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そういえば前見た時より、なんか痩せた気がする。
…ダイエット?
どう考えても、小鳥遊さんらしくない言葉が浮かんだ。
首を傾げる。
そんな俺を見て、瞬かれる瞳。
「…橘くん」
「はい?」
床に手をついた小鳥遊さんが、ゆらりと立ち上がる。
その動作を視線で追う。
「…え、…っ」
手首を掴まれて、無理矢理立たされた。
ドン
顔の横につかれた手に、一瞬びくりと反射的に震えてしまった。
そんな自分に舌打ちしそうになる。
(あー、もう。何びくついてるんだ。相手は小鳥遊さんだろ)
「あの、何してるんですか」
「壁ドン」
この人、真面目な顔して何やってるんだ。
はぁと呆れて息を吐く。
呆れつつ、至近距離で俺を真剣な顔で見る小鳥遊さんにちょっとばかり慣れてなくて。
「…(なんかムカつくんだけど、)」
視線を外すと負けたみたいで嫌で、とりあえず見つめ返す。
「あ゛あ゛…?!」と肩がぶつかってガンつける不良のような目で、小鳥遊さんを見上げる。
…と。
何故か目の前の整った顔がふ、と悲しげに微笑んだ。
「そんなに熱い目で見惚れるほど、俺ってやっぱり格好良いのか…」
「……」
くしゃりと前髪を掻き上げ、罪な男だぜ…と物憂げに呟く小鳥遊さんに呆れた視線を向けた。
「…(あー、…)」
やっぱり、顔だけは綺麗だからこれで変態じゃなかったら女の子にモテるはずなのにとか、顔以外爆発すればいいのに小鳥遊殺すとか我ながら物騒なことを考えて、現実から逃避しようと脳がフル回転している。
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