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顔を背けていても感じる視線が、
…決して色を含んでいるわけではない…そういう変な意味とかじゃなくて、ただ無感情な色をした瞳に見つめられて、それが余計に羞恥心を煽った。
…おれ、こんなところで何をやってるんだろう、って思わされてしまう。
(…本当に…どう、思ってるんだろ)
こんな格好をさせて、こんなの、見て…くーくんは一体何がしたいんだろう。おれをどうしたいんだろう。
彼の考えてることが、まるでわからない。
「足は?」
「……わ、わすれてない、から…っ」
最早性器どころか…おへそが見えそうなくらいに捲り上げてるのに、それでも充分顔から火花が出そうな程恥ずかしくて熱いのに、許されない。
きごちなく脚を少しずつ開いていくと、
股の中央にぶらさがっているモノ…が、思いっきり、見やすくなって、
「…っ、」睫毛の先に涙が一杯溜まる。
「…も、…や…ぁっ、」
(……これ以上、むり……)
「………嫌じゃないくせに」
「…っ!!」
思わず畳を踏みつけている足の指先に力が入る。
できることなら顔をおさえて今すぐに隠れたい。
誰かに見られることなんて、初めてじゃないけど…それでも、凄く……心臓がバクバクして落ち着かない。
「本当、まーくんは変態だな」
「…っ、そ、そんなことな、い…っ!」
「へぇ、否定できるんだ」
キッと涙目で睨み付けると、不思議そうに小首を傾げる顔。
「だ、だって、これは、くーくんがやれって、」
「…勃ってるけど?」
少し顔を近づけてきたくーくんに、ピン、と弾くようにちょっとでかく硬くなってたソコを指先で叩かれる。
意外に強くされたから、痛い。
ビイン、と痺れるような感じが先から這い上がってきて、尿意に似た感覚に襲われた。
腰がビクってなって、勝手に後ろに引いてしまう。
震えた手に力が一瞬入らなくなって、浴衣を下におろしてしまいそうになって必死に堪えた。
そうして、小さく呟く声。
「…あーあ、まだ消えそうにないな…」
「……」
「これでも何回も薬塗ったはずなんだけど」
そっと下を向く。
ソコに暗い陰りを含んだ視線を向けている彼に、…息が詰まるような思いに駆られた。
長く黒い睫毛が、その目元に幽かな影を落としていた。
……ちょっとためらって、勇気を振り絞って聞いてみる。
声が、上擦った。
「くーくんは、おれのここが、こうなってる理由…知ってるの?」
「……さぁ?」
短い沈黙と、はぐらかすような言葉。
…教えて、くれないんだ。
む、と眉を顰める。
「これ、見て…気持ち悪いって思ってる…?」
「…まーくん相手にそんなこと、思ったことないよ」
以前、お母さんにつけられていた首の傷を見られた時に同じことを聞いた。
まだ全然冷たいけど、でもちょっと優しく否定してくれる言葉に、嬉しくなる。
おれが見せたくなかった理由は、…見られるのが恥ずかしい、ってことだけじゃない。
…お風呂の時と、トイレの時に、見てしまった。
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