ご飯を食べ終えると、食後のデザートが届いた。デザートを持ってきた女性店員を睨む私と、ご機嫌そうな2人。
「お待たせいたしました。」
「お姉さん、ちょっといい?」
「え、あ、はいっ!」
悟が店員に話しかけた。顔を赤くして嬉しそうに返事をした店員を睨むと、悟が私の顎を掴んでキスをした。え。
「んっ!」
「俺たち3人こういう関係だから、」
「私たちの可愛い理玖を悲しませるようなことはしたくないんだ。」
「わかったらさっさと消えろよ。殺すぞ。」
「ひっ!」
悟のドスの利いた声と傑の腹黒い笑みに、店員は顔を青ざめて逃げるようにバックヤードに消えていった。悟と傑が満足そうに私を見るから、私はなんか馬鹿らしくなって笑ってしまった。あー、あほらしい。
「はぁ…スッキリした!ありがとう!」
「どういたしまして。」
「理玖が機嫌悪いと俺らもつまんねぇし。」
「…ほんと好き。好きを通り越してすこ。」
「「すこ?」」
「なんでもないよ。ていうか、悟デザート頼みすぎじゃない?」
「は?んなの別腹だろ。食う?」
「私は遠慮させてもらうよ。」
「一口でいいかな。さすがに食べ過ぎたし。」
「じゃあ理玖、あーん。」
「あー…、」
チーズケーキを少し切り取って、フォークを向けた悟。ありがたく一口頂戴して、もきゅもきゅ食べていると、傑が私に携帯を向けた。ピロリンと軽快な音がして、傑が私の写メを取ったのが分かった。
「かわいいよ、理玖。」
「…ありがと…。」
「照れてるね、今日はいろんな理玖が見れて嬉しいよ。」
「傑、今の俺にも送って。」
「いいよ、今送る。」
「…きたわ、サンキュ。」
2人が携帯の画面を見せてきた。…おまっ、待受けに…!!やだぁ、何それちょっと嬉しいんですけど…!!
「まぁ…悪くないんじゃない?」
「ぷ、」
「ふふ、」
「なんで笑うの!?」
「理玖可愛いね。」
「もっと自信持てよ。」
「別に?自信満々ですけど?」
悟がデザートを食べ終えると店を出た。相変わらずバックヤードからの視線とひそひそ声が聞こえてきて鬱陶しい。…セレクトしちゃお。
【店員A、B、C、Dはあなたと五条悟と夏油傑の関係が気になるようです。選択してください。選択すると呪力を10消費します。(残り呪力:120)】
【1.五条悟にキスをする 2.夏油傑にキスをする 3.五条悟と夏油傑にキスをする 4.なにもしない】
こんなの選択するまでもないじゃん。私は悟と傑の腕を掴んだ。二人が私を見て首を傾げている。2人を上目に見つめて、もう一度腕を引っ張る。悟と傑が顔を見合わせて、フッと笑った。…その顔好き。2人が私の頬に唇を寄せた。チュッと両頬からリップ音がして、私は満足そうに笑う。店員たちがどんな顔をしているかなんて確認するまでもなかった。2人に交互にキスをして、私は二人の手を引いて店を出た。…出禁にされそうだけど、まいいや。
「じゃ、帰るか。」
「そうだね。」
悟が誰かに電話している。運転手さんかな?今いる場所を告げるだけの短い電話を終えると、悟は携帯をしまった。3人でガードポールに凭れて駄弁っていると、
【好感度イベント発生!選択してください。この選択には呪力を消費しません。(残り呪力:120)】
【1.イベントを選択する 2.イベントを無視する 3.なにもしない】
「え!?今!?どこ!?」
「理玖?」
「どうしたんだい?」
「あ、ごめん、ちょっと…、」
え、え、え、急すぎてめっちゃビックリしたんですけど!?!?!どこ!?誰なの!?とりあえず選択する以外の選択ないっしょ!?1!!!!
【1.イベントを選択する を選択しました。この選択には呪力を消費しません。(残り呪力:120)】
「あ。」
ふと私の目の前を通り過ぎた女学生がカバンから何かを落とした。それを拾い上げて見ると、
「…タバコ?え、まさか…、ちょっとそこの学生さん!」
「…私?」
私の声に振り返ったのは黒髪の女の子。そしてその右目の下には泣き黒子!!!間違いない、この子は!!!
「これ、落としたよ?」
「…あ。ありがとー。」
タバコの箱を鞄にしまった女の子をじっと見ていたからか、不思議そうに私を見る硝子(仮)。…いや、君硝子だよね?絶対硝子だよね?私が友達になりたいナンバーワンの家入硝子様ですよね!?!?!?!?
「何?なんかついてる?」
「…可愛いなって思って。ね、どこの学校?友達にならない?」
「いきなり友達ってハードル高くない?」
「じゃあせめて名前!!名前教えて!?私廻神理玖!」
「…家入硝子。」
「きたああああああ!!!」
「は?」
「ね、友達になろ!!お願い!!」
「…別に、いいけど、なに?」
私は硝子の手をがしりと掴む。硝子はちょっと垂れ目気味の目で私を見ている。頭上を確認すれば、赤いハートが0%を示している。
「理玖、どうしたんだい?」
「あ、ごめんなんでもない!あ、ねえ携帯持ってる?」
「…持ってる。」
「これ私の番号ね!?あとメアド!!」
「いや、勢いヤバいな。」
「硝子って呼んでいい?!?!私のことは理玖って呼んでね!?!?」
「いやだから、勢いヤバいな。」
「理玖、車来た。」
「あ、今行く!じゃあね、硝子!」
「え、あ、うん。」
さっきのゴストのレシートに私の携帯電話とメアドを走り書きをして握らせると、悟と傑の後に続いて車に乗り込んだ。車に乗る前に硝子の好感度を確認すれば、5%になっていた。やったぜ。やったぜ!?!?
「何アイツ、知り合い?」
「いや、さっき知り合ったよ!」
「一気にテンションが上がったね?」
「フフフ、なんと言っても可愛い女の子とお知り合いになれたからね!」
「へー。」
「女の子の知り合い全然いないからさ、すっごく嬉しくて!」
「そうかい。」
「女の子相手にやきもちはダメだからね?」
「「はいはい、お姫様。」」
2人の間で手を繋ぎながらご機嫌に鼻歌を歌う私と、そんな私の顔を見て小さく笑う2人。硝子からのメールはその日の夜に届いた。
『硝子だよ、よろしくー。』
『硝子、登録してくれてありがとう!よろしく!今度二人で遊びに行かない?』
『別にいいよー。』
『やった!都合いい日ある?今週は無理だけど、それ以降は合わせるから!』
『じゃあ来週の土曜日、お茶でもする?』
『OK!すっごく楽しみ!』
『私もちょっと楽しみ。』
硝子とデートの約束を取り付けた私は、嬉しさのあまりベッドの上で手足をバタつかせた。まずは今週の土日は、悟と傑との理玖ちゃん貸し切りデートだ。
「とりあえず硝子可愛かった…。」
ていうか硝子中一の時点でタバコ所持してるとかやべぇな!?!?あれ、そういえば土日はどっちがどっちだ?悟と傑に一斉送信で聞いてみるか。
『おつかれー!そういえば土日の理玖ちゃん貸し切りデーはどっちが土曜日?』
『俺。』
『悟だよ。』
『悟か!あ、言っておくけどエッチなことはなしで純粋にデートしようね?チューはありだけどそれ以上はダメ!』
『は?』
『どうしてだい?』
『不公平だから!』
『2人ともやりゃよくね?』
『2人ともやればいいだろう?』
『ダメ!チューだけ!チュー以上を要求する場合は即座に術式で動きを止めます!』
『ちぇ。』
『残念だね。』
すまんな童貞共。私は高校生まで貞操を守り抜かせてもらうよ!!!中学生の2人も十分カッコいいけどさ、やっぱ高専時代の2人の色気の方がヤバいからさ!私はそれを堪能したい!!切実に!!!ぐへへへへ!!!!ふぉぉおおおたのしみぃいいいい!!!