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とりあえず確認してみる。
「…え、っと…今、漏らした…って言った?」
「…っ、ひぐ…っ、ぅう…っ、ふ゛ぇええ…っごめんなさ…っ、おもらししてごめ、なさ…っ」
俺の問いにコクコクと何度も頷く。
聞いたことで漏らしたことの自責感が増して更に追い詰められてしまったらしい。
本格的に泣き始めてしまった。
「…違う。真冬は悪くないから、だから謝らないで」
「くーくんのおようふく…っ、も汚しちゃって…ごめ、なさ…っ」
「…そんなこと気にしなくていいから」
(……こんな時ぐらい他人のことなんか気にしなくていいのに)
優しく声を掛けながら抱き寄せてよしよしと頭を撫でる。
…どうすればいい。
まさかキスしてる最中に真冬が尿意を催すだなんてそんな可能性もまったく考えなかった。
本気でショックを受けて泣いてしまっている真冬に酷く居たたまれない気持ちになる。
確かによく見れば少し、ほんの少しだけだけど股間の辺りが湿っていて、濡れていた。
(…だからさっきから掴んで必死に隠してたのか)
…でも、その部分を掴んで恥ずかしそうにしている真冬を見ていると色々と…その、変な感情が湧き上がってきそうで必死に目を逸らす。
「…おか…っ、おかあさんにみつかったらおご…っ、おごられる…っ、ぅ゛ー…っ」
「大丈夫。今はいないから見つかったりしない」
大丈夫、ともう一度小さく呟いて頭を自分の首元に押し付けて泣く真冬を慰めながらふ、と息を吐く。
胸元の服を小さな両手でぎゅうと掴んで、すっぽり腕の中に納まる身体。
とりあえず着替えるにしても風呂に入るにしても、真冬が落ち着かないとどうしようもない。
でもなかなか止まらないらしく、ヒグッヒグッと聞いてる方の喉が痛くなりそうな嗚咽を漏らしていた。
「くーくん…っ、」
「…うん。何?」
ぎゅうと抱きしめ返してくる真冬に、そんな場合でもないけどそんな行動に鼓動が速くなる。
涙目で小さく震える姿がすごく弱々しくて、…やっぱり真冬に甘えられると胸の深い部分が満たされた。
…嬉しい。
「…くーくんと、…ちゅー…っ、してるとき…っ、」
「……うん」
「…っ、おといれいきたか、…っひっく、わけじゃないのに…っ、いきなりかゆくなって…ッ」
「え、」
(…トイレに行きたかったわけじゃなかった…?)
一瞬驚いて撫でる手を止める。
ぎゅうと胸元の服を掴んだまま俺の首元に顔を埋める真冬の声。
「…っ、なんかいだくなって、きて…っ、おっきく、て、むずむず、してきて…っいきなり…ビクって…っ、なって、がまん、できなかった…っ」
「……」
耳に届いた言葉に、キョトンと呆気に取られる。
「そ、それにくーくんの、あしがなんかいもあたって、へんなかんじが…した…っ」
……いや、それは真冬がよく抱き付いてくるときに無意識に足も軽く一緒に俺の足の間に入れてきたりして、抱きしめてくるから…まぁ、でも今意識的に俺がやっちゃったような気もするけど…、腿をソコに擦りつけるような感じになったのは否めない。
それに真冬自身も動くから、そのせいで自分から押し付けるような感じで結構擦りつけてきてた。
…完全に無意識だろうけど。
…甘い吐息を零しながら、腰を擦り付けてくるってエロすぎるだろ。と思考が軽く混乱しててぐるぐる回る。
………正直言うと、俺のにも暴れる真冬の太腿とか…かなり厭らしい感じで当たってたし。
…ということは、
(もしかして、)
嗚咽で途切れ途切れだけど、その言葉からなんとなく今何が起こったのかわかったような気がした。
「…いつもトイレ行く時の感覚と違った?」
「…っ、うん…っ」
「今までそういう感じになったこと、ある?」
「…ううん…っ、ない…っ」
俺の問いに疑問や不信感をまったく抱かずに素直に答えて、ぶんぶんと首を振る。
「…触っていい?」
「…っ、へ…?」
答えを聞かずにその濡れている股間の中心辺りに服の上から軽く触れる。
濡れた感触。
それと同時に触れた瞬間、ピンと勃って上を向いていたまだ小さいソコがビクンと震えた。
(…硬い)
パジャマと下着を下に引き下げると、ぼろん、と出てくる性器。べったりと白い粘稠の液体がついている。
手で撫でるように触れば生々しく反応し、再び射精したがっているように中に残った精液を先走りとともに押し出してきた。
「…っ、やっぱり…っ、おかしい…?」
大事な部分を触られてるのに、嫌がるどころか涙目のまま不安そうに尋ねてくる。
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