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最初は試すように、くにくにと揉むように円を描くように亀頭に触れて、…結局すぐに我慢できなくなって竿を握って上下に擦った。
ぬちゅっ、ぬちゅっ
亀頭や裏筋に指が擦れた瞬間、腹の奥が疼き、余計に下腹部全体を甘く痺れさせる。一層高い声が漏れる。
膝を曲げ、足が細かく痙攣し始める。
汗まみれで無我夢中になって扱く。
手で皮をぐちゃぐちゃにして扱くの、めちゃくちゃ気持ちいい。
「…ふぅ…っ、ん…ッ、ぅ、ぐ、…っ、」
いつ蒼が戻ってくるかわからない、
少しだけ残った理性が、無意識にその動きに制限をかける。
やめないと。
蒼が来たら、どうしよう。
不安に駆られながら、でも手は止まらない。
そんな緊張でばくばくと鼓動を刻む音が身体全体に響く。
……それでも、気がつけばそれすら忘れて夢中になって、手を動かしていた。
汗が全身に滲む。
きもちいい。気持ちいい。
扱いている間だけ、疼きが、痒みが消える。
右手が疲れれば、次は左手で。
それもだめなら両手を動かす。
下腹部を僅かに突き出しながらグチャグチャ自分の手が扱く度、性器から卑猥な音が漏れた。
ぴくぴく震え、ぬるぬると蕩けていく性器。
「ん…っ、は、はぁ…っ、んん…っ、ぁ、あ゛…っ、ふ…っ」
「まーくん」
「…っ!?」
背後から聞こえた声に、びくっと身体が硬直する。
「…ぇ、?……ぁ…、」
凍り付いたように動きを止め、…恐る恐る振り返った。
(……見ら、れた…?)
さっきまで熱くて興奮していた身体が、一気に冷めていくような感覚に陥る。
「勉強してると思ってたのに、そんなことしてたんだ」
無様な姿を見下ろし、穏やかな笑みを浮かべた蒼は「ぁ…っ」と震える声を上げた俺の、性器を扱いていたほうの腕を握ってそこから離す。
もうすぐイキそうだったせいでぴくぴくと亀頭が揺れている。
…自分で、シてることを見られた。
恥ずかしい。
絶望で、声が出ない。
見られた。見られた。
「ごめん…っ、ごめんなさい…っ」
何を謝っているのか最早自分でも分からなくなって、さっき収まったはずの涙が溢れてくる。
ぼろぼろと泣いていると「うん。まーくんはいい子だよ。悪くない」とよしよしと優しい手つきで頭を撫でられた。
俺が泣いている間も、持ってきてくれた雑巾で床を拭いてくれた。
泣きながら、ただ見ているわけにはいかないと手伝おうとすると「いいから」と断られて、自分のせいなのに他の人のおかげで床が綺麗になっていくことが申し訳なかった。
「ほら、これでも飲んで落ち着いて」と、新しく入れてくれたらしい温かいコーヒー牛乳の入ったコップを差し出してくれる。
「…っ、あり、がとう」と嗚咽が混じりながら礼を言えば、「どういたしまして」と優しい声が返ってくる。
先に手を洗いに行こうとしたけど制止され、精液で汚れて濡れた指も布で拭いてくれる。「え、あ、」気を遣ってくれているのか、コップを口にあてて飲ませてくれた。
至れり尽くせりな状態に困惑しつつも、後で自分で飲むとも言える雰囲気じゃなくて甘えさせてもらった。ごくんと飲み込んで、ほっと一息つく。
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