう言うと思った(笑)』
『じゃあ月曜日は1週間サボった分ビシバシ行くから。あ、盆もあったし2週間か。ガンバ。』
『お手柔らかに!!!マジで!!!』
『必死かよ、ウケるね。んじゃ、おやすみ〜。』
『うん、おやすみ!いい夢見ろよ!』
『理玖ぶち犯す夢見るわ。』
『なにそれやめてこわい!』
『(笑)おやすみ。』
『おやすみ!』
悟とのメールが終わると布団に入ってその日は眠った。翌朝、着替えて朝食を食べ、することも無いので宿題を全部終わらせる。お母さんと一緒に庭いじりをしている時だった。隣の家に停まった大きなトラック。…あれ、引越し業者のトラックだ。
「あら、お隣さんが来たのね。」
「隣って空き家だったっけ?」
「そうよ?理玖は家にいないから知らないでしょうけど。」
「スミマッセーン。」
ぼんやり眺めていると、隣に引っ越して来た家族だろうか?紙袋を持って家に近付いて来た。…あれ、子供連れだ。…え、金髪…?え?!え?!?!
【好感度イベント発生!選択してください。この選択には呪力を消費しません。(残り呪力:60)】
【1.イベントを選択する 2.イベントを無視する 3.なにもしない】
こ、ここで?!まさかの?!勿論1番に決まってんじゃん!?!?
【1.イベントを選択する を選択しました。この選択には呪力を消費しません。(残り呪力:60)】
「ごめんください。隣に引っ越してきました、七海と申します。ご挨拶よろしいですか?」
!?!?!ま、ま、待って?!奥さん今なんと?!な、な、七海!?今七海と言いませんでしたか?!?!マジ?!
「あら、わざわざご丁寧にありがとうございます。廻神風鈴です。こちらは娘の理玖です。」
「廻神理玖です。小学1年生です。よろしくお願い致します!」
「まぁ、お母さんに似てとっても美人さんね!ほら建人、挨拶して?」
母親の影に隠れていた小さなお坊ちゃまスタイルの子供が、モジモジしながら顔を出した。なにこのショタおぶショタ、え、なに?!けんとって言ったよね?!今けんとって言った?!?!え?!!食べていい?!
「…ななみけんと、ろくさい。」
ななみけんと、ろくさい!?!?!ななみけんと、ろくさい?!?!!?ななみけんとろくさいいいいい?!?!はっ!?そっか、1個下の学年だし誕生日過ぎてるもんね、6さいか、うん、そうかぁ…ゲロかわいいな?!?!てかナナミンじゃん、マジモン?え、夢?!頬っぺたつねってみたけど、うん、やっぱ痛いわ!!!!
「あらぁ、可愛いわねぇ!お名前もお歳も言えて偉いわねぇ?」
「…うん。」
「かわいい〜!建人くん、よろしくね!理玖って呼んでね!」
「…理玖おねえちゃん。」
「ン゛ッ!!」
「理玖?」
「な、なんでもない!」
やっべぇ思わず吐血するとこだった…。え、なに、理玖おねえちゃんって!!!ナナミンにおねえちゃん呼びされたんですけど?!?!なにこれ?!死ねってこと?!?!萌え死ねってこと?!?!
「これ、つまらない物ですが…、今後ともよろしくお願い致します。」
「あらあら、ありがとうございますぅ。」
「建人くん、一緒に遊ぶ?」
「…いいの?」
「うん、いいよ!遊ぼう!建人くんと遊んでいいですか?」
「ありがとう、お願いしてもいいですか?」
「勿論です!おいで、お姉ちゃんのお部屋で遊ぼ!」
「うん!」
私が両手を広げてみると、ショタナナミン略してショタミンが私に駆け寄って抱き着いた。フー…、こりゃ私の理性が!!!危うい!!!私頑張って?!?!ショタミンの頭上には赤いハートが5%を示していた。