13

酷い耳障りな玩具だと、異様に低くなった体温が示す。


「ってわけで、もうあなたの居場所はない。ペットみたいな生活もうんざりよね?良くて性処理の道具にしかなれない。ここにいても、ただ苦しいだけってわかってるんじゃない?」

「…………」


さっき、台所から持ってきた。
懐に隠しているモノを想起し、ぼうっと考える。

今この女の人を殺せば、手に入るだろうか。
いつから眠れていないかも覚えていないけど、虚ろな思考で考える。

どうして、人を殺しちゃいけないんだっけ。

おれは、もう××してるのに。


「まぁ、今からあなたが何をしても事実は変えられないし、全部遅いんだけどね」


おそい、?
事実、?

何を、言ってるんだろう。

まさか、?そんなわけがない。
そんなはずない。

ありえない。


「妊娠、して、る…の、?」

「   」


耳に届いた言葉と、明るい声は祝福を見せつける。


「……――――――――…」


これほど、絶望と憎悪を感じたことはなかった。
けど、それと同じぐらい、全ての感覚が消えた気がした。

どうしてそうしちゃいけないと思ったのか。
…だって、人を殺そうとする、傷つけるような怪物を、きっと好きになってもらえないと思ったから。

でも、どうせ想ってもらえないなら、今更どうだっていうんだろう。

くーくんが手に入るなら、なんでもいい。
今まで考えていた理想の自分は、消えていた。

そう、全部、どうだっていいような気がした。

このままでは、終わってしまう。
それこそ、もう二度と手に入らなくなってしまうかもしれない。

それはだめだ。

おれにはもう、くーくんを手に入れる以外に、生きる意味なんかないのだから。

……彼女を せば、今からでも間に合うだろうか。
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