配信:仲良し兄妹で心霊スポットに行ってみた!


かくして私たち兄妹は、おニューの服で心霊スポットへ向かうことに。必要な荷物と機材を持って、タクシーに乗り込む。Jwitterで配信をする予告ジュイートをすれば、すぐにハートとリジュイートが付いた。

「あ、さっきの西中の虎さんがリジュイートしてる。」
「俺もされたわ。つかこの辺の心スポって家バレしそうじゃん。遠いとこ行こうぜ。」
「明日起こしてくれるならいいけど。」
「チューして起こす。」

家から離れた心霊スポットのトンネルに到着すると、機材の準備をした。Yon Tubeの配信を開始すると、Jwitterで配信開始のジュイートをする。

「るんるんチャンネルをご覧の皆さん、お疲れサマンサー!皆のお兄ちゃん、悟でーす!」
「お疲れサマンサー!皆の妹、馨です!」
「初生配信?」
「だね!今日はなんと、心霊スポットに来てます!」
「見てここ、結構やばそうだよね。」

お兄ちゃんがカメラをトンネルに向ける。コメントを確認する用のタブレットから、すぐにコメントを読み上げた。

「あ、西中の虎さん、コメントありがとう!さっきもハートとリジュイート一番乗りだったね?」
【西中の虎:馨ちゃん可愛い!コメント読んでくれてありがと!】
【脹相:俺こそが真のお兄ちゃんだ。】
「脹相さん、真のお兄ちゃんって何?馨は皆の妹だよ!ありがとう、お兄ちゃん!」
【脹相:脹相お兄ちゃんと呼んでくれ。】
「馨は僕の妹だから。」
「マジレスやめろ。じゃ、今から心霊スポットの××トンネル行ってみまーす!」
「馨怖がりだから、お兄ちゃんと手繋ご。」
「お兄ちゃんが怖がってない?あ、コメントちゃんと読んでるからね!」
【傑:二人とも気を付けてね。】
「あ、傑さん、ありがとう!」
【恵:××トンネルってマジで出ます。】
「マジ?ウケるね。」
「え、ほんとに出るの!?待って、やめよう!?」
【西中の虎:馨ちゃんマジで怖がりなんだ?】
【脹相:脹相お兄ちゃんと呼んでくれ!!】
「ほら馨、行くよー。」
「やだあああ!」

お兄ちゃんに手を引かれてトンネルの中に入る。薄暗くて不気味な風が吹いていた。

「え、待って、待って!?お兄ちゃん早い…!」
「見てこの馨、超怖がってかわいいでしょ?」
【73:嫌がる妹を無理矢理連れまわしてかわいそうです。】
「わーん!73さんありがとう!私の味方!」
【脹相:脹相お兄ちゃんと呼んでくれ!!!!】
「脹相お兄ちゃん!」
「あ、馨!」
【脹相:¥30,000】
「脹相さん!?スパチャありがとう!」
【傑:スパチャってなんだい?】
【恵:投げ銭です。】
【傑:ありがとう。どうするのかな?】
【恵:知りません。】
「わっ!」
「きゃああ!」

突然お兄ちゃんが私を驚かしてきた。持っていたタブレットを落としそうになって、慌てて拾い上げる。お兄ちゃんが笑いながら私を映している。私は泣きながらお兄ちゃんを睨んだ。

「馨可愛い。」
「もう!お兄ちゃんのバカ!」
【西中の虎:馨ちゃん大丈夫!?】
【脹相:俺こそが真のお兄ちゃんだ。もう一度脹相お兄ちゃんと呼んでくれ!】
【傑:怖がる馨も可愛いね。】
【恵:馨さん可愛いっスね。】
【パンダ:今北産業。】
【恵:心霊スポット、怖がる馨さん、無理矢理。】
【パンダ:把握。】
【おにぎり:明太子!】
【おにぎり:ツナマヨ?】
【恵:すみません、わかりません。】
【西中の虎:馨ちゃん好き!】
【73:なんですかこのコメント欄。】
「よしよし、馨怖くない怖くない。最強のお兄ちゃんがついてるよー?」
「もうやだぁ…帰ろうよぉ…、」
「あ、泣いちゃった。見て、馨が泣いてる。可愛い。」
【西中の虎:悟くんが泣かせた!】
「僕の馨なんだから僕が泣かせてもよくない?こんなかわいい妹いじめない奴いないでしょ。」
【西中の虎:鬼!悪魔!】
【おにぎり:おかか!高菜、こんぶ!】
【傑:シスコン。】
「どれも僕への誉め言葉じゃん?」
「皆、こんな大人にならないでね?」
【脹相:馨!脹相お兄ちゃんと呼んでくれ!】
「脹相お兄ちゃんは私のこといじめないよね?」
【脹相:¥50,000】
「え!?脹相お兄ちゃん!?」
【脹相:¥100,000】

トンネルを抜けると、配信を〆る挨拶をした。結局何も映っていなかったみたいだけど、あとでお兄ちゃんが編集しようと見なおしたら変な声が入っていたらしい。

『るんるんチャンネル:今日の配信動画編集してたら変な声入ってた。悟』

このジュイートがバズって、フォロワーが50人近く増えた。そして、脹相さんはスパチャで合計25万円も投げてくれた。

「ねえ、この脹相さんって絶対やばい人だよね?」
「馨ぜってぇ一人で出歩くなよ。」
「うん。」

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