4
今までなら、一緒に入ってたのになんで。
疑問が顔に出てたのだろう。
俺の顔を見て、気まずそうに彼は硬い微笑みをその顔に浮かべて肩をすくめた。
「ただのきまぐれだから。まーくんが気にするほどのことでもないよ」
「…う、ん」
一応頷いてみたものの、何かを蒼が隠そうとしている気がして、その真意を探りたくなる。
そういえば、その…ヤッてるときも蒼は着物を着たままだった。
…何か隠さないといけないようなことでもあるのか、と邪推してしまう。
…隠さないといけないこと…。
着物の下に…何かが、ある…?
蒼が…俺に知られたくないこと…、と言えば。
俺に思い当たる点なんて一つしかないわけで。
「……」
じっとその着物の下を見透かすように見ていると、彼は「本当に大したことじゃないから」と笑って、俺から目を逸らした。
その仕草にずきりと胸が痛む。
彼の手を握る手に、無意識に力が入った。
(…もしかして、)
いや、そんなわけないだろう。でももしかしたら、なんて考えて。
「…キス、マークとか、」
あるの…だろうか。
あの濃厚なキスシーンを思い出して、小さく呟いてみれば。
「…え、」
蒼が驚いたような表情をして、動きをとめた。
[back][TOP]栞を挟む