夏休みが終わってしまった。それはもうあっという間だった。どんだけ楽しかったんだ!?マジで、超楽しかった!!悟と傑とバカやってる時間が楽しすぎてもう気付いたら夏休み最終日だった。お昼前まで傑と悟と三人で遊ぶという名の特訓をして、お昼を食べたら荷物を整理して傑とバイバイのちゅーをして、一緒に家まで車で送り届けた。東京に戻ると今度は私の家まで送ってもらって、悟と別れた。いやぁ…あっという間すぎて…。明日は二学期。そして次は土曜日のパパ黒との特訓が待っている…!洗濯物を出して荷物を整理して、明日の準備をしていた時だった。インターホンが鳴って、お母さんがはーい、と返事をしている声が聞こえた。…誰だろ。
「理玖ー?ちょっと来てちょうだい!」
「なにー?」
階段を駆け下りて玄関を見る。お母さんの影で隠れているけど、…誰だ?
「この子が理玖に話があるそうよ。知り合い?」
「…え、いや、どちら様ですか…?」
「禪院直哉や。お前が廻神理玖やな?ちょお顔貸せ。」
「…は?」
禪院直哉…?え、あの禪院直哉!?な、なんでこんなところに!?黒髪の着物を着たショタ直哉が私を睨みつけていた。…マ?
【好感度イベント発生!選択してください。この選択には呪力を消費しません。(残り呪力:60)】
【1.イベントを選択する 2.イベントを無視する 3.なにもしない】
は?マジ?禪院直哉も好感度イベント対象なの!?と、とりあえず1番。でも16巻読んだ感じヤな感じだったけど…。
【1.イベントを選択する を選択しました。この選択には呪力を消費しません。(残り呪力:60)】
…うん、やっぱヤな感じ…。悟と出会った時と一緒で、-100%と書かれた頭上のハート。私を睨みつけるショタ直哉。何でそんな睨むの!?
「ちなみに拒否権は?」
「あるわけないやろそんなん。ええからはよ来いや。」
うわぁ…ヤな感じ!ていうか、直哉って16巻では五条悟の一つ下って書いてあったよね…?てことは今5、6歳?!ショタミンと同い年!?ショタミンの方がまだ可愛げあんぞ!?
「お母さん、ちょっと出てくるね。すぐ帰るから。」
「携帯持って行きなさい。」
「あ、そうでした。ちょっと待ってて直哉君、すぐ戻るから。」
「はよしい。」
自分の部屋へ携帯を取りに行く。うーん…ついでに財布も持って行くか。小さめのポシェットに財布と携帯を入れて玄関に戻ると、靴を履いて直哉について行った。ていうか、マジでなんでここにいんの?どうやってきたの?誰と!?
「乗れ。」
「なんでそんな上から目線?君歳いくつ?」
「そんなん今関係ないやろ。ええからはよ乗れや。」
「はいはい、分かりましたよっと。お願いしまーす!」
後部座席に乗ると、直哉が隣に座った。車が動き出す。…どこに向かってんの?
「オマエ、神の子とか言われとるそうやん。」
「あーらしいね。それが?」
「甚爾君とどういう関係や。」
「は?甚爾様?」
「オマエみたいなんが甚爾君の名前気安く呼ぶな!」
直哉が運転席の座席を蹴った。うわこわ何この子…!バイオレンスすぎんか!?運転手さん一瞬ビクゥってしてたんですけど!?事故ったらどうすんの!?
「ちょっと、運転手さんがびっくりしてるじゃん!止めなよ!」
「ええからどういう関係なんか言え!」
「どうって…本人に聞けばよくない?」
「…それが聞けんからわざわざこっちから探偵つこうてまで調べて来てんねん!」
「え、なんで聞けないの?連絡先知らない?教えてあげようか?てか探偵使って私の家に来るくらいなら本人に直接会いに行けばいいじゃん!?」
「ぐ…っ!」
え、なにこの直哉。え、直哉ってこんな感じなの?なんでパパ黒の事そんな気にしてんの?マ?もしかしてパパ黒ラブな感じ?!
「…どうしてもって言うんなら聞いとく。」
「あ、いやならいいよ。」
「なんでや!教えろ!」
「あ、知りたいんだ?いいけど、甚爾様に聞いてみないとねー。」
「そ、それはあかん!」
「はぁ?なに君、めんどくさいな!?…もしかして、甚爾様のストーカー…?あ、ナルホド、だからこっちに来てること内緒なんだ?」
「ストーカー…?ちゃ、ちゃうわ!」
お、顔真っ赤にしてぷんすかしてる。こうやって見ると年相応なのかな?ちょっと可愛く見えてきた。…っていうかなに、禪院家って皆ツンデレ属性なの?なにそれ?禪院ツンデレ説!?はぁああ好物ですわああ!!カチカチと携帯を操作する私を、直哉がチラチラと見てくる。お?気になっちゃう感じ?パパ黒に掛けてあげるよぉもう!
「もしもし甚爾様?」
「ちょ、おま、なにしてん!?」
『なんだ。』
「今甚爾様にどうしても会いたいって人と一緒にいるんですけど、会えませんか?」
『…誰だ。』
「えっと、禪院直哉君って子です。甚爾様にどうしても会いたくて家に訪ねてきました。」
『…理玖の家の近くの公園に連れて来い。』
「はーい!甚爾様、今日も大好きです!」
『あーはいはい。』
通話を終えて直哉を見ると、すんごい形相で私を睨んでいた。え、なんで?
「おま…、オマエホンマ…甚爾君とどういう関係や…。なんや今の…、喧嘩売っとんか?」
「え、いつもの事だけど?甚爾様は私の命の恩人なんだもーん。あ、運転手さん、来た道戻ってもらっていいですか?うちの近くの公園に行きたいんですけど!」
「分かりました。」
公園についてベンチに座った。私が座ると、直哉は私から距離をとって座った。…ちょっとそう言うの地味に傷つくんですけど…。好感度は相変わらず-100%だ。はぁ…やりにくいなぁ…。
「理玖。」
「あ、甚爾様!会いたかったです!」
パパ黒が公園に着き、私は駆け寄ってそのムッキムキのナイスバディに抱き着いた。後ろで直哉があのアマ…!とか言ってるのが聞こえたから顔だけ向けてベーしてやった。
「…あのガキか。」
「はい。わざわざ来てくれてありがとうございます!」
「ん。(理玖に会うついでだ。)」
「直哉君、甚爾様にお礼言いなさい!」
「オマエに言われんくともそのつもりや!…と、甚爾君!」
「…誰だっけ。(誰だっけ。)」
「え、」
「プッ、」
「…どっかで見た気はする。」
直哉が白目を剥いて固まってる。ウケる、かわいそう…!
「あー…そうだったそうだった、思い出した。直毘人んとこのガキか。…で、何しに来た。」
「お、俺…、甚爾君が…、甚爾君がどっか行ったって聞いて探してたんや。甚爾君めっちゃ強いから、俺も甚爾くんみたいになりたい!」
「…帰れ。俺も忙しいんだよ。」
「残念だったね、直哉君。」
「…っ、」
あ、直哉泣きそう。どうしようかな、私の携帯番号くらいなら教えてやるか?
「理玖、用がねぇなら飯行くぞ。」
「やったー!甚爾様、どこまでもお供します!あ、その前に直哉君に挨拶してもいいですか?」
「…好きにしろ。(ほっとけよ。)」
パパ黒から離れて直哉に駆け寄る。あー…泣いてるわ…。とりあえず、
「直哉君、また東京に来たら電話して?私の電話番号、書いておくから。あ、ちゃんとメモしたら消してね?」
「…うん。」
うんって言った!!ショタ直哉がうんって言った!!!あれ、コイツ、以外と可愛いぞ!?木の枝を拾って、直哉の足元に携帯番号を書くと、手を叩いて砂を掃った。直哉が私を涙目で見上げている。…うん、やっぱショタパワー強い。かわいい。頭に手を置いてわしゃわしゃする。…あ、パパ黒の心中穏やかじゃない。この辺で止めておかないと…。
「…オマエ、理玖やっけ…。…ええやつやな。」
【禪院直哉との親密度が100%になりました。選択してください。この選択には呪力を消費しません。また、この選択は親密度が100%の相手には何度でも選択できます。(残り呪力:60)】
【1.好きだと伝える 2.友達だと伝える 3.付き合いたいと伝える 4.なにもしない】
えええええええ!?!?ちょ、チョロおおおお!?!?直哉くうううんん!??!?直哉君ちょっと、え、ちょっと待って、君チョロすぎませんか!?!?!?さっきまで私に敵意剥き出しだったじゃんか!?なんで?!禪院直哉じゃなくて禪院チョロ哉か!?一体何が起こった!?!?ちょ、とりあえずスピーカー!
【禪院直哉のスピーカーをONにしました。】
(正直甚爾君に会えると思わんやったけど、一目でも会えた…。理玖には感謝やな。…せや、コイツを俺の女にしたら、甚爾君も俺のこと見てくれんとちゃう?)
あ、うん、聞かなきゃよかったかも。なんだ直哉、お前パパ黒ラブか?!そいつは許せねぇ、私とは犬猿の仲になりそうだな!?!?!
「決めた!理玖、お前俺の女にしたる!」
「だが断る。」
「なんでや!(お前がおれば、甚爾君は…、)」
「だって直哉君私じゃなくて甚爾様が大好きなんでしょ?私の事好きじゃないなら、直哉君とは遊びませーん!じゃーね!」
「ま、待って、す、好きやぁあ!甚爾君も理玖も好きやからあああああ!うわああああん!!俺も一緒に連れてってええええ!!」
直哉の泣き声が町中に響き渡った。え、なにこれ。なんなのこれ?もうお前は禪院チョロ哉に改名しろ!!!