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「…っ、……ぁ…」


突然、目が覚めるような感覚に襲われた。
感覚が、意識が、戻ってくる。

直後、肚のなかをグチャ!と音を立てて腰を打ち付けられる衝撃。

脳天が痺れて、背中がのけぞる。



「…ぇ…?なん…、……ぁ゛…ッ!」

「起きた?君、一瞬トんでたね…っ、」

「……と、ん…?ッ、ひぅ゛…っ、ぃ゛…っ、!?ぃ゛、…っ、や゛…ッ、ぅ゛…、が…っ」



声を出そうとすれば、かすかに緩められていた手にまた力が入って気管が潰れる。
恐怖でパニックになる。

そのせいでまた尻に力が入って、無意識に相手の望むようにナカのものをぎゅうぎゅう締め付けてしまった。


「ぁ゛う……っ!…ぐ……っ……ぁ゛ッ、っ…ぃ゛う゛っんン゛…っ!!」


開かされた股の間。

ズコズコと激しく赤黒い肉棒が、俺の尻の中をかきまわし、結合部からはジュプジュプと擦れる度に精液が溢れ、いやらしい音を立てている。

何度も奥まで突き上げられた。


「っ、ぁ゛、ぅ゛…っ、!………っ、ぇ゛…っ…」


(なんで、なんで俺、今こんなこと…っ)


一瞬、思考がいきなり引き戻された現実に追いつかなかった。

わかるのはさっきまで感じていた痛みが、腰に響く快感の重く甘い痺れが、ここが現実だと訴えるように一気にぶり返してきたことだけ。

徐々に思い出してくる。
そうだ。


……今、俺はよく知らない男の人とセックスしてるんだった。


首絞めによって酸素がなくなりすぎて、一瞬気を失ってたらしい。

頭がガンガンする。



「っ、ぁ゛っ、ぐ……っ、…」


間髪を入れず、身体の奥にぬちゅっと水音を立ててぶちこまれる肉棒。

乱暴に道具のように硬い性器の先端で擦られて、痛くてたまらない。
グチャグチャと鳴る淫音なんか、蕩けた内部を擦られる摩擦のせいで気にもならなかった。ずっと内壁を…熱いナカをかき混ぜられ、じわじわと下腹部が熱い。

否応なしに蕩けて感じてしまう。その痛みで、無理に与えられる快感で、嫌でも今が現実なんだと思い知らされる。

痛い。痛い。痛い。

……でも、それは俺が生きてる証拠なんだ。

まだ、生きてる。



「…っ、…ぁは…」

「…あはは…っ、血が出てるのに笑うとか…っ君やっぱりおかしい…っ!」

「…ぐ…っ、…ん゛……っ!!」

「はは…っ、いい…ッすごくいい…っ、首絞めるのって、こんなに締まりがよくなるんだ…また君の御主人様にお願いして…っ、許可貰おっかな…ッ」

「…っ、ぁ゛…っ」


酸素がなくなってきたせいで、顔が痺れてきた。

もはや、痛覚さえも消えていく。

一瞬でも気を緩めると、すぐに意識を失ってしまいそうだった。


死ぬ。死ぬ。

でも、そんな俺に対して気持ちよさそうに吐息を吐く男は、勢いを増して獣のように腰を打ち付けてくる。
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