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さっきよりも勢いが増した律動と、大きく速度を上げた淫音。

甘く痺れている奥を、亀頭でピストンの度に叩いてくる硬い性器に背中が弓なりになる。

でも、それは快感を求めるためという感じじゃなくて。
……恨みを込めるような、怒りをぶつけるような激しい律動。


「俺には、…記憶のない馬鹿な家畜じゃなくて、人殺しのお前が必要だった」

「ひぃっ、ふ…ッ、ん…っ…」

「だから、お前に全部記憶を取り戻してもらわねえといけなかったんだよ…ッ」


言葉遣いは荒いのに、何故か鼓膜を震わすように震えて掠れ気味の声。
ぬちゅぐちゅっと濡れた粘膜を熱い塊が擦りあげて、何度も何度も突いては引き抜かれる。
全身を、内臓を持っていかれるような感覚に更に汗が滲む。
腰を持つ手が、爪が、肉に食い込んで痛い。


「おら…っ、好きって言えよ」

「…っ…あぁ、あっん…あひっ…!」

「俺が捨てられたお前を使ってやる。大切になんかしてやらねぇ。使い捨てのゴミみたいに使い終わったらちゃんと捨ててやる」


体位を変えて、獣のような動きで繰り返し突き上げられる。


「…ッ、は…っ、ぁ…ッ!!」

「…っ、ここまでされて好きだって言えるもんなら言ってみろ…ッ」

「…っ、あ…ッ…ひぁっ…!」


言ってみろ、というわりには全然腰を打ち付けてくる速度が遅くならない。
喘ぎ声と苦痛の声ばかりを吐き出す口から、声を絞り出そうとしてスピードの速い律動のせいで舌を噛みそうになる。


「は…っ、やっぱり言えねぇじゃ――」

「…すき、です…っ」

「ッ」


わざと乱暴に吐き捨てるような声に、躊躇なんてしなかった。
嘲りを含んだ笑いを遮るようにそう叫べば、後ろで唾を飲むような音がしてピストン運動が止まる。

だって、俺には御主人様しかいないんだ。
だったら、どんな使い方されたってそれに従う。
…俺にはここにしか居場所がないんだから。

必要としてくれるなら、御主人様の言う通りにするだけだ。


「……」


最後に捨てられたって、今は…俺が利用できる間は傍にいてくれる。
1人にならなくていいんだから。
…それだけでいい。

たとえ、俺のことを何とも思ってなくて、ゴミみたいに思われてるとしても。
たとえ、俺にあの嫌な記憶を思い出させたのが御主人様だとしても。


「…っ、おれは、それでも…ごしゅじんさまのことが…っ、すきです…ッ」


涙を零しながら、力の限り叫んだ。

必死に御主人様に想いが伝わるように。
必死に俺がその期待に応えてみせるというように。


その瞬間


「………まーくん………?」


声が、聞こえた。
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