14

たくさん蒼を苦しめて。
俊介にも迷惑をかけて。

涙が頬に伝う。


「……っ」


そんな俺を見て、蒼が顔を歪める。
その綺麗な唇が、歪に弧を描いた。


「…そうだよ。まーくんは悪い子だから、こんなことされるんだよ」

「…――ッ、う、あ…ッ、おれ…っ、おれ…っは、…っわるい、こ?」


息が詰まる。
心が痛い。潰れる。


「…――そう、まーくんは悪い子」

「…っ!!う…っあぁ゛…ッ、あ…ッ、や…、だ…っ、ぬい、て…っ、…」


その言葉に、胸が締め付けられて、痛い。

もう嫌だ、嫌だ。いやだ。

また、律動を再開される。
ぬちゅっ、ぬちゅっと結合部から鳴る音が、耳に届いて耐えられない。


「も、…ひぐ、…いひ、らく、ない…っ…やらぁ…っ、こんな…っ、ので、いく、の、や…っ」

「…舌が回らないぐらい、気持ちいいんだ」

「…っ!ち、が…っ」


友達に犯されて感じてイき続けるなんておかしいのに。

わかってるのに。

…なのに、肚の下の方や奥を痺れさせる熱が、ピストンされる度に膝ががくがくして身体が跳ねる。快感に、のけ反る。
ピストンの速度が速くなり、更に水音が激しくなる。

いきたくない、もういかされたくないと涙を散らしながら抵抗しても、無理矢理感じさせられてしまう身体には無意味なことだった。

きゅん、と下腹部が痺れ、全身が硬く緊張し、広げた両脚がびくびくと痙攣する。

抜かれようとするたびに、ナカがきゅううと収縮する。


「ぁ゛、ぅ、…っ、ぐ゛…っ、ぃ…っ、やだぁ――ッ、やだ…ッ」

「だいっきらい」

「ぐ、ぅぅ゛、やめ…゛っ、ん、っら、ん゛ぁあ…っ、!っ、――ッは、ぁ、あ…」


びくっびくっ

嫌いって言うくせに、律動の合間に唇を塞がれ、なぶるように窒息寸前まで口腔内を荒らされ、舌を吸われた。
それから休む間もなく、何度も何度も同じ場所を腰をもって深く突き上げられる。

(……ぁ、)

更に捩じ込まれて腰を打ち付けられる速度が増し、俺の上で腰を振る彼の、…息遣いが僅かに乱れ、その一瞬…腰の動き方が明らかに変わった。
それがどういう意味か察した瞬間、血の気が引いて嫌だやめてくれと首を横にぶんぶん振った。


「や゛、ぅ゛、ぅ…っ、…ッ、や゛、ら゛ぁ゛っ、ぁ゛、ぁ゛……っ゛、な゛、か…ッ、には、ださ、な゛…――っ、」


必死の懇願に蒼が、凄艶な笑みを零した。

さっきまでとは違う。
微かに、俺がいつも見ていた彼の優しい笑顔が滲んでいて。
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