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最早精液の出ないまーくんの性器は動く身体の前でただぶらぶら揺れるだけになっていた。
可哀想なソレに手で触れて先走りを塗り付けるように激しく扱いてみる。
「ら゛…っ!!?、や、!ろっれ、ら゛め…っ、」
「…そう?」
突如予想しない場所に快感が走ったせいで、苦しかったのか腰がビクッとなって遠ざけられた。
一気にその額から零れ落ちてくる汗の量が増える。
(…ここまで後ろで簡単にイクようになってたら、もうソレ使い物にならないんじゃない?)
口には出さないけど、思う。
というか、そうであってほしい。
それかいっそのこと本当に使えないようにしてみる…とか。そうしたら、もっと俺がいないと困るようになるかな。
…ま、冗談だけど。と嘘か本当か自分でも判別できない台詞を頭の中で吐きながら、今度は腰を引き、尻を後ろに突き出す感じになっている体勢によってプルプル震え揺れている陰嚢を指で絞るようにぐにぐにとしてやると、「ひ、ぎぃ…ッ!!?」とよくわからない声が上から聞こえてきて、
直後性器を包んでいる内壁とその身体が激しく痙攣と収縮を起こして、支える腕の力を失って倒れ掛かってくる。
その今までよりも一際強いナカの動きによって、イイ感じに肉棒全体が締め付けられた。
下腹部に一気に熱が集まる。
「…ッ、」
「…は…っ、ぅ、…おく、いっ、ぱぃ…ッ、」
声を押し殺しながら最奥に欲望をぶつけると、歓喜の表情と声。
今白濁液をナカで受け止めて苦しそうに息を吐く身体と同じくらい、…いやそれ以上俺自身にも精力剤を打っているせいでいつもより格段に量が多い気がする。
…何度も思うけど、こんな表情は普段のまーくんじゃ絶対にありえない。
ビクビクとまたその刺激で果てた身体は崩れ落ちるように上半身をもたれかけさせてきた。
汗と涙で濡れた身体を擦り寄せてきた。
瞳が涙でうるうるしすぎて、その端から溢れた雫が零れる。
「ん、ちゅ、ちゅー、して…」
「…しすぎてまーくんの唾液でべどべどになってるよ」
しかも唇を押しつけられすぎてヒリヒリしてきた。
イキすぎて焦点の定まらなくなってきたまーくんが唾液まみれの唇でキスをせがんでくる。それに応えながら、髪を撫でた。結構馬鹿っぽい顔になってるのがまた一段と愛らしい。
「………、これが本当なら良かったんだけどな」
「んー?ね、もいっかい、ちゅー」
ため息を吐く間もなく、俺がそうした表情を浮かべることに不思議そうな顔で首を傾げる。
「っ、」
でもすぐに首に回された腕にこっちに来いと抱き寄せられて、意外とキス魔なまーくんにまた唇を奪われた。
もう何十回もイッたはずなのに、まだ腰を揺すっている。俄然やる気らしい。
顔を近づけられる度に瞳を軽く伏せて、離れていくとお互いに吐息を漏らす。
…俺も人のこと言える立場じゃないけど。
ぎゅーぎゅーと蕩けきった体温で俺のソレを包み込んでいる腸壁がその動きによって色々と刺激してきて、飽きる様子もなく硬くなる自身。
今だから言えるけど、ただでさえ精力剤も使用してるのに更にまーくんに何もせずにずっと見続けているのも生殺しの状態で…色々と限界がきていた。正直言うと声と本能を抑え続けるのも辛かったりする。
緩く、腰を動かしてみた。
「俺にこういうことされるの好き?」
「んッ、んんッ、すき…ッ、きもち、ぃ…ッ、」
「他の人にされちゃだめだよ」
「あおいの…っ、あおいのが、いい…っすき…ッ、すきぃ…ッ、」
(…好き、)
俺の求めている言葉と一緒なのに、意味は違う。
そうわかっていても、反射的にカッと頬に熱が集まるのを感じた。
…同時に瞼が異様に熱くなる。
「そうやって簡単に嘘をつくのは良くないな」
お仕置き、とその額を指で跳ねた。
「ッ、ぅ、?そら、…らい…。っ、」
「…何言ってるか全くわからないんだけど」
はぁ、と息を零した。
何かを言おうとしてるのは伝わってくるのに。
他の人間では決してこんな風にならないのに、こうも簡単に俺の心を乱してくる。
無意識に顔を歪ませて、顔を見られないようにその後頭部に髪を掻き抱くようにして手を回して抱き締めた。
「…まーくん」
名前を呼んで、近くに置いておいた錠剤を口に含む。
ついでにペットボトルに入れていた水も。
「……」
「うー?」
益々ボケボケとした表情になって、まーくんは少し顔を離して上目遣いで見上げてくる。
…何の疑いもなく、ただ俺の声に反応して首を傾げて、
目が合った瞬間、胸の奥に感じる小さな痛み。
それを掻き消すようにさっきされたよりもずっと強く唇をぶつけて、口に入れたものを舌を使って流し込んだ。
「…ん゛ぅ?!!ん゛…っ、は…っ、」
触れた唇越しに、その喉が上下するのを感じてゆっくりと離れる。
唇の端から多少零れた水を手の甲で拭った。
「ちゃんと飲めた?」
「っ、…ぇ?」
「……口開けて」
促しながら指で軽くその唇を軽く開いて、隙間から中を覗く。
…うん。錠剤らしきものは残ってない。
人差し指で濡れた唇をなぞると、ビクンと大きく跳ねる身体。
少しずつ、効いてきた…かな。
「…?、ぁ、ひ、な、んら、おかし…っ、あ、う?ら、だ…あ、つ…?」
「なんでまーくんはそんなにすぐ勃起しちゃうんだろうな?」
「…っ、?、ら、れ…っ、」
直接の答えは教えずにそれとなく回答を示唆する教師のように、熱い吐息交じりに問いかけてみる。
その理由なんて、普通に考えればすぐにわかるだろう。
でももう今のまーくんの状態では何を飲んだかも、何かを飲まされたことさえ理解できていないはずだ。
やっと少しはマシになってきていたらしい体温が上昇してきて、再びその頬がわかりやすい程紅潮して赤くなる。
「は…ッ、はぁ…ッ」と息を荒げて、助けを求めるようにベッドに無造作においていた俺の手に触れて、ぎゅ、と握ってきた。
その見上げてくる瞳が酷く暗く怯えたような色に染まっているのを感じる。
それに優しく応えながら素知らぬ顔で微笑んだ。
(…あーあ、また飲まされちゃった)
確実に俺とまーくん、どっちも常人が服用する量を超えていた。
…脳まで壊れちゃったら俺が一生世話するから、どんどんおかしくなってほしい。
そんな目論見を全く知らずに不安そうな表情で混乱して、でもすぐに全部思考を飛ばしながら欲情した瞳で俺を求めてくる。
「は…っ、へ、は…っ、あお、も、いっかい……っ、シたい…ッ」
「うん。どんな風にでも…好きなようにしていいよ」
…俺は、まーくんのものだから。
薄い胸板越しにドクドクと壊れそうな程激しい心臓の動きが伝わってくる。
こっちまでその音につられるようにして心拍数が上昇した気がした。
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