本日の動画投稿は諸事情によりお休みします!


次の日、私が目を覚ますとお兄ちゃんは、

「え…お兄ちゃん…?」

私の胸に顔を埋めて寝ていた。…そういえば、私今…ノーブラだ…!!!思い出して体中が熱くなる。お兄ちゃんが寝ぼけながら私の胸を鷲掴みにした。ビックリして体がはねる。お兄ちゃんが私の胸にぐりぐりと顔を押し付けた。お、起きてるの?寝てるの…?どっち…?

「お、起きて、お兄ちゃん…、」
「……、」
「んっ、」
「……、」
「お、おにい、ちゃん、」
「…んん…、」

もぞもぞと動くお兄ちゃんの手が、ルームウェアの下から侵入してきた。こ、これ絶対起きてるでしょ…?!

「ゃ、やめて、お兄ちゃん…!」
「ん〜…むにゃむにゃ、」
「ぁっ、ゃだ、」

胸を直に揉まれて小さく声が漏れた。私の太ももに当たった硬いナニか。お兄ちゃんの肩を押すけどびくともしない。

「馨、そろそろ帰…る…、は?」
「…不潔ね。」

お兄ちゃんの部屋のドアが開いて、真希ちゃんと真依ちゃんが顔を覗かせた。私の胸に顔を埋めているお兄ちゃんを見つけて、2人が顔を顰めている。助かった…!

「た、たすけてぇ、」
「んのクソ兄貴が!!」
「もう大丈夫よ、馨。」

真希ちゃんがお兄ちゃんを引っぺがした。真依ちゃんに抱きしめられて頭を撫でられる。この二人、本当に中2…?

「んぁ…?何やってんの、お前ら。」
「それはこっちのセリフだ!妹襲ってんじゃねぇよ、クソが!」
「は?何の話?確かに夢の中では何万回とヤったけど…、え?マジ?」
「最低ね。」
「〜っ、」

お兄ちゃんは真希ちゃんにげんこつをされていた。2人が帰ると、お兄ちゃんがトイレに籠った。私はお風呂に入る。お風呂から出ると、お兄ちゃんが朝ご飯を作っていた。

「…その、悪かった。」
「…う、うん、」
「…飯食ったら俺も風呂入るから。」
「…うん、私動画チェックしてるね。」

なんだか気まずくなってしまって、お兄ちゃんとうまく目を合わせられなくなった。朝食を食べ終えるとパソコンで動画を編集していく。お兄ちゃんがお風呂から出てきて、タオルで髪を拭きながら私の隣に座った。お兄ちゃんの匂いを思い出して顔が熱くなる。

「…馨、」
「な、なに?」
「…こっち向けよ。」
「…ぅ、」

ゆっくりとお兄ちゃんを見上げると、私と同じ碧眼が私を見つめていた。今朝のことを思い出して顔から湯気が出そうなくらいクラクラした。お兄ちゃんが私に手を伸ばす。ドキドキして思わず目をつむると、頭に乗ったお兄ちゃんの大きな手。恐る恐る目を開く。

「…あぁ〜っ、くそ!!」
「!?」
「馨が可愛すぎるのが悪い。」

そう言ってお兄ちゃんが私の体を引き寄せた。心臓が破裂しそうなほど暴れている。

「…馨のこと好き。」
「…ぇ…、」
「妹としてじゃなくて…その、女として…。」
「ぁ、ぅ…、」
「…馨が昨日キスしたの知ってるし、俺のこと本当は好きなのも知ってる。」
「え、え!?嘘…、」

き、昨日、起きてたの…!?

「こっち見ろよ。」

お兄ちゃんが私の頬を撫でた。お兄ちゃんを見上げればその目に吸い込まれる。近付いてきたお兄ちゃんの顔。触れた唇、離れて、また触れた。

「好き、馨。」
「ぅ、わ、たしも…お兄ちゃんのこと、好き…、」
「…好き。」
「…ぅ…で、も、兄妹で、ダメだよ…こんなの…、」
「んなの誰にも言わなきゃいいだろ。」
「えぇ!?無理だよ…絶対いつかバレちゃうって…!」
「そう思ってるってことは、俺と付き合いたいとは思ってんだろ?じゃあいいじゃん。」

そう言ってお兄ちゃんが私をソファに押し倒す。

「お、兄ちゃん…、」
「悟って呼べよ。」
「ぇ…でも…、」
「いいから。」
「…っ、」

お兄ちゃんの顔が近付いてきて、私は恥ずかしくて両手で顔を覆った。お兄ちゃんが私の手を剝がそうとする。

「ぁ、さ…、悟…お兄ちゃん、」
「…ま、今はまだこれでいっか。馨、好き。」
「ぅ…、好き…、」

唇が触れる。

「…うし、動画編集すっか。」
「え、あ…うん、」
「ココア入れて?」
「あ、うん、わかった…、」

お兄ちゃんの体が離れて、私は逃げるようにキッチンに向かう。お兄ちゃんのグラスを手に取って、牛乳を冷蔵庫から取り出す。目安の分量より多めが好きなお兄ちゃんにアイスココアを作りながら、触れた唇の感触を思い出して恥ずかしさにその場に蹲った。

「ぅ…どうしよう、まともに顔見れなくなっちゃう…、」

アイスココアを作ってリビングに戻ると、さっきのことが何でもなかったように普段通りのお兄ちゃんがいた。動画編集用のブルーライトカット眼鏡をかけて、パソコンを操作する背中。テーブルにグラスを置いて、少し離れて座る。

「ん、サンキュ。」
「ぅん…、」
「…なんでそんな遠いわけ?いつもみたいに隣来いよ。」
「無、無理…恥ずかしすぎる…!」
「フッ、」

グラスを手にココアを飲むお兄ちゃんをちらりと盗み見る。ココアを飲み込んで上下する喉元がすごく色っぽくて、いつもはそんなに意識したことなかったのに、

「そんなに見るなら襲うから。」
「えっ!?ご、ごめん、」
「次の動画の企画、何するか考えとけよ。」
「あ、うん、わかった…、」

私ばっかりお兄ちゃんを意識してドキドキしてる。ダメダメ、切り替えなきゃ…!スマホを手に取ってJwitterを確認しながら、思いついたネタをメモに記入していく。…そういえば、

「…前配信の時に、ルーティーン動画リクエストされてたよね?」
「あー…そういやそうだった。明日それするか。」
「部屋にカメラ置きっぱなし?」
「あー別にその都度でもいいんじゃね?学校行ってる間は録るの無理だし。」
「わかった。」

次の動画の準備をしながら、今日は私がお昼ご飯を作った。向かい合って食べる食事がなんだかいつもと違うように感じて、明日の動画に支障が出ないか心配になる。

「今日中に動画上げれそうにねぇな…。」
「さすがに40時間ある動画を編集するのは…、」
「あとで配信する?」
「じゃあ、投稿なしで、配信のみってこと?」
「ん。ジュイートよろしく。」
「うん、わかった。」

『るんるんチャンネル:本日の動画投稿は諸事情によりお休みします!あとで配信はすると思うので、そちらを楽しみにしていてください! 馨』
『西中の虎:@るんるんチャンネル 昨日?今朝?は桃鉄お疲れさま!ゆっくり休んでね!』
『恵:@るんるんチャンネル 桃鉄配信お疲れさまでした。次も楽しみにしてます。』
『おにぎり:@るんるんチャンネル ツナツナ!高菜?すじこ!(*^^*)』
『モブ子:@るんるんチャンネル 2人とも配信お疲れサマンサー!動画上がるの楽しみにしてます!あと配信も!』
『モブ美:@るんるんチャンネル お疲れサマンサー!無理せず体休めてください!』
『傑:@るんるんチャンネル お疲れさま。配信楽しみに待ってるよ。』
『73:@るんるんチャンネル お疲れ様です。無理せずに。』
『伊地知潔高:@るんるんチャンネル お疲れさまでした。次の動画も配信も楽しみにしてます。』
『モブ代:@るんるんチャンネル 悟君も馨ちゃんもゆっくり休んでね!真希真衣ちゃんズもお疲れサマンサー!』

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