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視界が滲む。肩で息をしつつ上を見上げると、蒼は相変わらず冷たい表情のままで。

今している行為に似つかわしくない、綺麗な顔に浮かぶその冷え切った感情に、怖くて逃げ出したくてたまらない。

トロトロの後孔に濡れた熱い質量が当てられ、反射的に腰を引くと蕩けている肉の間をこじ開けるように熱が入ってくる。
ヌププ、と亀頭が閉じた狭い空間を無理やりその形に合うように広げ、びくびく小さくヒクつく内壁をゴリゴリ擦る。首を横に振っても止められることなく纏わりつく肉襞を掻き分け、肚を犯す圧迫感を強くしながら奥へと進んでくる。

……っ、でか、い。長い。痛い。硬い。熱い。


「っ、ぁ゛、ぅ、…っ、は、ぐ、…、っ」

「やっぱりまーくんのナカが一番安心する…」

「ぁ、ぐ…ぅっ、!ぅぁ゛ああっ、!!」


安堵のような吐息交じりの声が聞こえた直後、我慢できないというように腰を掴んで勢いよく抜き差しされる。
亀頭が、何度も肚の奥を力強く叩いて押し潰してくる。

(奥、奥が潰されて、頭、が…)

火照る肌によって汗がぶわっと滲み、めまいがしそうなほど小刻みに揺さぶられる身体。
結合部から激しい粘稠音が聞こえて、深くつながっているせいで、引き抜かれるとき吸い付いていた肉襞が性器にひきずられて体内のすべてを持っていかれそうな感覚に陥った。
必死にその動きに振り落とされないように、目をつぶって、蒼の首に腕を回してぎゅっとしがみつく。

怖い。怖い。

硬くて大きい性器が容赦なく、俺の奥深くを突く。


「可愛い…っ、可愛いな、まーくんは。なんでこんなに、可愛いんだろう…」

「ぁ゛ぅ…ッ、あ…っ、ぐ、っ゛、…ッ!!」


そんな甘い言葉を囁く癖に、下から突き上げてくるその行為は優しくなくていつもより激しい。
散々解されたソコは、蒼のモノが入ってくるたびに抵抗を見せながらも従順にその形に拡げられる。
意思に反して相手の望むように、これでもかというほど吸い付いて離さない。


(……ぎゅうぎゅう勝手に、締め付けるなよ…っ)


しかしそうなるようにされてしまった。
下腹部全体が甘く痺れ、汗が異常なほどに滲んだ。

痛みよりも大きい、途方もない快感の波が押し寄せてきて、息ができない。
女だったら子宮があるだろう最奥まで何度も突き上げられて、視界が真っ白になった。

(気持ちよく…なりたくなんてないのに、)

腰全体が甘く痺れ、熱い吐息をもらし、びくびくと膝と腰が痙攣する。
絶頂し、咥え込んでいるモノを限界まで締め付けているその合間にも、感覚が鋭くなっている肉壁を強引にゴリゴリ擦って、蕩けた最奥を激しく怒涛に突き上げられてはたまらなかった。


「は、ぁ゛あっ、!ぅ゛、ぃ゛っ、!ぁっ、ぁ゛ああ゛――っ!」


泣き叫び、身悶える。

同時に蒼のモノを今まで以上にギューッと締め付ければ、ドン、と限界まで腰を押し付けられて、ゴリゴリ最奥を押し上げて潰されながら密着したまま動きが止まる。

少し驚きを滲ませ、息を呑む気配。小さく堪えるような息遣いが聞こえて「…っ、ゔ、ぁ…」声が漏れるほど、途方もなく大量の熱い液体が凄い勢いで身体の奥に打ち付けられる。

それさえも気持ち良すぎて、ガクガク痙攣しながら、最後の一滴まで余すところなく精子を搾り取るように勝手に肉壁がうねり、吸盤の如く吸いつく。
絡んだ肉壁が更に扱くことで、咥え込んだ性器が吐き出した後も射精を促されては残りを吸われ、びゅくびゅくしている。


「…っ、は…っ、ぁ、ぅ゛、…っ、う…」


絶頂の余韻にモノが考えられなくなる。
しばらくし、息をつけた頃に肚の奥に感じる多く生暖かい量の正体を実感し、青ざめる。


(…また、ナカに出された)


ぎゅっとつぶった目から、涙が零れ落ちる。
奥に咥え込んでいたモノがゆっくり抜かれていく。
カリに肉襞を擦り上げられる感覚に背筋をのけぞらせ、震えた。最後までグポ…と抜かれると、ナカから溢れた精液も一緒に零れ落ちる。…微かに痙攣し、安堵に息を吐いた。

——瞬間、俺の腰を掴んでいる両手に少し力が込められる。だらしなく開いた股。ごぽ、っと白い粘稠液を尻に垂らしている場所に何かがくっついて「…ぇ、っ?…ッ、!!…っ、が、ぁ、は…っ」イッたばかりでひくひく震えて敏感な肚の奥に思いきり突き入れられた。

ごりっと膨らんだ前立腺を捏ねられ、背筋が反る。
自然と尻が上がる体勢になり、更に挿入しやすくなったその隙を逃すまいとまたけたたましい音を立てて腰をぶつけられ、絶頂後で甘く感覚が鋭すぎる奥を意識が飛ぶ程たて続けに押し潰しながらピストンしてきた。


「ぅ゛あ゛あぁああっ!!!」


強すぎる快感に涙を流して踠く。激しい律動を繰り返されながらも必死に逃げようとした。
でもそれを許されるはずもなく、腰を掴まれたまま小刻みに奥を小突かれ続け、脚が震えながらびくつき、腰がくねり、背中が更に弓なりになる。


「っ、ぁ、ぃ゛っ、ぃ゛ぁ゛ぅ゛っ、」


ぷしゅっと尿道から水みたいなのが出て、張りつめた身体に力が入らなくなる。


「漏らしてるまーくん、凄い可愛い…」


嬉しそうな声とともに、追い打ちをかけるように腰を打ち付けられながら、まだ壊れてるみたいにおしっこを出している敏感すぎてやばい亀頭を優しく握った手のひらでヌルヌル擦られ、喉が枯れるほど叫び身を捩った。


「っ、は、ぐ、ぅぅ゛っ、や゛、…っ!おか、じぐなぁ゛…ッ!ぁ゛ぅ、っ…ッ!!」

「もっと感じて」


熱い肚の中をドチュドチュされて奥を潰されるのもただでさえ感じすぎて嫌なのに、しかも今わざわざ尿道口あたりをぐちゃぐちゃにされてはたまったものではなかった。
吸い付いた内壁がびくびくっぎゅうぎゅう異常なほど彼の昂った肉棒を扱き、身体は限界を迎えているのに更なる高みへと誘おうとする。
歯を食いしばり、脳の血管が切れそうなほどの快感に頭がおかしくなる。


「…っ、ぃ゛!ぃ、ぐ、まら゛、ひぐっ、っや、だ…ぁ゛…っ!」


ぎゅうっ、びくん、ひくっ、びくっ

これ以上イッたら頭がおかしくなる。
変になる。
感じすぎて怖い。


「…っ、は、…本当に嫌?…欲しがってるみたいに滅茶苦茶キツく締めつけてくるけど」

「ひ、ぁ、あ゛、ぅゔ…っ!!や…っ、ぁ゛、ぐ…ッ」


ドロドロに蕩けているナカの感触を味わうようにねっとり動かされる。

スローな抜き差しでさえも、ねちゅ、ぬぢゅ…と粘ついた厭らしい水音が部屋に響く。

熱く蕩けまくった肚の内部で奥まで締め付けて悶える。
声にならない悲鳴とともに、何度目か分からない絶頂。
そんな自分が悲しくて、惨めで、ぼろぼろ泣く俺の涙を拭って蒼が笑った。


「…っ、可愛すぎる」


口を塞がれて、舌で歯茎を舐めまわすように口内を貪られる。

舌を絡められて、ちゅうと吸われると腰が更に甘く痺れる。
それと同時に、深く肚に咥え込んでいたモノでトントンとノックするように奥を潰された。身体がその動きに合わせて揺れる。
意識を失いそうになって、でも奥を亀頭で押し潰されるたびに無理矢理思考が覚醒させられた。


「は…ッ、ぁア゛…ッ、ぁ…っ」


口に含みきれない唾液が唇の端から零れる。無意識に舌の動きを追いかけ、甘く擦られる。


「ぁふ…っ、ん…っ」


お互いの熱くなった吐息を重ね合わせ、口内を這いまわる舌に視界がぼやけてくる。

(苦しい…)

酸素不足で、頭がぼーっとする。
くらくらする。

あまりにも口を塞がれる時間が長くて、呼吸ができない。
胸に手をあてて身体を離そうとすれば、それを拒むようにぎゅううと強く抱きしめられた。
舌の感覚がなくなるほど散々口の中を嬲られた後、やっとのことで唇が離れる。やっとのことで唇が離れる。吐息を零した蒼が、口角を上げて微笑んだ。


「いっそのこと、このまま窒息するぐらいキスして、一緒に死ぬっていうのもいいかもな」

「…っ、…」


その言葉にどう反応すればいいかわからなくて、何も返せずにいると「…なんて、嘘だよ」って冗談めいた声が聞こえて、少し安心する。


「……俺の気が済むまで、頑張って」


そうして、わざとらしく肚の中で動かされて音を鳴らすソレに、もういっそ気を失えばいいのにと心から思った。

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学校で男子生徒に付きまとわれたせいで、イライラした蒼の八つ当たり。
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