愛する喜びを教えてくれたから


何度イッたのかも、何度中に出されたかも覚えてない。意識が朦朧とする度に悟は私の苦しくも気持ちい所をぐりぐりと先端で擦って呼び戻す。掠れて声にならないし、喉もからからだ。

「む、りっ…、」

絞りだした声は悟に聞こえていないんだろう。いや、聞こえてるのに聞こえてないフリをしてるのかも。私の目が虚ろになってるのも分かってるくせに、瞳に映る悟は私を見て嬉しそうに笑っている。悟が何度目か分からない射精をすると、私は今度こそ意識を、

「はぁ…、あっちぃ…。」
「ぅ、」
「おい、理玖寝んなって。」
「ひっ、ぁぅ、」

私を抱えて対面座位にした悟が、苦しいくらいにキスをする。力の入らない手で悟の胸を叩く。もう、ホントに、眠い、

「理玖、なぁ、寝んなって。」
「んっ、おねが、い、も、しん…じゃう…、」
「死なねぇって。それより風呂入ろうぜ。あ、スカート脱がせてなかった。…あ、でもこれ脱がせるとき俺のちんこ抜かなきゃじゃん。…勿体ねぇからやめとくか。あ、零れてんじゃん!」
「はっ、はぁっ、」

ガクガクと震える足で立ち上がろうとしても、すぐにへたり込んでしまう。そのせいで悟のモノがまた私の中に深く刺さった。

「理玖もまだヤり足りねぇの?」
「む、り、おねがいだから、もう、やめて、」
「ほんとに無理なら昔みたいに術式使ってでも止めればいいじゃん。それしないってことは理玖もまだヤりたいってことだろ。」
「ちが、あたま、まわんない、」

力なく悟の肩に頭を凭れさせる。汗でしっとりと濡れた悟の肌。あぁ、これ目に毒だわ。舐めたい。でもそれをしたら悟が調子に乗ってまたヤるのも目に見えてる。そんなことをぼんやり考えながら、今度こそ私は意識を失った。



目を覚ますと、悟の声がした。誰かと電話してるらしい。悟は裸のままで、私は布団に入っていた。布団を捲ると私も裸。悟が全部脱がせたのかな。つーか腰いてぇ!!!ゆっくり体を起こそうとして力が入らない。え、マジでアイツ何回ヤッたの!?ドロリと私の中から出てきたそれに、小さく声を漏らすと悟が気付いたらしい。私の隣に座った。

「じゃ、理玖起きたから切るわ。…あ?分かってるって。じゃあな。」
「…けほっ、」
「あ、水飲むよな。」

冷蔵庫から天然水と書かれたペットボトルを取って、悟は蓋を開けてそれを私に渡した。力の入らない体でそっとペットボトルを握って水を飲む。飲み込んだ水の冷たさが火照ったままの体をひんやりと内側から冷やしてくれる。私が眠って、というか、このラブホに入ってどのくらい時間がたったのかすら分からない。悟が私の頬をそっと撫でた。

「…風呂入ってから高専戻ろうぜ。」
「…ん、けほっ、今、何時?」

自分でも驚くほど声ががさついている。マジか。

「もう夜。傑がどこいんのって電話してきたから、ラブホって言った。」
「それ、絶対やったでしょって、聞かれるやつじゃん、」
「ああ、だから言った。帰ったら俺が報告書出すから理玖は寝てろよ。」
「ん。…てか、何回ヤったの、マジで、」
「6回超えてから数えるのやめた。」
「マジか。」
「風呂入ろうぜ。」
「無理、立てない。」
「連れてってやるから、ほら、」

お姫様だっこをして私を浴室に連れて行くと、悟はシャワーでお湯を出し始めた。そういえばお湯溜めてずっと出しっぱじゃなかった!?大丈夫かこれ、怒られない!?

「あ、お湯は理玖が寝てから止めた。」
「…流石にずっと出しっぱだったの、ヤバくない?」
「いいんじゃね?ん、俺が洗ってやるよ。動けねぇだろ。」
「…もう変なことしないでね。」
「あーしないしない。多分。」
「したら嫌いになるから。」
「分かった絶対しないから。」

悟がそっと私の髪を濡らす。心地いい温度のお湯で私の髪と頭皮を濡らして、備え付けのシャンプーで髪を洗われる。気持ちが良くてうとうとする私を、悟は時折倒れないように支えながら洗ってくれた。顔は流石に寝ぼけながらも自分で洗った。悟の手が私の背中を撫でる。くすぐったくて身を捩る度に、悟はくすくすと笑う。私の胸に伸びてきた手。ボディーソープの泡で滑りがよくなったせいで、未だに体に残った熱はそれを私にダイレクトに伝える。

「なに?洗ってるだけなんだけど。」
「洗い方が、ン、やらしすぎでしょ…、」
「理玖の体がエロ過ぎるのが悪い。」
「タチ悪すぎ、」

ぬるぬると私の体を撫でるように洗われるので、私はもういいからと悟の手を掴んで止めた。

「何で?力入ってないじゃん?」
「自分で、洗うから。」
「俺の掻き出したらまた追加すっから。」
「ほんとクズ!」

何とか自分で体を洗い終えると、ゆっくりと湯船につかる。悟が自分の髪や体を洗うのをぼーっと眺めながら、再び訪れた睡魔に体は力をするりと抜いた。

「理玖!!」
「うっゲホッ、うぇっ、」
「浸かったまま寝るなよ、溺れる。」
「…めっちゃ眠い。」
「もうすぐ終わるから。」

浴槽のへりに腕を置いてなんとか身体を支えていると、悟がシャワーで体を流して浴槽に浸かった。溢れたお湯の音。私の体を後ろから抱きしめるように支える悟の胸に頭を預けてふぅ、と息を吐く。ぬるま湯の中だと悟の体温の方がお湯よりも熱く感じる。ちゅ、とうなじにキスをされる。

「理玖ってうなじにほくろあるよな。」
「あ、うん、らしいね。昔傑から聞いた。」
「…ふーん。」
「何で怒ってんの?」
「いつの話なの、それ。」
「え、初めて会った頃だったっけ。ほら、悟が押し掛けてきたじゃん。あの前に傑と一緒にお風呂入ったって言って、悟が拗ねた時。」
「…ああ、あの頃か。」
「…はぁ…、ヤバい、眠すぎて、」
「もう上がる?」
「…悟温まった?」
「俺は別にどうでもいい。理玖がしんどいだろ。ほら、抱えてやるから。」
「ん、お願い、」

悟に抱えてもらって浴室からベッドまで運ばれる。ぐったりする私に、浴室までバスタオルを取りに戻った悟。

「ん、拭いてやる。」
「ありがと。アフターサービスいいね。」
「理玖にしかサービスしねぇし。つーか、もう日付変わってるし電車ねぇじゃん。」
「え、マジ?帰れないじゃん。」
「タクシーで帰るか、朝帰りするかだな。俺としては理玖の事独り占めできるから朝帰りがいい。」
「…そう言うと思った。」
「嬉しくねぇの?」
「嬉しいよ、悟ありがとう。」
「ん、理玖愛してる。」
「…なんでそんなに私のこと愛してくれるの?」
「は?んなの、…あー…やっぱハズいから言ってやんねぇ。」

そう言うと、悟は私の頭にバスタオルを被せた。バスタオルを捲って悟の顔を見る。耳まで赤くなった悟と目が合うと、見んな、とまたバスタオルで隠された。髪を乾かして歯磨きをして、バスローブを着て二人で布団に入ると、悟は私に腕枕をしてくれた。私の意識が再び落ちかけた時、悟は私にキスをした。

「愛してる、理玖。俺の理玖。」

酷く優しく悲しい声だった。


次の日、目を覚ました私は真っ先にセレクトして、反転術式で腰の痛みを取った。前も思ったけど、ヤり過ぎて痛めた腰を反転術式で治す奴なんて私くらいじゃない?しかも負傷扱いするから思わず笑っちゃったよ。ベッドの下に脱ぎ散らかされた制服と下着を身に着けて、悟と2人でラブホを出る。黒い車が停まっていた。ガチャ、と運転席のドアが開いて、

「五条さん、廻神さん!」
「え、荒井さん!?」
「は?帰っていいっつったじゃん。」
「未成年をこんな所に置いて帰れません!それにいつまで経っても出てこないし、何度電話しても出ないから、心配したんですよ!?」
「はぁ…マジでだりぃな。」
「こら悟。荒井さん、ご迷惑おかけしました。呪霊は無事に祓ったので、もう大丈夫です。」
「…それならいいんですが…。終わったなら高専まで戻りましょう。乗ってください。」

荒井さんの車に乗って高専に戻ると、下着と靴下を替えに一度寮の部屋に戻った。着替えて教室に行くと、3人は既に来ていた。

「おはよ〜。」
「おはよう、理玖。昨日はお楽しみだったみたいだね。」
「そりゃもう俺とこれでもかってくらい愛し合ったからな。」
「理玖お疲れ。災難だったね。」
「もうホント疲れた。もう一生分くらいヤられた。」
「じゃあ次は私とヤろうか。前みたいに天国を見せてあげるよ。」
「ホント勘弁してよ。そういえば夜蛾先生は?」
「任務だってさー。4人揃ったら体術の実技やれって言われてる。」
「おっけー。じゃあグラウンド集合ね。硝子、着替えに行こ?」
「うん。」
「理玖、私と裸の実技をしようか。」
「俺も俺も。」
「いやもうほんとやめて。」



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