20

あまりにも寒気がする身体を、思わず自分の腕で抱きしめた。

なに、なんで、これ。

それ以上は、だめだ。
早く用を済ませて部屋にかえらないと、…おれが、戻れなくなる。


「俺を好きって言っただろーが」

「……っ、言ってな゛…っぁぐ、!!」


頬を殴られ、床に倒れる。
身体を床に固定するように首を掴まれ押し付けられた。
後頭部がコンクリートで擦れ、声が漏れる。


「俺様とのあまーい躾のお時間を忘れてんじゃねーよ。家畜」

「ッ、おれ゛は、かちく、じゃ、な」


喉を押す手の平がぬるりとする。
血に濡れているような感触がして、鼻をえぐるような匂いも混じり顔を歪めた。

首を締め上げる手。
あれほどの怪我を負っていたとは思えない程の力にもがいて呻く。
喉仏を潰される強さで上から押されているせいで、余計に痛くて苦しい。


「今後一生俺様のモンになるって言ったじゃねーか。全部嘘でしたとか、忘れたからなかったことにしてくださいって、そんな冗談が通じる相手じゃねえのはわかってるよなぁ?」

「……っ、ゔ、ぐ…っ、は…っ、」


バクバクと首の血管が悲鳴を上げる。
顔中が麻痺し、口が腫れるような違和感。

かろうじて返事をするためだけに緩められ、ひゅーひゅーっと狭い気道で酸素を吸う。


「俺はしっかり覚えてるぜ。もう一度全部一から実践して、思い出させてやろうか」

「……ぁ、ぅ、は、な…っ、」


浴衣の間に手が差し込まれ、下腹部を撫でられる。
ぞわ、と身の毛がよだち、鳥肌が立つ。

首を掴む手を離そうと掴んだ両手で必死に抵抗すれば、今度は視界が一瞬飛ぶほどの勢いで頬を叩かれた。
その一瞬で、頭を掴んで後頭部を床にぶつけられる。


「…っ、が…っ!!!」


痛い、視界が真っ黒になり、意識が途絶えた。

…と、眩暈がして気を失ったと気づいたのは、知らない間に片足を持ち上げられ、尻の穴に指を埋められてグチャグチャされていたからだった。


「ぁ、ぅゔ…っ、ぁ…っ、!!!」

「小さい頃からの日々の賜物ってやつか。無理矢理にでも感じるようにされてんのが、本物の肉便器って感じがしていいよなぁ?名器なのはわかってんだ。手放す気は更々ねーよ」

「っ、ぅ、ゔゔ…っ、ぁ、ぁ…っ、」


乱暴にヌヂュヌヂュ指を動かされて勝手に身体が疼き始める。
肉壁を擦り上げられて、勃起し、腰が震えて引いてしまう。


「あー、ここグチョグチョになって嬉しそうにヒクヒクしてんじゃねえか。ぐっしょり濡れて吸い付いてんの自覚してんだろ?」

「…っ、は、ぐ…っ、じれ、な…っ、」

「何が嫌だよ。ナカだけじゃなくて、ちんぽもビンビンに勃たせて蜜垂らしてやがるくせに」


ごつごつした指を何本も差し込まれてグチャグチャ水音を増すナカに、頬が熱を上げ、背中が仰け反る。

(なんで、なんで、…っ、)


なんでこんなに感じちゃうんだよ、おれ、

くーくんじゃないとだめなのに、刺激に反応して腹の奥が熱くなる。
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