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尿道の穴にすらっと長い指が触れて、亀頭を包むように手の平でグチュグチュ擦られる。


「ん゛、ぐぅうう…っ、は、ぁ、ァ…ッ、…ぁ、おい…っ、もう、やめて…っ」

「…全然止まらないな」

「ぁあ゙ッ!!……やっ……はあっ」


予想しない刺激に、倒れ込むように蒼の服にしがみついて首を横に振る。

やっぱりわざとじゃないかと思えるくらい、先走りをトロトロ分泌する尿道の穴の上を何度も強く指の腹や手のひらでネチョネチョ粘稠な音を鳴らして擦ってくる。

批判するような、懇願するような声を上げると


「ああ、ごめん。そんなつもりじゃなかったんだけど」


なんて冷たく返されて、その反応にまるで逆にこっちの方が勘違いして申し訳ないような気分になってきて、恥ずかしくなってくる。

じゃあどういうつもりだったんだと言い返したいのにできない。

輪ゴムによく似ている黒色の何かが取り出される。
絶頂したばかりの俺に容赦なく、淡々と進められる作業。

竿に輪を通し、「…っ、゛」性器と陰嚢の根元にそのゴムのようなものを嵌められる。

ぎゅっと張るような、先っぽを締め付けられるような圧迫感がある。


「…いた、い」


でもその痛みすら今の俺には快感になっているらしく、ぼろぼろと涙を零しながら、縋るように蒼の服を握っている指に力を込める。

俺のその手に優しく触れる彼の手。


「ほら、まーくん。”勉強”続けよっか」


その天使のように綺麗な笑顔とは裏腹に、地獄のような時間の始まりだった。


…………

…………………



「だから、この式はこうなって、」

「…ッ、ぁ゛、っ、…」


何故か一度収まったはずの快感が、その10分後くらいにさっきよりも勢いを増して再び身体を襲ってきた。

それでも、机を挟んで向こう側に座っている蒼がシャーペンでさらさらと補足を目の前のノートに書いてくれてるから、何とかしてそれに耐えなければと震える身体から少しでも意識を逸らそうとそこに目を移した。

汗が噴き出る。

一度安心して身体の力を抜いていただけに、異様な変化を迎える身体に心が適応できない。
さっきの何十倍と言っていいほど、今は全身の神経が過敏になっていて。


なんで、こんな…っ、


「…ぁ…ッ、ぅ゛ぅ、゛ッ!!」


堪らずに身体を動かした瞬間、勃起している性器に嵌められている輪っかの感触が締め付けてくる。根元を縛られてる陰嚢も膨らみ上がりきれず、同様に悲鳴をあげているように主張している。

ズボンをその上から履いているせいで、どうなってるかなんて見えない。

でも、ズボンを突き上げてきて、しかも射精をせき止められている感覚に、呼吸がだんだんできなくなってくる。


「まーくん、勉強に集中しないと。シャーペンもって」

「ぁ、ぁう、…っ、ご、ごれ、ごめ、ん…っ、」


呆れたように溜息を吐かれ、手から零したペンを持ち直そうとして、…うまく拾えずにまた落としてしまう。


「…誰が勝手に気持ち良くなって良いって言った?」

「ひぃ…ッ!?!ぁひ…っ、」


下の方でどくどくと脈打っているそこに、何かが触れる。
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