13

(どうしよう……)


絶対に男の言う通りになんかしたくないけど、心が揺らいだ。

正直言うと…気になる。

…気になる、けど、…蒼の秘密に関してはこんなことまでして見たいかと言われたら

…わからない。

それに蒼だって、言わないってことは俺に知られたくないことかもしれない。
勝手に人の秘密を聞くのはどうかと思うし。

…それは、もしかしたら俺に絶対に知られたくないと思ってることで、だったら他人から聞いたらだめだろう…と思う。

…それに俺は蒼の秘密を知ることが、知ってしまうことが…少し怖い。


「……(でも、)」


ぐ、と唇を噛み締める。

でも、俊介のメールは
それだけは、俺のせいで何かあったのかもしれないと思うと見ないといけないような気がする。

この前、蒼が言ってた俊介に関する話。

(…あれは、本当だろうか)

自分のせいで、関係のない他の誰かに迷惑をかけるのだけは嫌だ。

目を瞑って、ぎゅっと拳を握る。

……でも、でも、それでも自分がそんな誰かのソレを咥えるなんて行為もしたくなくて、ぐ、と俯いた。



「んー、待つの飽きちゃった。もうイイよね」

「え、」

「噛んだら殺すからね。ペットちゃん」


その言葉に驚いて目を開けた瞬間、後頭部を掴まれた。
強く掴まれたせいで、指が皮膚に食い込んで痛い。


「…んぶ、ッ!!」


閉じた口に強くでかいものを押し付けられ、ぎゅっと唇を結ぶと鼻をつままれた。我慢できずに息をしようと微かに口を開けば、無理やりそこを開かれる。喉奥まで咥えさせられた。

(…ッ!!息ができな…っ!!)

その濡れた感触に反射的に吐きそうになって、でも頭を掴まれているせいで、それさえも許されない。
でかくて、そもそもそんなのが口に入るわけもないのに、無理やり奥に入れられて苦しい。勝手にえずき、そのせいで喉がうねる。男の言葉がどこまで本当かわからないけど、噛んだら殺すという言葉に本能が死を恐れて歯を立てないようにしてしまう。

何もしてないのに、とろとろとその性器からこぼれる何かが、口に零れ落ちてきた。
苦い、何か…、


(…先走り)

そのことに気づいて、気持ち悪さが増長する。
今すぐにでも吐きたい。

手で必死に腰を掴んで引き剥がそうとしながら、やめてくれと訴えるように男を見上げれば、何故か驚いたような顔をして頬を赤らめた。


「…ッ、?!、ん゛ーーッ!!んぅ…!!」

「っぐ…っ、…はー、やべ、出そうになった。今のキたわ。その顔ちょースキ」


高揚した顔で笑いながら、じゅぼじゅぼ喉奥を突かれた。
舌の奥の方で押し返しながら、えずく。苦しくて歯だって当たってるのに、亀頭の部分が容赦なく喉の奥につっこまれる。どろどろした液体が口の中いっぱいで、口腔内の粘膜で使えるところすべてで扱かれ始めた。
おえっと変な吐き気が込み上がってくる。舌や喉の奥で押し返そうとして、またそれが男の射精を促す。


「…ッ、んん…!!」

「はぁ…ッ、お゙…っ、や、ば…っ、これ…っ、かわいー…っ、本気で欲しいなぁ…っ、」


呼吸をしようと口を開くたびに喉の奥にそのモノを突っ込まれて、苦しいのに、離すそぶりもない。
むしろ気持ちよさそうにして、亀頭を擦り付けるようにじゅぶじゅぶと激しく水音が鳴る程口の中の粘膜を擦られ、叩かれ、弄ばれる。


「あ、は、…はぁ…っ、ペットちゃんの口まんこ、ちょー気持ちいいし、…っ、顔、液まみれで…っ、たまんな…っ、ぅっ、ぐ、もう、イクかも…っ、」


…段々速度が速まり、喉を大きく抉る強度が増す。

「ぐっ、は、はぁ、ぉ、おっ、で…る…っ」頭の上の息遣いが荒々しいものになり、必死にもがいて逃げようとするも後頭部をがっちり両手でおさえつけられていて、根元あたりまで咥えさせられていては意味を成さない。
……口の中のモノが唸る声と同時に大きく膨張して、喉奥に熱が放射された。


「…っ!!」


びくびくと震えながら喉奥に吐き出される。

生ぬるい大量の粘着物が口の中で溢れて、後から後から注がれるそれに窒息して死にそうになった。

…なのに、まだ頭を掴まれてて動けない。

目の前はただ相手の男の毛が生えた鼠径部しか見えなくて、涙を流しながらそこを必死に叩いて苦しみを訴えた。反射的にごぎゅ、っと嚥下反射でいくらか飲み込んでしまう。

あたたかくてねばねばしたその舌触りに、吐き気がとまらない。


「っ、」


べちゃっ

頭を離されると同時に倒れこむように床に突っ伏した。

吐いても吐いてもどろーっと喉から舌を伝い、唇をなぞって床に垂れる白い粘稠液に涙が零れる。
鼻まで逆流したんじゃないかと思うほどジンジンして痛い。
何度も咳き込んだせいで喉もひりひり痛む。畳を汚したなんてことよりも、今は酸素が足りない。

気持ち悪い。
全部吐き出したい。
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