これはもう不治の病


「あなたが、噂の甚爾様?」
「初めまして、禪院甚爾です。」
「…禪院って、あの禪院家の?」
「…ええ、まあ。」

パパ黒が家に来た。手には手土産の入った紙袋を持っている。お母さんがパパ黒にお茶の入った湯呑を差し出した。

「ご挨拶が遅くなりすみません。先日は理玖さんを遅くまで連れ回して申し訳ありませんでした。こちら、お詫びです。」
「まあ、ご丁寧にどうもありがとうございます。」

今日のパパ黒は着流しスタイルだ!んんすてきぃ…!そして普段絶対使わないであろう敬語で話して…可愛いわぁ…!!ていうかあれかな、正装的な服持ってなくて着流しで来たのかな?多分そうだよね?!パパ黒がスーツとか着てるとこ想像できないもん!!いや着てみて欲しいわぁあ…!ネクタイを片手でシュルってして欲しいわ!!!今度頼んでみようかな!?やってくれるかな!?ていうかスーツ持ってるかな!!??

「いえ…。(早く終わってくれ。)」
「ところで、甚爾さん。理玖とはどこで知り合ったんです?」
「どこで…。(…どこって、降ってきたからな…。)」

パパ黒が私を見た。あ、これは、私が説明しろってことかな?!

「えっと、悟と呪霊狩り競争してる時に!術式使ってジャンプした先に甚爾様がいたの!」
「ま、そんな感じっスね。降ってきたところを助けたら懐かれました。(あれがジャンプか?)」
「まあ、そんな危ない術式なの?!」
「え、あ、いや、たまたまそうなって、」
「…理玖の術式について知らないんスか。」
「甚爾様、私の術式は人に話せないんです。そういう縛りがあって…。」
「術式に縛りねぇ…。(初めて聞くな、そんな話。)」
「誰にも言えないし、何ができるかも言えないんです…。お母さん、それでね、甚爾様はすっごく呪具の扱いが上手くて、すっごく強いから、私が教えて欲しいってお願いしたの!」
「そうだったのね…。まあ、理玖もいずれは呪術師を目指すそうですから、ビシバシ鍛えてあげてください。理玖をよろしくお願いいたします。」
「いえ、こちらこそ。(終わりか?)」
「ところで甚爾さん、理玖とは今後どうなる予定ですか?」
「…は?(何言ってんだ?)」
「お母さん、なに聞いてんの!?」
「あらぁ、だって理玖ったら、男の子にモテモテで…。てっきり甚爾さんもそうなのかと。」
「…いえ、(へぇ…モテモテねぇ…。)」

え、お母さん…!?お母さん!?!?

【禅院甚爾の好感度が反転しました。今後は好感度の変動に注意してください。】

あああああああああ!!!ちょ、お母さああああん!?!?!なんてことをしてくれたんだ…!!!パパ黒が私をじっと睨んでいる…。いやあの、違うんです…違うんですよ!?!?いや違わないけど違うんです!!!!いや違わないけどね!?!?

「ガキには興味ないんで。(このマセガキが…覚えてろよ。)」
「甚爾様ぁあ!?」
「あらそう、残念…。理玖がね、あなたの事をとても慕っているものですから、てっきりあなたも理玖の事を好きなのかと思って。あ、歳の差を気にしているなら心配しないでくださいね、私は愛に歳の差なんて関係ないと思ってますから。」
「…。(…それは俺が理玖とどうなってもいいってことか?頭大丈夫か…。)」
「お母さああん…。」
「さて、話は終わりです。これからも理玖をお願いします。」
「こちらこそ。(やっと終わりか。)」

お母さんとパパ黒がぺこりと頭を下げて話は終わった。そのままパパ黒との特訓に行く許可も貰って、私はパパ黒に手を引かれて家を出た。あ…怖い、パパ黒の心中穏やかじゃないよ…。

(モテモテねぇ…。そういや孔にもキスしてやがったな…。)

見られてた…!!!冷汗が頬を伝う私をよそに、パパ黒はズンズン歩いて行く。あちょ、ちょっと、速いですパパ黒の兄貴…!

「おい。」
「は、はい!」
「…俺以外にも好きとかほざいてんのか。」
「え、あ、その…、」
「どうなんだよ。(ハッキリしねぇと犯すぞクソガキ。)」
「は、はいぃ…すみませんでした…。」
「ったく、とんだマセガキだな。(ブチ犯す。)」

や、ヤバい…!パパ黒の兄貴がお怒りなすってる…!私これからどうなっちゃうの!?!?!

「…悟って、五条悟だろ。」
「あ、はい…よくご存じで…。」
「呪術界じゃ有名だからな。(俺のことも気取りやがった…。)」
「ソ、ソウデスネ…。」
「五条悟とはどういう関係だ。」
「ク、クラスメイトです…。」
「ほう…?」
「いや、本当です!ただ、席が隣になって、友達になろうって言ったら懐かれて、それでえっと、えっと!」

あれ?なんで私こんなに必死に言い訳してるの!?なんか浮気バレた人みたいになってない!?ねぇ!?ちょ、え、違うよ!?

「あーもういい、喋んな。(うっぜ…。)」
「あ、はい、ごめんなさい…。」

あ、ヤバい、泣きそう…。どうしよう、パパ黒に嫌われちゃったかも…。え、どうしよう…!まじでどうしたらいい!?あ、ヤバい、涙出てきた…!

「…チッ、(泣かせるつもりはねぇっての。)」
「うぅ…、ごめんなさい甚爾様…、」
「…泣くな。」

着いたのは近所の公園だった。パパ黒が私をベンチに座らせる。私の隣にどかりと座ったパパ黒が、大きく溜め息を吐いた。

「理玖。」
「はい…。」
「オマエが誰と一緒にいようがどうでもいい。」
「…はい。」
「が、俺の前で他の男の名前出してみろ。殺すぞ。」
「は、はい、出しません!私には甚爾様だけです!」
「そうかよ。(本当かよ。)」
「甚爾様大好きです!!愛してます!!世界で一番いい男!!」
「言ってろアホ。」

あ、ああ、パパ黒の好感度がやっと1%…。こ、これは…これはめちゃくちゃ大変なやつ…!パパ黒に恐る恐る抱き着いてみる。…お、されるがまま?い、いいっすか?自分、キスしてもいいっすか?!

「甚爾様、」
「んだよ。」
「好きです、大好き…。キスしてもいいですか…?」
「ヤダね。(勝手にしろよマセガキが。)」

うぅ…パパ黒ぉ、好きぃ…!もうこれじゃただの天邪鬼だよぉ!パパ黒の首に腕を回してちゅっと触れるだけのキスをした。唇が離れた途端、パパ黒が私の後頭部を押さえて再び唇が触れる。そのまま舌が侵入してきて、私よりも大きな舌が私の舌を絡め取った。ま、ちょ、まって!?!?こ、これは、これはあかんやつや!!こんな大人なベロちゅーされたらおま、おまっ!!

「んぅ、ふ…っ、」
「…、(あー…抱きてぇ…。)」

ちょ、も、ね?!こんなベロちゅーしながらそんなこと言われたらさ、ほら、期待しちゃうじゃないですか!?え、ヤるか?ヤっちゃうか!?私まだ6歳よ!?

「マセガキが。次はねぇぞ。」
「はぁ…はぁ…、はい…甚爾様。」

う、うおお…腰に力が入らん…。流石パパ黒の兄貴…やりおるな…。あ、2%になってる…!

(あー…ブチ犯してぇ…。)

「ン゛ッ!!」
「…おい、大丈夫か。」
「す、みません…、最近よく吐血を…、」
「…病院行け。」

行っても絶対治らないです!!なんつったって、尊さあいまっての吐血ですからね!!!っひゃあああすこ!!!

「甚爾様、大好きです。早く抱いてください。」
「その内な。(無理だろ、小1だぞ。)」
「そんな…、私早く大人になりますから!」
「そうかよ。(なれるもんならなってみろよマセガキ。)」

その後、パパ黒が孔を呼んで、特訓場である倉庫に連れて行ってもらった。パパ黒が孔に睨みを利かせていて、孔はただただ困惑した表情で首傾げていて面白かった。

(なんで俺睨まれてんの?)



← 42 →
back

top