仲良し兄妹が猫を飼ってみた!


猫カフェ配信から数日後、俺と馨はまたあの保護猫カフェに来ていた。馨がどうしても飼いたいと言うあのでっかい白猫を、お試しで引き取るためだ。トライアル期間とかいう奴。俺はあの猫ちょっとムカつく。俺の馨独占しやがって。あの配信の日、直哉の乱入もあって騒がしくなった俺達は、馨にこっぴどく叱られた。直哉は店から追い出されて、俺も馨にげんこつを食らった。その間もずっとあの猫は馨の膝の上で太々しい顔で俺のこと見てたし、何ならフンって鼻で笑ってた。アイツムカつく。なんだよ、猫のくせしてサングラスなんか掛けやがって。でも馨がどうしても飼いたいってさ。俺に似てるからだって。…そんなこと言われたら飼うしかねぇじゃん。だから今日までに必要な物は全部買い揃えて、猫を飼うのに最適な環境整備もした。トライアル期間についての注意事項をもう一度説明されて、持って来た特大ゲージに猫を入れて連れて帰った。車で移動中も猫は大人しかった。

「今日からよろしくね、猫ちゃん!」
「名前なににすんの?」
「んー…何にしようか?」
「とりあえず録りながら考えてみるか。」

部屋についてカメラのセッティングをした。その間もずっと猫は大人しかった。

「るんるんチャンネルをご覧の皆さん、お疲れサマンサー!皆のお兄ちゃん、悟だよー!」
「お疲れサマンサー!皆の妹、馨です!」
「今日は、少し前に配信で行った保護猫カフェから、猫を引き取ることになったよ!」
「最初はトライアル期間と言って、猫ちゃんが安心して家で暮らせるように、今日から2週間くらいお試しで飼うっていう期間です!」
「さっき引き取って来たので、今から猫ちゃんにお家を見てもらいまーす!」

僕がカメラをケージに向け、馨がケージの蓋を開けた。猫は匂いを嗅ぎながらのしのしとケージから出てきて、馨の匂いをすんすん嗅いだ。

「馨名前なにするの?」
「んー…、お兄ちゃん。」
「え、僕?」
「うふふ、冗談。お兄ちゃんと区別つかなくなっちゃうから!」
「僕の事悟って呼べばいいじゃん。」
「うーん…、あ!」
「なに?」

猫はトイレを見つけて中に入った。ざりざりと砂の音がする。

「五条家の猫だから、ごじょにゃん!」
「ジ〇ニャンみたいじゃん。」
「えー、可愛くない?」
「ごじょにゃん?」
「にゃあおん、」
「ほら可愛いって!ね?ごじょにゃん!」
「みゃ!」
「名前はごじょにゃんに決定です!」
「なぁおん!」
「おいでごじょにゃん!」
「僕にも触らせてよ、ごじょにゃん〜。」

僕の声には目もくれず、ごじょにゃんは馨の手にすり寄った。馨は嬉しそうにごじょにゃんを撫でている。

「ごじょにゃーん、僕も、」
「シャー!」
「何で僕めっちゃキレられてんの?」
「あはははっ、」
「馨めっちゃ笑うじゃん。」
「お兄ちゃんじゅ〜るあげてみたら?」
「あ、その手があった!」

僕は事前に買っておいた猫の好物チャオじゅ〜るを取り出した。封を切ってごじょにゃんの目の前にちらつかせる。ごじょにゃんが鼻をヒクつかせながら僕の手からじゅ〜るを叩き落として、自分でガジガジと食べ始めた。馨がじゅ〜るを拾って絞り出してやると、ごじょにゃんは満足そうにじゅ〜るを舐めていく。

「いってぇ!なんでぇ!?ねぇなんでぇ!?」
「お兄ちゃん大丈夫?」
「もう!僕コイツやだ!全然可愛くないじゃん!」
「お兄ちゃん、そんなこと言わないでよぉ…。まだ慣れてないだけだと思うから、様子見ていこ?」
「…馨、僕の事よしよしして。」
「はいはいよしよし。」
「ん、ぎゅーして!」
「もう…、ほら、ぎゅー。」

馨が僕を甘やかしてくれる間も、カメラはごじょにゃんに向けていた。どうだごじょにゃん、馨は僕のだぞ!!

「みゃおん?」
「ん〜?」

ごじょにゃんが床に寝転がってごろんごろんと馨を誘っている。馨が僕から離れてごじょにゃんの方に向かう。くぅ!!!

「馨、ほら!僕もごろんってしてるよ!ほら!!」
「お兄ちゃんまで何やってんの?」
「もう!僕にもかまって!!」
「わっ、ちょ、苦しいってば!」

僕はカメラを持ったまま馨にぎゅうっとしがみ付いた。そのまま馨を床に押し倒す。カメラはごじょにゃんに向けた。

「お兄ちゃん、ちょっと、」
「馨…僕にもかまうって言ったじゃん…。」
「もう、ごめんってば、」
「ちゅーして!!」
「えぇ!?」
「ちゅーしてくれたら許す!」
「撮影中でしょ?!」
「カットするからいいの。ちゅーして!」
「…もう、」

馨が僕に手を伸ばした。僕は馨の手にすり寄ってじっと目を見つめる。馨の顔が赤くなっていく。

「顔面の無駄使いやめて…、」
「馨に使わなきゃどこで使うわけ?」
「…もうっ、ちゃんとカットしてよ?」
「するする!」

馨が僕にキスをする。僕は馨の唇を割って舌を入れた。馨が僕の舌に応えてくれる。キスをしながら馨の胸を揉むと、馨は僕の手を掴んだ。

「ね、待って、終わってからじゃなきゃやだ、」
「終わったらシていい?」
「…撮影終わったらね?」
「ん、じゃあもうちょっとだけ、」

馨にもう一度キスをして、体を起こす。馨の手を引いて起き上がらせると、ごじょにゃんはじっと僕を睨むように見ていた。カメラを拾い上げてごじょにゃんを録りなおす。

「馨、ごじょにゃんのサングラス外してみてよ、」
「あ、私も気になってた!ごじょにゃん、サングラス取っていい?」
「んにゃ。」
「失礼しまーす!」

カチャリとサングラスを外す。ごじょにゃんは俺達と同じ碧い目をしていた。…マジか。え、マジ?

「すごーい!目までお兄ちゃんそっくり!」
「いや、目は馨も同じでしょ。」
「え、ねぇ凄いよ?カメラもっと寄ってみて!」
「ごじょにゃーん、目見せてー。」
「凄い、目も綺麗!わー!やっぱりごじょにゃんはお兄ちゃんそっくり!かわいい!」

馨がごじょにゃんを抱き上げる。ごじょにゃんが僕にフッと笑った気がした。この日から、僕とごじょにゃんの馨争奪戦が始まったことは言うまでもないでしょ。

『るんるんチャンネル:お疲れサマンサー!(´▽`*)今日は先日お邪魔した保護猫カフェで出会った猫様をお迎えして来ました!まだトライアル期間だけど、このまま家で飼えるといいなぁ!( *´艸`)保護猫カフェさんのURL貼っておきます![保護猫カフェ○○…] 馨』
『西中の虎:@るんるんチャンネル こないだの猫!!馨さん今日もかわいい!!』
『恵:@るんるんチャンネル 今度行ってみます。』
 『西中の虎:@恵 伏黒いつも誰と行くの?』
 『恵:@西中の虎 津美紀くらいしかいねーよ。聞くないちいち。』
『おにぎり:@るんるんチャンネル しゃけ!ツナマヨ、すじこ?高菜!(=^・^=)』
『脹相:@るんるんチャンネル 馨!!俺も猫を飼うぞ!!俺の家に来てくれ!!』
 『るんるんチャンネル:@脹相 行かせるかよ!! 悟』
『73:@るんるんチャンネル 見た目だけでなく性格までお兄さんそっくりですね。』
 『るんるんチャンネル:@73 お兄ちゃんが増えた気分!でも楽しいよ!(*'ω'*) 馨』
 『73:@るんるんチャンネル それは大変だ。』
『ゆうた:@るんるんチャンネル 今度彼女と行ってみます!猫可愛いですね!(´▽`*)』
 『里香:@ゆうた 行きたーい!(´▽`*)』
 『ゆうた:@里香 行こう!(´▽`*)』
『はいばら:@るんるんチャンネル 猫いいなあ!僕も触らせてもらえるかな?(笑)』
 『るんるんチャンネル:@はいばら ちゃんと飼い始めたら七海君と遊びに来て!(*´ω`*) 馨』
『直哉ちゃんねる:@るんるんチャンネル 馨ちゃん俺も触りたいから今度お邪魔させてもらおか!あと俺の事も撫でまわしてええよ、馨ちゃんだけ特別♡』
 『るんるんチャンネル:@直哉ちゃんねる スマホだけじゃなくて頭もカチ割ってやるわ。 悟』
 『直哉ちゃんねる:@るんるんチャンネル 悟君俺のスマホ割ったんやから弁償しい。』
 『るんるんチャンネル:@直哉ちゃんねる やだね!!!! 悟』
『モブ美:@るんるんチャンネル あの悟君似の猫ちゃんを!?!?ひぇええ悟君が2人いる気分…!!!』
『モブ佳:@るんるんチャンネル 私の見間違いじゃなければごじょにゃん馨ちゃんの胸触ってますよね、ドヤ顔で…( ˘ω˘ )』
 『モブ子:@モブ佳 私も見ました!!あれは間違いなく確信犯です!!( ˘ω˘ )』
 『モブ佳:@モブ子 ですよね!?悟君ライバル出現!?ひええええい!!!⊂⌒~⊃。Д。)⊃』
『モブ子:@るんるんチャンネル 悟君と猫ちゃんのマウント合戦最高です!!!⊂⌒~⊃。Д。)⊃』
『硝子:@るんるんチャンネル 触りたい。』
 『るんるんチャンネル:@硝子 硝子ちゃん遊びに来て!(*'ω'*) 馨』
『傑:@るんるんチャンネル 悟が2匹…。』
 『るんるんチャンネル:@傑 可愛いよ!傑君も今度遊びに来てね! 馨』
 『傑:@るんるんチャンネル 是非お邪魔させてもらうよ。面白そうだ。』
『パンダ:@るんるんチャンネル パンダも飼わない?』
 『おにぎり:パンダ ツナマヨ、おかか…( ˘ω˘ )』
 『パンダ:@おにぎり だからパンダに優しい世界はよ!!』
『野薔薇様:@るんるんチャンネル あの猫マジで飼うんですか!?可愛いけど太々しい…。』
『モブ代:@るんるんチャンネル ひぇえごじょにゃん!?かわいいが過ぎるし悟君に似ててビックリ!!』
『モブ菜:@るんるんチャンネル かまってちゃんな悟君可愛すぎて泣いた…(ノД`)・゜・。』
『呪いの王:@るんるんチャンネル どんな味がするのか楽しみだな。ケヒッケヒッケヒッケヒッ(`・ω・´)』
 『裏梅:@呪いの王 宿儺様、流石に猫は…。( ˘ω˘ )』
 『呪いの王:@裏梅 Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン』

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